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5月12日昼 演劇ユニット ジョーロ 「トライアウト」

ヘロヘロQカムパニーが観たかったのですが、思いついたのが遅くて残念ながらチケットが取れませんでした。なので第2希望のジョーロへ。

あらすじ、プロットだけ決まっていて台詞のない台本というふれこみに興味を惹かれました。その場の状況にあった台詞を俳優たちが自分たちの中から出てくる言葉で表現していく芝居。必然的に引き出される言葉って何?基本的にはアドリブで、ってことは各回ごとにどのくらい変わっちゃうの?結末まで違ったりするの?なんて観客ながら心配しちゃいました。

舞台は15人くらい入ったら満員の小ぢんまりとしたバー。そこのマスターと常連客たちが繰り広げる、日常的な会話。緩やかにつながるストーリーをつむぎながら、特に大きな事件が起こるでもなく、進んでいきます。

なーんか不思議。芝居を観ている感覚とは少し違う感じです。自分がその場に存在しているような、でも存在しているとしたら微妙に居心地の悪さを感じてしまうような登場人物たちの関係性。普段の仕事などの社会生活上ならば関わらないから、放っておくならそれで済むけど、たまたま同じ常連として居合わせてしまったことで持たざるを得なくなった連帯感。そのあたりが登場人物たちの20代半ばと言う世代を鑑みて、ありなのか、無しなのか。。。

まあ私の感覚としては、ありそうだけど現実にはそうそうない状況かなあ。古くいえば「男女7人~」のドラマのような。それぞれ忙しいだろうに毎回こんな風に集まるか?って感じ。保たなければいけない人間関係をたくさん抱えているから、誰にもつながっていなくていいバーで飲みたくなるんじゃないのかなあ?

あと、人間は同じ状況にぶち当たったとき、本当にいつも同じ反応をするのだろうか?っていうのも疑問に思いました。回ごとに話が変わらないとしたら、細かい言葉遣いは変わっても、ある言葉に対するリアクションの方向性は同じことを求めるわけですよね?としたら状況の中の必然は一通りに決まると言うことなのでしょうか?この役割ならこの方向に話を進めるはず、という前提があるのだとしたら、敢えて台詞を決めていない意味はどこにあるのですか?同じ人だから同じ状況なら同じベクトルの言葉を返すとは限らないですよね。

自分でも少し混乱しているのかも知れません。毎回結末がいろいろ用意されているならば、それはそれで納得です。(その確認のために複数回観たくなりましたよ。)こういうやり方をするならば、緩やかに流れるのではなく一つイベントを用意したほうが感情の流れがわかりやすいのかも。

とはいえ、とても楽しめたのは確かです。こんなにもぞもぞ考えたのも、おもしろいやり方だと思えたからこそ。次回公演もまた観に行きたいと思います。

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