5月13日昼 薮原検校
nnbodama コクーンのお芝居は、面白くても高いのと広すぎてなかなかいい席から観られないのとで、よっぽど観たい物でない限り敬遠しちゃうことが多く、今回もあまり観るつもりはなかったんですが、偶然が重なってチケットが取れてしまったので行くことにしました。古田新太さんは好きだし興味もありましたが、期待はそれほど大きくなく。
江戸時代、東北の貧しい家に生まれた男が盲目でありながらも悪事を犯しながら成り上がっていく一代記。これは三味線?と思えるような不思議な音色のギターの音に乗って盲者の語りで物語は始まります。舞台上小道具はありますが、基本的には縦横に紐を張っただけのセット。ですが盲人の動きに対してはとても効果的なものに感じました。
普段観ている小劇場に比べるとやっぱり役者さんの達者さ、安心感は格別です。ベテラン俳優が次から次へとさまざまな人物を演じていく様は圧巻。田中裕子の色気と一途さ、六平直政の庶民から悪役までの幅はもちろん、段田安則の生真面目で重厚な演技は、古田演じる薮原検校と同じ肩書きでありながら同志であり敵でもある立場の想いをとどけてくれました。
そのなかでも古田さんはやっぱり素敵でした。私の記憶にある中でテレ朝「眠れぬ夜を抱いて」のような悪役から日テレ「ぼくの魔法使い」のお茶目な役までこなしている、素敵な面がすべて生かされているように感じました。主役を張るのは珍しいし、ご本人も脇できっちり固めるのがお好きなようなことをインタビューで言っていたようですが、こういう振り幅の大きい役をできる役者さんは多くないと思うので、今後も大注目。
私の席は後部で決して観やすいとはいえませんでしたが、やっぱりいいものは高くても観たいなあと思いました。まだやっているのでお勧めです。
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