« 2007年6月 | トップページ | 2007年8月 »

2007年7月

7月29日昼 小指値 5th Stage 「Mrs Mr Japanese」

身体表現に力を入れた演劇だと聞いて、チェルフィッチュのようなものかと、ちょっと構えました。あの独特の、抑揚のないたるっとした動き、苦手なんで。。。舞台も具体的なセットは何もなく、四方の壁と真ん中奥の衝立てだけ。どんな風に展開されるのか、期待と不安が高まります。

渋谷の喧騒をバックに繰り広げられる、高校の同窓会。現在と過去、そして紛れ込むタイムトラベラーによって未来までも。

このダンスのような体の使い方がすっごくおもしろかった。チェルフィッチュとは明らかに違って。なんなのでしょう?単に動いてるのではなく、お話や台詞の必然に裏打ちされている、というのか…。

例えば久々の友達との近況報告で、フリーターだという相手に自分は構成作家だと言う時に、背伸びして爪先立ちになることで上から目線を出したり。例えば相手が結婚してると聞いた負け犬感を出すのにブリッジに近いくらいのけぞってみたり。心象を動きで見せられるのがとても自然に自分の中に入ってくる感じ。

また小道具を使わず、昔の大きい携帯を表すのに人一人抱えて通話してたり、立ってる人の服の裾を引っ張ることで洗濯物干していたり。

役者の動き一つで場面転換やいろいろな変化を感じとれた時の楽しさが味わえました。生のお芝居のおもしろさっていうのが。役者さんはあれだけ体を張るんじゃ80分でも大変でしょうけど。

日曜の昼という時間のせいかお子さん連れの客がいたのはいいのですが、開演ぎりぎりまでロビーで騒いでたり、役者の友達らしき客が特定の役者の出番に手をたたいて笑ったりこそこそ話をしたり、と客側のマナーの悪さが気になりました。どこにも言いようがないのでここに書きますけど、どうしたらなくなるんですかねえ。。。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

7月28日夜 砂利/♪♪ダンダンブエノ

キャスト、作、演出すべて期待値ものすごく上がりましたね、これ。坂東三津五郎さんの現代劇初挑戦、脇を固めるのは片桐はいりさんや近藤芳正さん、作は本谷有希子さん、演出はペンギンプルペイルパイルズの倉持裕さん。これがスパイラルホールじゃ入りきるのかどうか。

ダンダンブエノは年1回公演しているようだけど、昨年に続いて2度目。去年も豪華でしたけどね。昨年の「礎」はなんとも古臭い感じがノスタルジーを感じてよかった。さて今年は。

三津五郎さん演じる男は父の介護をし、看取った後、ある感情の働きは鈍くなり逆に別の部分は尖がり、昔いじめた相手からの復讐を恐れる毎日。田中美里さん演じる妻も夫に振り回されて復讐に怯えたり、でも普通に経営しているうどん店をがんばったり。父を押し付けた負い目を感じている弟を演じるのは近藤さんで、その家に住み込んで兄の面倒をみています。

そこに昔いじめた相手でもあり、妻の姉でもある片桐はいりさん演じる女が現れ、生活はかき乱されていくのです。居候に山西惇さん、フラッと現れる箱を抱えた男を酒井敏也さん。

酒井さんや片桐さんのルックスを使った台詞など、結構笑えたのが驚き。

からっぽな男が感情を取り戻そうと妻や弟の助言に従って懸命になっている姿が、痛々しくもありほほえましくもあり。いろいろトラブルも起きるんですが。

最後にみんなで砂利を踏みつけるシーンは、なんだか迫ってくるものがありました。闇の部分を持った大人たちの必死になった感じがよくて。

でも結局はハッピーエンドに近いのかな。こんなメンバーだからもっとどろっとしたものを残してくれても不満はないんだけど。

前半分の席がフラットだったので、かなり皆さん伸び上がったり動いたりするほど見えにくい部分が多々あり。それは残念ですよね。フラットで席が続くなら舞台を高くするか床での演技を少なくして欲しいと思いました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

7月28日昼 ニセ劇団Trip#5「9は10の近く これがコントなのかショー」

これは劇団というからにはお芝居なの?いやいやコントですよね?まあどっちでもいいか、おもしろいんだから。

ダジャレを交えた、まるでアドリブのようなぐだぐだした間がたくさんで、大丈夫なのか心配になりました。でも進むにつれてだんだんそれが作りこまれた間で、演出の力なように思えてくるから不思議です。

役者さんのセンスも相当レベル高いんでしょうね。 その場で爆笑という感じではなく、軽くぶふっときたのがあとからあとからじわじわ効きました。細かい動きや表情まで逃したくない!

お気に入りは桑田アツキくん。きもい!クイズ桑田一人に聞きました、めちゃめちゃよかった。

鬼頭さんのアドリブ風のダジャレもとっても好き。あーあ、もう一回観たいなあ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

7月26日夜 Piper結成10周年公演『ひーはー』

興奮がとまらないくらい、楽しみで。大王のお話はいつもほっこりあったかく、げらげら笑えて、最高ですから。

最初に後半の公演をとったんですが、複数回観に行きたくなったら後半じゃ困るって思って、初日にも取りました。「みんな昔はリーだった」の時も同じことやったなあ。わかってるんだから最初から初日取ればいいのに。「リー」の時は結局3回行きました。スプーキーハウスは観てないんだけど楽しめるかなあ。

大王の語りが導入。最初から飛ばしてますねー。地方のもう潰れたステーキハウスに住む親子3人。ある日そこへアメリカの有名なギタリストがステーキを食べに来ることに。レストランなんか営業してないのに、おもてなしすることになっちゃったから大変。一家はステーキハウスといえばウエスタン、ということで着替えにハケます。

そこに現れたのは西部劇風の出で立ちの二人の男。ネットで知り合った西部劇マニアの二人は雰囲気のよさそうだったこの店をオフ会の会場に決めて集まって来たのでした。

この男たちがハケたところで出てきたのは一組の男女。途中で誤ってギタリストのクロード・チアリを殺してしまって逃げ込んだのです。さらにはそこに住む夫婦の高校時代の友人で軍人の男まで現れて…。

登場人物が順に出揃ったら、あとは巧みな入りハケなよるシチュエーションコメディ。勘違いを積み重ねた繋がりっぷりが秀逸。見事としかいいようがない。繋いでいく観客は頭を使うし混乱もするけど、読めた時の爽快感は最高。さらに先読みできちゃった場面では一人でぐすぐす笑っちゃって、こらえるのが辛いほど。

最後の最後で大王が再登場。一回観たくらいじゃあらすじなんて説明できないでしょ?だなんて、もうにくったらしい!でもまんまと術中にはまってリピーターと化す私でした。

余談ですが、川下さんのひーはーの掛け声、すごくかっこよかったです。踊り、かなり間違えたりずれてたりしたけど、「ひーはー!」に免じて目をつぶりましょ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

7月26日昼 SPIRAL MOON「おんわたし」

特に予定はしてなかったけど、なんか気になってちょっと無理してでも行くことに。でも2組ともは無理でした。とりあえず月組に。

わたしの大好きな沖縄の離島を舞台に。そこで暮らす人たちと、保護観察中にそこに連れられてくる若者と保護司、コーラのビンに手紙を入れて流し、それがたどり着いたのがこの島だったという少女とその母親。交流がのんびりと進んでいきます。

あったかいなあ。って暑いって意味じゃなく。島の人はみんなそれぞれの重荷を抱えてそれでも明るく一生懸命生きているんです。そこに紛れ込んでくる他者を時に他人事として、時に自分の感情の流れのまま、受け入れます。

おんわたしとは「恩渡し」。アフタートークによると、門肇氏の造語らしいんですが、なんかぐっとせまるものがあり。あなたからもらった恩にお返しはいりません、恩を受けたと思ったら、あなたの隣にいる人に返してください。。。これが島の掟。殴られたことのない子と殴ったことのない親の出会いの物語、と門氏はおっしゃってましたけど、どの場面も想いが迫ってきて目が離せませんでした。

大切な人を大切と気づき認める力。なかなか難しい課題です。

情けは人のためならず、いつかは自分に帰ってくる、それを信じてまわりに優しくしたくなる、そんなお芝居でした。同じ脚本でも役者が違ったらだいぶ雰囲気が変わりそうなので、星組もやっぱり観たかったなあ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

7月24日夜 東京セレソンDx「歌姫」

「あいあい傘」のとき、セレソンはほんとにぼろぼろ泣けるよって言うのを実感したんですが、今回も泣ける芝居を求めて。泣くってどこかカタルシスですもんね。

四国の寂れた映画館が今日の上映をもって閉館になるという。その最後の上映映画が「歌姫」。40年近く前の映画で、しかもヒットしたわけでもないのにその映画館の主人の母の遺言でもあり、その最後の上映を観に来た女の父の観たかった映画でもあった。どんなつながりがあるのか、どんなエピソードが隠されているのか。そこから過去にさかのぼってお話が始まります。

この過去へのつなぎが演劇的で素敵。映画を観に来た女の驚きっぷりがかわいらしくて。

戦後10年の高度成長期になろうとしている頃。その映画館を経営している家族と、戦後まもなく記憶喪失で浜で拾われそこでお世話になっている男。男とその家の次女はほのかな恋を実らせつつあり。。。なんだかそれだけでも胸キュン。

その映画館たまたま訪れた中年紳士が記憶喪失の男の顔に見覚えがあり、かつての妻を連れて再度その映画館にやってきて、男の周りは一変。かつての妻は夫婦であったことを明かし、男はそれを思い出せないまま次女に結婚を申し込もうとしたところで雷に打たれる。そこで過去の記憶を取り戻して。。。

ベタなお話なんです。それは作のサタケミキオさんも認めています。でもね、いいんですよ、なんだか。今回は私は「あいあい傘」のときほどのめりこんだわけじゃなかったんです。なのになぜか泣ける。誰に感情移入して、じゃなくて。シチュエーションに、なんですかねえ?不思議なくらいに涙が流れていくんです。鼻水もすごかった。。。

みんなが悩みながらもそれぞれが自分なりの誠意をもってその時代をすごし、エンディングは再び現代。世代交代したかつての登場人物の子や孫たちが、ほっとするような締め方をしてくれました。でもでも切ない。

熱中したわけでもないのに、2時間半という長さも全く感じませんでした。本当に自分の感覚がよくわからない…。泣けたっていうのですっきり感なんでしょうね。やっぱり観てよかったし、これまでのも観返してみたいし、次もまた観たい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

7月22日夜 ゴキブリコンビナート第22回公演「My life as a punishment-game~人生これ罰ゲーム~」

3Kっていうのも聞いていたし、劇場からは追放されたから野外だっていうのも知ってたから、覚悟はしてたけどここまですごいとは。唖然として口ぽかん状態でした。一人で行っちゃって状況わからず最初からすごく不安。誰かと一緒に行けばよかったと後悔。

これって舞台なんですねって言うような会場。きょろきょろしちゃった。テントがあったからこれが受付だろうと寄っていって、でもステージは?どこ?オールスタンディングって?

ありました。直径10mくらい、高さ4mくらいの足場が組んであり、そこに幕が張られていて、内側が劇場でした。カッパ来た観客がその中に続々と吸い込まれていく様子はなんとも不思議。中にはやはり荷台にやぐらのようなものが組んであるトラックが1台。見上げれば会場の外側にもトラックに組んであるやぐらのようなものが見えました。トラックのやぐらからは水が滝のように流れ、荷台に溜まっていっています。観客は好き好きにトラックを囲む位置に立って待っていました。なるほど、これがオールスタンディングねえ。

どこからともなく声が聞こえ、役者の姿が現れました。現代でありながら腰巻一つの原始人スタイル。アイヌと沖縄民族の縄張り争いがテーマのよう。四方八方から次々役者が登場。トラックへ集まり、身軽に上りながら物語は進んでいきます。水場を取り合い争う両民族。負ければ下の水溜りに落とされ、ひどいときには殺されます。激しい。

また、ブルーカラーとホワイトカラーの対立を軸に、痰飛ばしグランプリが催されます。ここで痰の的になった女の子は沖縄出身者だったのですが、アイヌにだまされグラビアアイドルになった結果、こんな場所に引きずり出され嬲られます。アクターズスクールに入りスピードになりたかった女の子。その元彼が彼女の恨みを晴らそうと動き回るんです。

女の子の妹の家庭や痰はき予備校やアイヌアクターズスクールなど舞台は様々に変わり、最後にはシャーマンまで現れて、役者はこれでもかといわんばかりに、縦横無尽に走り回ってました。しんどいんだろうな。外だから声の張り方も生半可じゃないだろうし。

場面が変わるたびにトラックが動き、外側の足場が開いてトラックとともに役者が入りはけ。トラックや足場の動きに合わせて、観客は逃げ惑いました。楽しい楽しい。生ゴミが飛んできたり、トラックの泥水が降って来たり、汚れるし。ぽかーんと呆れながらも話を追って、トラックから逃げて、で大忙し。

めちゃめちゃなアクションを繰り広げていながら、ストーリーも一貫して通っているのがまたすごい。差別をテーマに、建前ではなく底辺部分の汚らしいところを描いて、人間生きている限り差別はあるよ仕方がないよ、っていうメッセージを、諦めではなくパワフルにエネルギッシュに届けちゃうのがすごいなあ。

カッパ着てるから蒸れるし暑いし、大勢入る中で動き回るから危ないんだけど、とっても面白かったです。ぜったいまた行きたいよ。もうちょっと涼しいときだといいな。

オマンキーゴーズトゥハリウッドさんがいつのまにやらオマンサタバサさんに改名されていてちょっと驚きました(笑)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

7月22日昼 国分寺大人倶楽部 第二回公演「チャイルドプレイ」

ポツドールやジョーロで役者さんをしている河西裕介さんが作演してるっていうのと、大学の英語劇サークルから立ち上がったっていうのに興味があって行きました。

ネットカフェを舞台に。常連となっているネカフェ難民たちの生態、店員との関わり、などをチャット画面も使って描きます。現代っぽさはリアルに描写されてると思いますが、ポツドールなどを観たことあると新鮮さはない。会話が今どきの若者チックな雰囲気を醸し出しているのは確かですが、でも雰囲気自体は既視感あり。作風にもう少し個性がないと、模倣に終わってしまいます。

結成後日が浅いわりには役者さんは上手に演じてましたが、客席に声が届かないのは演出なのか、役者がまだ加減ができないという力不足なのか。こそこそ話してる雰囲気だけ伝えたくて、内容はどうでもいいならそれでもいいのですが。。。小屋のサイズと声量のバランスが、やはり前述の劇団の役者さん達は上手にやってるんだなと改めて思っちゃいました。聞きたいのに聞き取れなかったと観客に思わせてしまうのはストレスになるので。だから記者とのやりとりを大音量の中でやっていたみたいに、聞き取らなくていいんだよってメリハリつけてアピールしてくれるといいんじゃないかな。

まだ2回目の公演ということで、今後どういうふうにポツドールなどの世界観と差別化を図っていくのか、楽しみです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

7月21日夜 拙者ムニエル公演『ヤバ口さんちのツトム君!』

加藤啓さんに会いたくて、初日。初ムニエルですが、役者さん達はみんなどこかで観た人ばかり。思いっきり爆笑を期待。

啓さん演じるツトムくんはちょっと変り者。大好きなお兄ちゃんのウソにいつもだまされるからなんです。ずっとお兄ちゃんを信じてヤバイ人扱いされ続けたから、大人になってからはウソやだまされるってことに過剰反応しちゃって、やっぱり社会に適応できない人に。バイトに行ってもすぐクビになるので、ツトム君はバイトが3日以上続かない人のための施設に入ります。おかしな仲間や創立者と繰り広げる、ウソにまつわるお話。

予想どおりカラフルでポップ。初日のせいかものすごーく噛んでて、みたことないくらい言い直しが多かったけど。啓さんと澤田育子さんの魅力にぐんぐん惹かれました。澤田さんのくるくる変わる表情が、かわいかったり色っぽかったり、常に魅力的。

でもまあ爆笑したのはそんなに多くなかったな。クッキングパパとアルバイト情報のあたり。こんなもんなのかな。もう少しこなれてからの回も観たほうがいいのかな。笑いをとる劇団ほど前半と後半のノリ具合はだいぶ違うから。お芝居というよりは、長くてゆるーいコントって感じで観るのが正解?

| | コメント (0) | トラックバック (2)

7月21日昼 ブラジル「天国」

なんか場末の町の工場で働く陰気な雰囲気が素敵なチラシ。そそられるなあ。

ブラジルは初めてですが、役者陣がすごい豪華ですよね。客演で観たかぎり。

今日もポケットだったけど、珍しく晴れました。傘なしでここに来たのって、うーん、思い出せない。

予約したのに名前がなくてイラッとしたけど、関係者分なのか、わりといい席もらえて満足。どーでもいいけど名前が漏れてた時必ず最初にきかれるのが、「誰の関係ですか?」誰も関係ないんですけど。。。知ってる人がいるから観にきたわけじゃない、純粋な客なのよ、大事にしてほしい。関係者じゃないと邪険にされてるようで、なんとなく沈みます。

工員が通いつめる美人おかみがいる飲み屋が舞台。けれどこのおかみ、過去のある魔性の女で…。おかみが昔の知り合いだと嗅ぎつける工員、先輩の妻と関係を持ったせいで期間工にならざるを得なくなった新入り、工員仲間の過去の栄光を知る女工員、その女工員にも秘密があり…、とみんながみんな脛にキズ持つ仲間達。みんなが隠している過去を少しずつ探り、あぶりだして行く様子が、薄ら寒くてぞくぞくします。

ただ、なぜかどこかにやさしい雰囲気が残ります。やさぐれ男たちのハードボイルドなサスペンスかと思っちゃったので、そのオブラート感が物足りなさにつながっちゃいました。あたふたしたり、とんまに興奮してる様子が人間味があって、味でもあるんだけど。自分の中の、雰囲気から読んだ期待と先入観が思いっきり邪魔になっちゃった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

7月18日夜 椿組「花火、舞い散る」

花園神社の野外テント。初体験でしたが、天気にも恵まれ暑くもなく寒くもなく。縁日かお祭りかのような賑わいが楽しいな。

花火職人一家と職人仲間たちのお話。登場人物は多いけど、みんな個性豊かにていねいな人物描写がなされてます。目を患った親方、支えるおかみさん、気丈な長女、影の薄い長女の夫、仕事に伸び悩む長男、妊娠中の長男の嫁、花火のプロデュースに頭角を表す次女、花火屋がいやで東京に出ている三女。古くから一家とともに働く古株の職人やら見習いの子まで、みんなが生き生きしてました。

競技会に出す花火を作る職人達。夏はイベント盛り沢山で大忙し。なのに親方は手術を受けなければ失明の危機。にわかに話題の中心は花火屋の後継ぎ問題。長男の実力ではまだ早い、次女の話題性もいいけど職人ではないし…。出入りの業者さんや近所の住人をも絡めて話は膨らみます。

後半、職人達の実力争いの中、ある事件が起こります。それだけでも涙涙ですが、さらに自殺か事故かで疑惑が生まれ…。やがて現場に居合わせた職人の証言で真相がわかりますが、そこでの長男の嫁さんの一言にもう、号泣。切ないよお。。。

そんな涙の中でもモロ師岡さんと井之上隆志さんの味のあるやりとりは光ってました。最高。笑った~。

ほんと、私好みの笑って泣けるいいお芝居でした。また観たいな。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

7月15日夜 劇団フライングステージ第31回公演 「サロン」〜彼女の生き方、ゲイの生き方〜

不思議な感覚です。決してさわやかなわけじゃないけど、くどかったわけでもなくて。暑苦しくもあるのにねっとり感はない。ちょうど台風の過ぎた今の天気のように。風は涼しいけどちょっと湿っぽい。そんな後味。  

桜沢エリカの同名漫画原作。ゲイの集まるサロンに入り込んでしまった、女の子。素直にゲイ文化を受けとめ、消化し自分の世界と融合させちゃう魅力いっぱいの女子高生を鹿殺しの菜月チョビが演じてます。これがまたかわいい。

ゲイ役の役者さん達がとても自然で、そのおかげで奇抜なドラァグクイーンもすんなり自分の中に馴染んだ気がします。ゲイとしての生き方をクローズアップするのではなく、人としての共感できる部分を紡いでいるから、じんわりくるのでしょうね。作演出の関根信一さんの思いなのでしょうか。

やっぱり華やかなショーの部分は楽しい。こういうの好きなんです。関根さんの存在感とチョビさんのバイタリティ。すごいなあ。

でもちょびっとだけ、ほろりと泣きそうになるのに泣けない、くすりと笑えるのに爆笑じゃない、ってところが消化不良。そこがやさしい部分につながっているのかもしれませんけどね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

7月14日夜 空想組曲vol.3「小さなお茶会」

ほさかようさんに興味があったのと、クロムモリブデンの森下亮さん出演ということで、雨をおして行ってきました。ほさかさんの脚本はG-upの「アリスの愛はどこにある」ですごく心動かされました。気持ちのすれ違いを切なく描きながらも、最後に暗く悲しくならず、温かい感じ、好きです。今回もタイトルからしてそんなほっこり感を期待。

喫茶店を舞台に、マスターの夫婦愛、客と店員の絡み合った恋模様、ある親子の気持ちの行き違いが描かれます。単純なコイバナと思いきや、どっこい。ストレートに表を見せたあとに出てくる裏にあるもの。そのカラクリが見えた途端に見事に引き込まれました。

斜面や段々を使ったセット。狭さを逆手に取って、上手に見せてくれました。店の一階と二階、店の中と外の演じ分け、すばらしいです。役者さんはかなり大変なんでしょうけど、そんな様子は微塵も見せず。

森下亮さん演じるウエイター・あきらくんの愛情の表現と生井景子さん演じるウエイトレス・園美ちゃんの愛情キャッチの不器用さが妙なリアルさを出していて、とてもぐっときました。幸せでい続ける自信がないからいつも傷ついていたい女と、女が傷つけば傷つくほど愛してしまう男。

マスターの死んだ妻に関する妄想。誘拐された高校生男子と義理の母親の葛藤。どれもどれも細かくていねいに形付けられているんです。

途中何度となく出てくる映画の話も小粋。たぶん架空の映画なんでしょうけど、すごく興味をそそられます。カップを裏返すことが表す意味。最後のウエイトレス・みどりの台詞がけなげで、ぞぞっと鳥肌が立ちました。

不器用ながらもみんな一所懸命人を愛し、生きている。愛する相手が近くにいる幸せ。台風の夜のささやかな温もりでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

7月14日昼 蜻蛉玉第14回公演『たいくつな女の日』

舞台上手奥にしつらえられた、細い螺旋階段。これがストーリーの要。

当日パンフの島林さんのコメントにあるように、空には階段が続いているのかもしれない。時には周りの力も借りながら、でも一歩一歩自分で登って行く、先に何があるのかもわからないまま。

登場人物の何人かは階段を行き来し、何人かはある階でとどまり、人物の行き来で舞台上の階は変化します。どうやら下に行くほどおいしい水と平穏と安全に恵まれているらしく。おいしい水を求め下に向かう者もいるが、ほとんどの者は階段の上にあるものを求め、上へ上へと。下の世界にとどまる男は存在せず、登るのをあきらめて途中にとどまっているのは、目が見えないために自分を半人前とみなしている男のみ。

人はどうして上を見上げるのか。上だからいいの?安穏を、平和を、求めることは下を向くこと?男だから、女だから。水が欲しい、水って何だろう。

さらっと様々な層を通り抜けていくことで重々しく考えなくて済むようになっているように思いますが、それだから振り返りたくなることも。誰が中心ということではなく、それぞれの高さで生きる人の考えを見せていただいた分、ちょっと薄めになってしまった感じが。。。

面白かった、でももうちょっとこってり、こっくりした島林愛さんの世界観が見たかったとも思います。ご自身で演じてた、上へ、上へ、ただただ息を切らせて上っていく女のたいくつさを。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

7月12日夜 くろいぬパレード旗揚げ10周年記念公演 「尾花虎十郎劇団 祝三十周年記念特別公演「特急小江戸 近松心中膝栗毛」」

胡散臭い旅芸人一座ふうのチラシにちょっと食指が伸びずにいたんですが、すこぶる評判がよかったので、騙されてみることにしました。

家族同然の付き合いなら、それなりのいざこざもあるでしょう。関係が近ければその分因縁も強いもの。でも実際血の繋がりはなかったりするし、旅を続けてるっていう状況の中では、それもカラッとした後腐れのないものにしていくしか他にない。そんな、義理人情は大切にしながら毎日お客を笑わせるためにがんばる一座のお話。

最初は椅子の座りごこちが悪いのと客席が寒いのとでなかなか入り込めなかったんだけど、中盤以降、泣いたら笑ったり忙しい忙しい。興行がふるわず借金にまみれ座長の降板にまで話が及ぶ辺りからは、どの登場人物にも感情移入しちゃって…。守るものは守り続けたい座長、座長への義理は抱きつつも一座や座員の将来を心配する熊さん、娘を愛してるけど同じくらい芝居も愛する瑠璃子さん、母の愛を感じられず引きこもるおはぎちゃん、影でひなたで一座を守り盛りたてようとする兎姉さんとスヌーピー兄さん、そして自分勝手に生きながらもカリスマ的な魅力でみんなをふりまわす猫ちゃん。そのほかスミからスミまでみんな生き生きとしたキャラばかりで。

役者さんがとってもうまいんです。兎姉さんの島崎裕気さん、スヌーピー兄さんの高山和之さんが、個人的にはお気に入り。おはぎちゃん役の柳井洋子さんの声も素敵。狩野和馬さん演じる熊五郎兄さんも二枚目かと思いきやわあわあ泣いたり、暑苦しいけど面白い。

