12月15日夜 ナイロン100℃ 31st session「わが闇」
やっぱり長いとの噂を聞いて少しげんなり。終わって飲む時間が短くなっちゃう。でも楽しみだけどね。
売れっ子小説家の父。3人の娘がおり、一番上の姉はしっかり者で小学生のうちから小説を書き始めていた。一見円満な家族だったが、神経質でどこかずれた母に付き合い切れなくなった父は別居、数年後には離婚してしまい。さらに数年後には後妻を迎えて。20歳になった長女が書いた小説は「わが闇」だった。
さらに二十年ほど後。後妻に逃げられた父は寝たきり、次女はろくでもない男と結婚したがわが子を火事でなくし、三女は女優になってスキャンダルを起こして行方知れず。長女は小説家として成功しているが目の調子がおかしくなっていて…。ある日父のドキュメンタリーを撮ろうという人たちが取材にやってきて。。。
という、ある家族の一代記。長いけど長さを感じさせないおもしろさ。お話自体はかなり暗くてしんみり、ちょっと泣きそうになるような。だけどそれとは関係ない笑いがたくさんもりこまれてて、楽しいんです。深刻な話の中でずっこけるんだけど、邪魔にはならず、笑わせておきながらすっと戻るタイミングも絶妙。
次女の夫の役だったみのすけさんは本当に嫌いになりそうなほどいやな感じ。大倉孝二さんはお笑いポイントを一手に引き受けてる感じでダメ男っぷりを。自由奔放な三女の坂井真紀さんはほんとかわいい。犬山イヌコさんはしっかり者としてまとめながらもあの声ならではのおかしさを出し、さらに「わが闇」を書く作家としての苦悩や父との関わりを深く深く見せてくれます。
私は自分が娘と言う立場だから、娘と父の関係性って言うのがとてもコタえました。すれ違い、意地を張り合いながらも最終的にはちゃんと通じ合える間柄。そこに至るまでの過程にほろっとしました。このテーマの扱い方が繊細で、最後のオチにつながる流れがとても好きです。男性が書いたとは思えない。やっぱり立場を共感できるっていうのも「好き」の要素の一つですよね。
本多劇場とは思えないすごい照明。映像といったほうがいいのかな。ふすまとか。よくわかんないけど、幽霊的な雰囲気がすごくかっこいい。あんなことまでできるのか、と感動です。そして大がかりな舞台装置。後半傾いていたのは家庭の傾きの象徴だったのかな。理由はよくわからなかったけど。でもすごい。
河原雅彦さんや水野美紀さん、宮崎吐夢さんやらを見かけました。
| 固定リンク
« 12月15日昼 NUDO Work in Progress series#3「simcity/12000000」 | トップページ | 12月16日夜 シベリア少女鉄道 vol.18 「俺たちに他意はない」 »
「演劇」カテゴリの記事
- 電動夏子安置システム「3483」2018.02.09 19:30(2018.02.10)
- MCR「貧乏が顔に出る。」2012/9/23 19:00(2012.09.24)
- 「日本の問題 Ver.311」2012/3/8 14:46(2012.03.09)
- ひょっとこ乱舞「うれしい悲鳴」2012/3/7 19:30(2012.03.09)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント