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8月29日昼 キャラメルボックス2007チャレンジシアターVol.5 「猫と針」

キャラメルボックスとはだいぶ雰囲気が違うという評判。私はあまりキャラメル観てないので、作家演出俳優の組み合わせの妙を楽しもうかと。

平日のマチネでさえも前売りはとれず、前日売りのチケットで。補助席かもって言われたけど、こういう大きい劇場ならむしろ補助席の方がいい位置に陣取れたりするんですよね。自分が早くからチケットとってた時は腹立つけど。そんなわけで、前から数列目の好位置をゲット。

まるで写真を切り取ったようなシンプルで美しい舞台。白黒のコントラストに、チェロの生演奏で開演。高校の映画研究会仲間の同級生の葬式帰りの5人。うちの一人が現実に映画監督になっており、この日、自作映画のエキストラとして喪服姿の仲間達を集める予定だったが、その日にたまたま友人の葬式が重なって。死んだ友人は精神科医で、仲間をもカウンセリングしてたりしたが、強盗に入られ殺されたとのこと。その謎を語るうちに話は様々な方向へ流れ、それぞれの生活が暴露され。

関係は高校時代のままでありながら、みんな重たい荷物を抱えている。自慢したいこともあれば隠したいことも。隠してることを暴く意図もないのに話の流れで相手を追い詰めてしまったり。チラシのコピーの「人はその場にいない人の話をする」っていうのがそのまま。それぞれがそれぞれの噂をし、本人が戻るといったん気まずく黙り、あとで真偽を確認するっていう、普段よくある風景が繰り広がります。

私はお話やエピソードそのものよりも、ところどころの鋭い台詞が鮮烈に印象に残りました。「映像や思い出はこんなに出てくるのに、本人はもういないんだなあ」「自分の生きてる現実より記録された現実の方がリアル」「あいつは年とらないんだな」「そういう関係にならない友達関係もあるのにね」とか。印象的と言いながらもう既にだいぶ忘れちゃってますけど。ぜひ戯曲を読みたいです。こういっちゃうとナンですが、芝居としてよりもその方がぐっさりきちゃうかも。。。

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