5月27日夜 ハイバイ「おねがい放課後」
アゴラ劇場は不便で行くのが面倒なんだけど、いいお芝居やりますね。仕方ないから行っちゃいます。
これはプレビューも行きたかったけど行けなかったという、ちょっとリベンジ的な気持ちもありまして。ハイバイは初めてです。
心は若者ながら肉体は3倍の速さで年をとっていってしまう病気の少年のお話。プレビューから設定はちょっと変えたようですけどね。この少年が志賀廣太郎さん演じる「志賀くん」。その病気を理解する友達や家族の思いと、世間の大人の交わりを描いています。
最初から志賀くんおもしろい。明らかなヅラで大学生風のやりとりをしてるだけど笑えますねえ。演劇部の中に好きな子がいて、男同士でそんなこと話をしているんだけど、浮いてる雰囲気なのがおかしいんですね。ってことは演出意図とはズレてる?
まわりの同級生たちのルックス上のとまどいはわかるんですけど、志賀くんが若い心を持っているようにはどうしても見えないんですよね。心も見た目もおじさんが、なにげないふりをして若者に混ざってみて、若者側も混ざるおじさん側も戸惑っているようにしか。少年本人が見た目も気にして若い振る舞いをすることを恥ずかしがっている、っていえばそうも見えなくはないのかな。
父親に反抗したりって場面もあるんだけど、少年と父親ってあんな感じじゃないと思うんです。父親の前で泣ける男の子ってどうかと。もっともっと意地を張って感情を隠すのでは?プレビューでは母親って設定でやったらしいんですが、そのほうが味が出るんじゃないかな。とはいっても私には父親とのやりとりが一番ずーんと響いて泣けたんですけど。
エピソードの一つ一つ、演出の先生とのぶつかり合いとか、親子の関わりとか、女の子との恋の駆け引きとかは共感できて、引き込まれたんだけど、志賀くんの若さの描き方はもっと丁寧に繊細にして欲しかった。自慰行為だけで若さを表そうとしてる感じがイヤ。大学生だからこその自立と甘えのバランスあたりのところですね。
ちなみにこの日はアフタートークがありました。作演出家の意図が聞けるのはすごくおもしろくて、その日を狙っちゃいます。ほかの観客からの質問も、同じ芝居観てても視点がだいぶ違ったりするんだなあとすごく新鮮です。大手の劇団でもやってみて欲しいな。
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