最後の公演のシーンはベタながらも泣きながら笑いました。終わってもどこまでが一座でくろいぬで現実なのか、ちょっと混乱しちゃいました。いやー、行ってよかったな。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

7月8日夜 Piper結成10周年記念トークライブ「ペーパー Piper の夜明け」

今月末からのPiperの3年ぶり本公演「ひーはー」の前哨戦としてのトークライブ。Piperの本公演は未見ですけど、後藤ひろひと作品は「姫の愛したダニ王子」や「ダブリンの鐘つきカビ人間」などで大ファンに。もう、すっごく期待です。

初めてのルミネtheよしもと。意外にいい劇場でびっくりでした。が、段取りが悪く、前の新喜劇が押したのか入場できたのが開演時間。30分押しかよ。ひどいよ。

川下大洋さんを司会に据えて、レストランのギャルソンという設定で始まりました。川下さんのダメダメな感じがよかった。ま、全体としてぐだぐだだったんですけどね。

せっかくゲストで来た板尾創路さんや平田敦子さん、水野美紀さんのよさがなかなか生かしきれてないし。Piperの紹介もなんとなくブツ切れで物足りなさが。個々にはすっごく笑えるんだけどね。流れがなくって。トークイベントだからこんなもんなのかな。

客席に片桐仁さんや楠見薫さん、ホリケン、山内圭哉さんの妻子、関係なかろうにレギュラーの松本くんやらがいたのには驚き。最後には舞台に上がったりもしたけど、これも使い方がもったいない。出るなら出る、客なら客ではっきりしないと。

近頃こういう文句が多いな。単純に面白かったらいいとも思うんだけど。どこかでストレスたまってるのかなあ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

7月8日昼 シグナルズ 4th Live「胸しめつける、優しい思い出」

舞台は浜辺。日本は、なんて台詞があったから海外なのかな。リゾート地のようです。執筆のためにそこを訪れたけど書けない作家。夏なのに冬の格好をして佇む若い女。この二人のそれぞれの親との確執が物語の要になります。

作家は自らの両親との体験を小説に書き大ヒット。だけどそれに対して後ろめたい気持ちやさっぱりと割り切ることのできない重さを引きずっており、次回作がかけない。若い女は母親からのSOSコールを冗談だと思って流してしまい死に目に会えなかったという失敗を犯し、それを引きずりながらも表出できずに、現在の居場所を逃げ出してこのリゾート地へ。

作家は父親との直接対話で、若い女はその作家のヒット作を読み、訪ねて来てくれた仲間たちのおかげで、親との新たな絆を結び、改めて一歩を踏み出すことができました。

私のウィークポイントの親子の話。それがなぜやら入り込めませんでした。いいお話なんです。なのに。

チラシにあらすじを書かれすぎちゃっていて、そこからの膨らみが今ひとつで想像力が伸びなかったこと、が原因かな。わかりやすいお話なのだから、もっと観客側に任せて投げ出しちゃう部分があった方が、受け止めたときのずっしり感を味わえたのかも。

作演がナイロン100℃の大山鎬則さん、主演が杉山薫さんだったからなのか、ここでもみのすけさんと遭遇。今週2回も同じ芝居を観ちゃうとは。通算昨年のイヌの日と合わせて3回目。今回は同じナイロンの松永玲子さんと来てました。松永さん、かわいかった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

7月7日夜 チームボツデット「北海道に行こう」

今回が最初だったのかな。知らずに行きました。5月のチャリTがなかなかおもしろかったので、そこの方が作るなら、と。役者さん達もいろんなおもしろい劇団から集まってるようだったし。

舞台はおんぼろな下宿屋さんの一部屋。いかにも貧乏学生が住んでますふうな風呂トイレ共同、6畳一間。そこに住むフリーターくんのダメな日常を描きます。設定は昨日のポツドールと似てるなあ。彼女の誕生日に北海道旅行をプレゼントする約束したのに、お金がなくて予約できずに彼女を怒らせる。儲けようとして麻雀に明け暮れ、負け続ける。さらに彼女は怒る…。若い男女によくある光景。

ぐだぐたやっちゃったらかなりつまらないイライラする芝居だったろうけど、演出と役者の元気良さ、テンポ良さで終始にやにやしてました。松本大卒さん演じるダメ男くんが愛らしい。麻雀仲間の石沢美和さんも平田敦子さんを思わせるようなコミカルなおでぶさんで好感が持てました。博多から出てきた学生、 宍倉靖二さんの表情の変化も滑稽で。みんなそれぞれダメなんだけど、仕事なくても彼女に怒られても、危機感や焦りを表出せずカラッと明るく、その時その時は一生懸命生きているから爽やかな印象で終われたのかな。

先輩からお土産を受け取ったダメ男くんの姿もなんだか素敵。お土産をずっと見つめた後、何かを感じたように部屋から出て行く。彼女の想いとダメ男くんの成長を見たいと思っちゃいました。

80分というコンパクトな感じはいいけど、あれだけでもたせるには限界の長さかな。登場人物を絞ってもう一ヒネリあったらよりよし。いとこや隣人は対比のためにいたんでしょうけど、なんかインパクトに欠けてたので。

あと誘導してくれたスタッフさんへ。奥から詰めて座っていって欲しかったのはわかりますが、ウソはいけません。奥が見やすいって言っといて、始まったら明らかに入り口側の方がよく見えるじゃないですか。なんかウソっぽかったので真ん中に座りましたが、騙されなくてよかったと思いました。正直に詰めて、って言ってください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

7月7日昼 SPECTACLE GARDEN vol.10 最終章『SPECTACLE GARDEN』Gの章

期待して行っちゃったせいかもしれないけど、Sの章の方がよかったかなあ。

Gは架空の区、銀座区の区長選と核廃棄物処理施設の誘致問題のお話。うわ、漢字ばっかり。とはいっても中身は飽くまでやわらかく、テレビの戦隊モノのアイドルが区長になって、元区長の霊に取り付かれたり、ファンの子を妊娠させちゃったりするような。

後列から見ていたのですが、お題が堅いもののせいで、スーツ姿の男ばかりがたくさん出てくるので、区別をつけるのが大変でした。っていうかみんな同じに見えちゃう。遠くて顔が見えなかったりするのです。

元区長の霊をはさんでの会話なんかは微妙なやり取りが行き違ったりして、面白いんです。登場人物も多いけどちゃんとみんなが役割を担っているし、脚本はすごくよくできているように感じました。それが舞台の狭さと衣装や設定のせいで生かしきれてなかったんじゃないかと。ま、すべて自分が眠くなったことに対する理由付けですけど。

