12月7日夜 空想組曲「この世界にはない音楽」
ファンタジー系はそんなに好きではないけど、ほさかようワールドにはなぜか惹かれてしまうんですよね。なんでかな。愛とか優しさとかこっぱずかしい要素が満載なのに。
今回は新宿村LIVEイベントで。いすと机だけのシンプルな舞台。自殺しようとする男の元に女が。女の正体は悪魔で、その姿が見えるのは死にたがっている人だけ。悪魔は死にゆく人の願いをひとつだけかなえ、代わりに魂を受け取るために現れるという。が、紫村朋子さん演じるこの悪魔は落ちこぼれで、いつも一生懸命願いを聞きすぎるから願いがかなった人間は生きる希望を持ち直しちゃっていつも魂を奪えずじまい。そろそろ悪魔失格の烙印を押されそうで…。今回自殺しようとしているのは中田顕史郎さん演じる作曲家。かつては一世を風靡したけどここのところ曲が書けず。悪魔は音樂大好きだけど、樂器に触れることが出来ないため、彼の演奏を聴きながら叶える願いを考えて…。
最初設定を知ったときは「悪魔かよっ!」って正直ちょっと引きました。。。だって、あまりにも童話過ぎるよ。。。だけど。この健気にがんばる悪魔と心を開かない作曲家の関わりを追っているうち、どうにも眼が離せなくなっちゃって。やっぱりいい話だよ、ほさかさん。
中田さんのちょっと落ちぶれかけたエリートってキャラは、板についている感じですね。背中が語るってこういうこと?傷ついて、でも誰にも傷を見せずにがんばって、本当は優しいのに周りを遠ざけて、でも最後にはがんばる悪魔を放っておけなくなっちゃう。干からびかけた私の心に潤いが戻ってきますわ。
そしてさらに心をくすぐるのがおもちゃのピアノの音色。おもちゃってところが逆に味がある。音の薄っぺらさで、人間と悪魔の関係性っていう切なさが倍増。
エンディングは哀しくもあり、希望の抱けるものでもあり。心地よいな。
風琴工房の笹野鈴々音さんや少年社中の堀池直毅さんがいらっしゃってました。笹野さん、かわいい。
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