6月9日夜 「ワンマン・ショー」
ペンギンプルペイルパイルズの作演出・倉持裕さんと所属の役者さんたちに加え、水野美紀や小島聖を迎えた豪華な舞台。
四角い枠組みを水平から、微妙に斜めに重ねて行き奥行きを見せた舞台。シンプルな机や椅子で家庭のシーンや隣の家庭、訪問先の家庭、庭などを表していきます。
主人公は懸賞マニアの男。応募者の人物像が自分だけではあたらないと思い込み、家族や身の回りの人をもとに新たなキャラを作り出して応募することに快感を覚えていきます。妻はそんな旦那がエスカレートしていくことを恐れ、はがきを投函せずにダンボール詰めにし、兄に捨ててくるように依頼する。無職の兄は市のサービス職員とともに真夜中に山の中にダンボールを捨てに行き、隣の家の夫婦が穴を掘る現場に遭遇する。兄はそこでの出会いをきっかけに仕事を得、ある事務所に通うようになる。懸賞マニアの本職は、航空写真を撮りそれをもとに町の変化を捕らえて各家庭訪問などで確認していくこと。その訪問である運送会社の家族と出会うが、経営者の妻と弟ばかりで経営者自身はなぜか全く現れない。。。
コラージュ的に場面場面が現れ、つながりの謎が増えていきながら、一方で過去にさかのぼったりあえて時系列を崩して個々の謎をほどいていきます。ちょっとずつちょっとずつ、それまで謎とも思っていなかった事柄が謎として表面化して、と同時にふんわりと緩やかに状況認識の確認がなされていきます。それがなんとも心地よい。
さわやかに懸賞マニアを演じる小林高鹿さん、謎の自治体職員、なんともいえない味のあるおとぼけキャラのイエローサービスのぼくもとさきこさん、いつもと違ってちょっと陰のある運送会社の経営者の妻の内田慈さん、きもい系の無職の兄の玉置孝匡さんなど、PPPPの役者さんたちはやっぱり魅力的です。
最後のどんでん返しというか、現実と異次元世界をつなぐような仕掛けが、ああ、そういうことだったのか、やられたって感じ。淡々と一歩ずれた妙な世界を描いていくのが楽しい。
帰りに片桐仁さん夫妻、片桐はいりさん、宮崎吐夢さんを見かけました。片桐仁さん夫妻はお芝居で出会う率No1。(No2は古田新太さんかな。)この2年ほどで5,6回見かけてます。仁さん、目立つんですよね、頭に加えていつもきれいな奥さんとご一緒だということで。はいりさんは真正面から顔を見てしまって驚きました。顔を存じていてもインパクトありますねえ。
| 固定リンク
「演劇」カテゴリの記事
- 電動夏子安置システム「3483」2018.02.09 19:30(2018.02.10)
- MCR「貧乏が顔に出る。」2012/9/23 19:00(2012.09.24)
- 「日本の問題 Ver.311」2012/3/8 14:46(2012.03.09)
- ひょっとこ乱舞「うれしい悲鳴」2012/3/7 19:30(2012.03.09)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント