8月12日夜 アーノルド #8『ミートボール』
作演の武沢さん、体調崩されちゃったんですね。チケットとろうと思ったらそんなお知らせが出てきてびっくり。新作が観られないのは残念ですが、ゆっくり養生なさってください。
なあんてまるで知っているかのような書きっぷりをしてしまいましたが、アーノルド初見。なので新作だろうが、旧作だろうがはじめまして。役者さんたちをそこここでちょこちょこ見かけた程度なので、すごく楽しみ。
高校の教室。授業中。猪岐英人さん演じるせんせいが語りかけると、こっちはほんとに怒られてる気になっちゃった。ついメモ取りそうに。。。リアル。ここのせんせいたちのグループ、コンビニ店員たち、いまどきの若者の3つのコミュニティーがはじっこはじっこでリンクして展開する話。
登場人物は典型的で極端なんだけど、どこかリアルなんです。ほんとの身近では見たことないけどこういう人、いるって感じ。まじめに先生をやって、ちょっと常識のずれた教師仲間を陰でこそこそ笑いつつ、自分は裏ではネットの盗撮サイトでチャットしていたり。キモイと噂されて嘲笑されている男が実は司法試験を受けようとしている一方、先生とは自主制作AV仲間だったり。定職を持たないでふらふらしながらお金だけは楽して手に入れようとしているうち、お金もないのに彼女を妊娠させちゃう男がいたり。
一攫千金を狙う男が先生のその弱みを握っちゃうことで、さらに3つのコミュニティーの輪は縮まり、それぞれが追い詰め、追い込まれていきます。
これが、怖いんだなあ。劇場が冷えてたのもあるけどすごく鳥肌モノ。こういう人間の汚い姿って底がなくって恐ろしい。どこまででもエスカレートできちゃうんですもん。お話なのを忘れて心底憎くなるほど。いやだ、と思う反面、目が離せなくなっちゃう自分もいるんですが。。。
最後の夢の島での場面、役者、演出、スタッフワークすべてがすばらしかった。照明と雨音の相乗作用で、ほんとに役者がずぶぬれに見えました。その中でさらに人物の輪郭をぼやかしていくライティング、圧巻。なあああんてかっこいいんだろ。ここはそのすばらしさに鳥肌。
当日パンフの役名が、ひらがなで「せんせい」「わるいひと」「ばかなひと」っていうのもすごく素敵。話の中では固有名詞がちゃんと出てきて呼び合っているのに。敢えて名前でなく役名を振るってこういう話ではすごく効果的な感じがしました。そのセンスにちょっと惚れました。武沢さん、お大事に。
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