なんにしても、これで解散はもったいない。もっと先が見てみたかったです。別の場での活躍を期待しています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

7月6日夜 ポツドール+三鷹市芸術文化センタープレゼンツ「人間 失格」

三鷹はやっぱり遠いです。そして駅からも距離がある。

舞台はアパートの一室。若い男の住まいです。ベランダからは朝の光が差し込み、テレビでははなまるマーケットが放映させる中、男はテレクラに電話。しらけた会話を交わしながら最終的にはテレホンセックスにいたりますが、時間切れとなり、会う約束を交わす。暗転の後、テレビは笑っていいともを映し出し、テレクラの女にすっぽかされた男が未練がましく電話を繰り返します。テレクラの経営者らしき人から代金請求について脅され、だまされて振り込み、友人にも借金しているためそれも取り立てられ、それぞれについて親に振込みをお願いして肩代わりしてもらい、挙句の果てには元カノに電話して泣き言を言う。

どうしようもない男です。かわいげもなく、小ずるい。ここまでの登場人物はこの主人公の男のみ。テレビと窓からの明かりで時間の流れを表現し、電話での会話だけで進みます。この電話とテレビの使い方は秀逸。ポツドールはその辺のアイテムを邪魔にならない程度の重要度をもたせて使うのがすごく上手だなと思います。

後半に入り、ようやく他の人物が姿を現しました。最後まで声の出演で終わっちゃうかと思った。。。よかった。テレクラの女と出会い、取立ての男にさらに搾取され、友達が来たときには返す金は奪われた後。生きててもしょうがないとまた元カノにSOSコールをし、元カノも部屋にやってきます。

そこからがすごい。核心に迫るネタバレになります。一回目の元カノへの電話で太宰の「人間失格」を読むように薦められます。男は素直に読み、疑問を持つ。「失格って?」ダメ人間とはどう違うんだろう。この疑問を彼女は上手に答えます。

ダメ人間だった男がその答えにしたがって、回想。人間失格なヤツだったらこういう展開になっただろうというシーンが繰り広げられます。これが、これが、息を呑む迫力。顔をしかめずにはいられない、人間の醜くて激しい性根。痛いよ、イヤだよ、苦しいよ。

結局男は失格にはなりきれなかったんでしょうね。生まれ変わってまじめに生きると彼女に約束しても、今後も同じようにダメ男として弱っちく生きていくんでしょう。でも失格よりいいのかも知れない、と思わせるのは、途中途中で挟み込まれる男と母親のやり取りや、母親からの留守電メッセージのせいなのかな。それだけが救い。

終わったとたんに客席から逃げるように客が出て行ったように感じたけど、気のせい?私はこういう芝居すごく好きだけど。確かにせっかくの三鷹の広く、天井の高い舞台を使いこなせてなくてもったいない気はしたし、登場人物が少ないために前半は特に動きもなかったからその辺は、ね。でも最前列でもう一度あのシーンを見たい。ポツドールの役者さんの体を張ったあの演技。

帰り、駅までの道を歩いてる間中苦々しい顔してました。思い返しても。それがいい。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

7月4日夜 東京ハートブレイカーズ 6th sense ゼリーの誘惑

中野のザ・ポケットに行こうとすると絶対雨降りになってるのは気のせい?

東京ハートブレイカーズ、前回の「アポロボーイズ」に続いての観劇です。チラシの雰囲気とかはちょっと引いたんだけど、やっぱり行っとこう。

どこかの小ぎれいなリビング。主人公の男と、なぜか女言葉でぶりっ子して話す男。気色悪いけど妙にナチュラル。主人公の部屋に居候している後輩らしいのだけど、その後輩に主人公の元カノの中身が入り込んじゃったみたい。そこに主人公の友達やら、元カノのお兄さんが訪ねてきちゃって。。。

設定はわかりやすくよくあるパターン。だけど役者さんの力で魅せてくれます。主人公はいたってノーマルに後輩と元カノの変身を驚き、受け入れ、まわりとの折り合いをつけていき、変身した後輩は自然なしぐさで元カノのキャラを演じ。元カノのお兄さんはものすごく個性的なキャラでまわりを振り回して行きます。シチュエーションの混乱ぶりが楽しい。

お兄さんが現れてからは場面場面で4人のバンドのライブが入り、それがいいアクセントになってました。アポロボーイズのときのような必然はなかったけど、入るだろうと思っていたのでそんなに不自然さは感じなかった。

せっかくほんわかどたばたと来たのに、最後の主人公と元カノのやり取りはちょっと真剣で重かった。そして長かった。確かに主人公と元カノの関係性はこのストーリーでは軸だけど、深追いしちゃうと雰囲気が変わっちゃう。元カノは結局いなくなるんだから、もう少しさらっとしたやり取りであって欲しかった。

アンコールでのエレキギターをぶら下げて演奏せずに振り回して踊ってる様子がすごくほほえましかったです。みんなが楽しそうで。みんなの空気がなんだか懐かしい感じなのがすごくいいんです。

でもやっぱりアポロボーイズのほうが私は好き。この日はメンバーのみのすけさんが観に来てましたよ。アポロボーイズのツアー、行きたいな。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

7月4日昼 SPECTACLE GARDEN vol.10 最終章『SPECTACLE GARDEN』Sの章

チラシはかっこよかったけど、そんなに行く気はありませんでした。最後じゃさびしいし。

でも時間が空いて、これ以外に何もなかったので、という消極的理由からチケットゲット。

これがなかなかどうして、あたり。行ってよかった。

物語は一筋縄ではいかない、あらすじを書くのも難しいようないろんな要素が詰まっています。戦前ヨーロッパでアメリカ経済学者をナチスが逃がす場面から始まり。って書くとすごく難しい話のような印象ですが、そんなことないんです。そこから現代企業やテレビ局に話が飛び、お金に関するエスパーというのをテーマに話した進んでいきます。ターバン野口を効果的に使って。

超常現象を扱うテレビの構成作家が、自分の彼女にお金に関する超能力を持った人を探させて、彼女の会社の経理課の課長の能力に注目します。課長の力はお札の人物とお話しすること。一方でアメリカから超能力者団体が来日。彼らの能力は、「金」という言葉のつくものを吸い取る、ズボンのチャックをあけると規制緩和につながるなど奇想天外なもの。そこに半径3キロ以内のお金の落ちる音をすべて聞き取る乞食が絡んで。。。

いやあ、自分で書いてても正直わけわかりません。把握し切れてない…。でも面白いんです。複雑で複雑で、でもそれを感じさせないテンポと面白さ。

挟み込まれる映像がややわざとらしかったりもしますが、楽しけりゃそれでいい。

知り合いに聞いたところSとGは部分でリンクしつつ、一方は笑い重視のコント形式、一方は芝居ということだったので、Gがコント部分に当たるのかなあ。Sだけしか行かない予定だったけど、急遽Gにも行くことにしました。笑えるの大好きだし。こういういろんな要素を絡めながらストーリーを展開していく形が好きなので。これで最後って言うのは残念ですね。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

7月1日夜 COLLOLリーディングシリーズ「recall: 1」

初めてのリーディングスタイル。正直、何がおもしろいのかなと疑問に思いつつ。だってお芝居って戯曲の気持ちに言葉と体がぶらさがって見えてくるものじゃないの?言葉だけなんて。

また仕事後に行っちゃいました。ただでさえ、collolは眠くなりがちなのに。やばいなあ。

門仲天井ホールっていうのも面白い場所。かなり狭かったですけど。でもここで、ってことにしたからには何か意味を感じたんでしょうね。このサイズのこういう公演にはすごくぴったりだったように思えます。

vol.1「ガラスの動物園」を鑑賞。あえて知らないまま、読まないまま臨んでみました。同じ登場人物を複数人で演じる。台詞を輪唱風に繰り返す。これは演出の田口アヤコさんの好きな手口なのかな。前の「きみをあらいながせ」でも同様の雰囲気が。

やーーっぱり暗転したとたんにまぶたがストンと。がんばりましたが飛び飛び。

でも面白いと思い込んで、途中から何とか睡魔を飛ばしました。ほんとに途中からは話に引き込まれました。兄の友達が食事に呼ばれるあたりから。話を知らないながら、会話の合間のト書きが読み上げられると不思議にその情景がぽっと浮かび上がったんです。ちょうどそのあたりが視覚的に印象に残る部分だったのかもしれません。でもろうそくを使った明かりや、次々に現れる、その時のその人物の中身がぱっと見える気がしたのは、脚本・演出の力なのかしら。言葉だけなのにこれだけ想像で情景が広がるって言うのはなんだか、気持ちよくなりました。

リーディングという形にとっても興味津々です。急に。何に惹かれたのかは自分でもまだはっきりしませんが、リーディングだからって捨て、っていうのは少なくともやめますね。

となると、vol2の蒲田行進曲が日程の関係で観られないのが残念です。もうちょっとやってくれるか、一方に絞って片一方を次回に改めてやってくれたらよかったのに。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

6月30日夜 阿佐ヶ谷スパイダース 『少女とガソリン』

どっちの方向からどう眺めても豪華。本多はもちろん、パルコや世田谷パブリックシアターでもいける。でもそれがスズナリっていうのがもう、じらされちゃってる。

もちろん先行でチケット取ったけど、もっと早い日でとっておけばよかったと思うほど、気になって気になって。中村まことさんの天然ぐあいが。ここのところロープ、猫ホテ「苦労人」とまともだったけど、モッカモッカのゲスト出演のはじけっぷりは忘れません

とある地方の片田舎。日本酒の製造でもっていたような町の酒造会社がつぶされ、年寄り向けの保養施設を目玉に生まれ変わろうとしている。反対し、酒造りの再興を目指して日々、町の飲み屋で集う男たちのお話。

飲み屋の主人で酒の瓶詰めをやっていた中村まことさん、杜氏の池田鉄洋さん、杜氏見習いの伊達暁さん、観光に来ていた中山祐一朗さん、町の特製の酒を飲み干しに来た松村武さん。素敵ですわあ。

あるアイドルにうつつを抜かす男たち。ヒット曲を流しては踊る踊る。そのアイドルが新しくできた保養施設の杮落としのイベントで町を訪れます。マネージャーの犬山イヌコはかつてこの町で生まれ育った女。ある秘密を抱いてふるさとを捨て、この道を歩んできたのでした。

どの場面を切り取っても無駄でありながら大切。シリアスなストーリー展開でありながら、くすりと笑える。脚本の力に演出と役者の力が見事に融合、結実した結果なんだなあ。

とはいえ、もろ手を上げて全面降伏ではなく、イケテツがなぜ突然残忍にチェーンソーを使ったかや、犬山さんの地味さ加減には物足りなさや疑問はありましたよ。しかもスズナリの座り心地の悪い椅子での長時間。でも天秤にかけてもやっぱりもう一回くらい観たかったな、と。最後の場面の美しさも捨てがたし。

余談。観客でPiperの山内圭哉さんが来てました。かっこよかった。来週のトークライブや月末のPiper公演、楽しみ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

6月30日昼 東京タンバリン「鉄の纏足」

私の中ではかなりの激戦を勝ち抜いての選択でした。そのくらい気になっていた劇団。

駅前劇場の使い方にまず驚き。真ん中に舞台を置いて奥と手前両面からの観劇はここでは初めてでした。やるな。でもそのせいで空調がうまく行かなくなったようで、基本的に客席はむんむん、ごく一部だけクーラー効き過ぎで寒かったみたい。

当日パンフレットを読んで、高井浩子さんのコメントにものすごく共感。私も日常のごく些細なことに腹立ててるから。自由席の芝居観に行って、早く行ってど真ん中の席座ったのに開演直前に詰めさせられた、とか、飲み屋の店員の気が利かないとか、エスカレーターを急いで上ってるのに、前の人が立ち止まった、とか。常に心の中で悪態ついたり舌打ちしたり。それがいつ表面化するか。攻撃すれば自分は加害者、それに仕返しされれば被害者に。

そんなことをつらつら考えているうちに開演。舞台はビデオ屋と図書館。どちらもものを貸しだす場所と言う点は共通してますが、この舞台でのそこの人間模様には大きな違いがありました。ビデオ屋に新しくバイトに入った31歳男子。彼女のバイト先だったから。就職先が決まるまでのつなぎ。ここには大学生や社長の息子、音大卒のピアニスト志望者など他のバイト仲間や若い店長がいて、好意や嫉妬などの熱い人間関係が広がっています。

一方の図書館はちょっと変わった感じ。借りたい本を受付に持っていくと図書館員が読み、その記憶がメディアに写されて貸し出されるという仕組み。ちょっとややこしいな。なので図書館員はひたすら静かに本を読み続けます。他人に干渉せず、干渉されず。名前で呼び合うことからさえ解放され、番号のみが介在する間柄なわけです。

ビデオ屋の店員と図書館員の名前はリンクしているがそれぞれ違う役者さんが演じています。そこがまた複雑なんだけど。両極端の世界のつなぎには主役の男子の得意なバスケットボールのパスシーンが使われ、コミュニケーションにおけるキャッチボールを象徴しているようにも、とれます。

ビデオ屋のバイト君は店長や先輩バイトのねたみ、恋人とピアニストの卵との諍い、バイト仲間の友達へのセクハラ疑い、先輩バイトたち同志の同性愛、客とのトラブル、父親からの圧力などでイライラを募らせ、最後にはある事件を起こしてしまいます。さらに最後の最後にはかばってくれていた彼女への裏切りをしてしまい、彼女からも見捨てられ。

重たくどろどろした感情を抱えての結末。なのになんとなくじとっとしてないすっきりした終わりっぷりはなんでなんだろう。事件を起こした側の気持ちも起こされた側の気持ちも、周りで見てた人の気持ちも、どれも自分の中にあるものだからだったのかな。

じわじわとながら、噛みしめたお芝居でした。つい脚本買っちゃった。繰り返し味わいたいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

6月29日夜 カミナリフラッシュバックス「下宿屋、ロマンポルノ」

うわー失敗した。この週末、時間がないわりに観たいのがいっぱいあったのに。チラシのインパクトと直感で決めたら。。。上演中からあれの方がよかったかな、とか他の候補に心は流れ。

そもそもは夜ふかしの会がゲスト出演してたのと拙者ムニエルの村上大樹さんがチラシにコメントを寄せていたので、これはもう、と思ったのでした。でも行ったのは夜ふかしの会が来る日じゃなかったしね。

住んだら売れる下宿屋という設定やおんぼろのそこに住んでも売れたがってるアイドルや劇団員っていうキャラはおもしろい。それぞれの役者さんたちもいい味を出してる。特に天然キャラの自称アイドルさんや、劇団員のロッキーさん、ニシオカ・ト・ニールさん演じる下宿のオバちゃんなんか。かなり好きと思えたのにな。

ちょこまかとイライラの種は転がっていたんです。遅れてきた客をわざと目立つようにしてるとしか思えない誘導の仕方、劇場の天井が高いのにセットの作りが低いので、セットの後ろ側で役者が動くときのカーテンの動きがすべてわかっちゃうような雑さ、暗転時の調光室のがさがさとした騒音、役者の芸の失敗など。

ゲストのネタライブぐらいまではそれでも笑いました。レッドキングって知らなかったけど、それなりにがんばってた。

そこから後です。売れようとがんばって劇団として応募していたコンクールの結果が出る日に、支えてくれていた下宿屋のオバちゃんが倒れる。オバちゃんの息子が下宿屋つぶす&追い出し宣言、劇団辞める団員続出で解散の危機、そこでの主宰の心情の吐露。ストーリーはどこかの2番煎じなありふれた感じ、間が長すぎてテンポが悪く暑苦しい演出、うるさくて拙さしか出てこない演技、演じている人に当たってない照明、押入れの隙間から見切れる役者の移動。。。最悪です。気が散り始めるともうバラバラ。

とどめが長い!この程度の上演で2時間超えはあり得ない。開演の遅れも含めて2時間半でしたよ。早く帰らせてくれ、って最後は時計ばっかり見ちゃった。役者全員の最後のダンスシーンは悪くなかったけど、むしろ私好みな勢いでしたけど、それでも7時半からやってますけどもう10時になりますよーって言いたくなりました。意地悪な私。

雑さ、幼稚さを排除して突飛さや味を生かせばいい方向には行けると思います。また行くかどうかは、かなり微妙な線ですが。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

6月29日昼 阿佐ヶ谷スパイダースPRESENTS ~暴走する男たちシリーズロングラン記念企画~SPECIAL SCREENING 『日本の女』

「少女とガソリン」を明日に控え、映像でのシリーズ作品の鑑賞。平日の昼間だからいつ行けるかわからず、とりあえず何枚もとったけど、行けたのはここだけ。「はたらくおとこ」はダメでした、都合つかず。心残り。まあ第一希望のここで行けたのでよしと。アフタートークでイケテツさんが出るんです!

開場前からのずいぶんな行列にあんぐり。暑いのによく並ぶなあ。私は開場と同時ぐらいだったけど、席はまあまあ。

相変わらずの暴力シーンとグロテスク血まみれシーンはあるけど、役者さんの個性と演技で笑いへと昇華。中村まことさんすばらしいですね、あのあほ面(最高の褒め言葉)。イケテツさんのキモさや中山祐一朗さんのあっけらかんとしたずうずうしさなど、笑える部分と顔をしかめたくなる部分とが共存しているのが、身をよじりたくなるような快感。

後半の震災後の話は確かに雰囲気一変なのでどうしたの、と思いましたが、アフタートークによるとここから話は始まったとのこと。女のいない世界、を前提に話を構築した結果、前半が生まれた、と。そうなんだあ。

そんな話も出たアフタートークですが、基本、笑いっぱなし。演劇ライターの徳永さんが話を進めるはずが、ついつい周りを気遣うイケテツさんが切り盛り。マイペースな伊達暁さんをどうにか巻き込みながら、楽しく、時にマジ話で楽しませてくれて、ますますイケテツファン度大幅アップ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

6月25日夜 あひるなんちゃら「毒と音楽」

日程的に厳しかったけど、どうしても観たくって。でも仕事の後ってきついな。早起きしてるせいか絶対に眠くなる。でも観たい。観たいのに眠いって…。

これも暗転とともにまぶたが。。。いやいや、でもがんばる!

舞台は2つの場面が交錯しつつ1つに収束していきます。行き当たりばったりで組んでみたバンドの練習風景。組んだはいいが練習したくない2人とまじめにやろうとする1人。もう一つはバーの店員と常連客。ピアノを弾けないくせに弾こうとする店員。

1週間で話を忘れちゃう程度のゆるさ。(って言ったら失礼?自分の記憶力を棚にあげ。)収束していくって書いたけど、どんな形だか忘れちゃった。

バンドの練習したくない2人の感覚のずれっぷりと、まじめにやろうとする1人の常識。客のオーダーの品を品切れといって出さずに客に持参させる店員と、それにたいしてまでお金を払っちゃう常連客。その不条理でありながら怒りが沸いてこない、妙な脱力感が魅力。

非常識って何、まともってどういうこと、って疑いが生じます。常識を振りかざしてずれた人たちに惑わされるばかばかしさに引き込まれます。言ったモン勝ちな世の中はイヤだけど、こんな風な振り回し方ならありかな。

それにしても眠かった。もうちょっとすっきりしてるときに行けばもっと面白かっただろうに。だからたぶん次回も行きますよ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2007年6月 | トップページ | 2007年8月 »