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1月12日昼 こゆび侍第6回公演「ドン・キホーテの恋人」

初見です。わりとおとなしそうなイメージだけど、どうなんだろう?

舞台の使い方がおもしろい。王子で楽屋側を通って客席って初めて。四角い枠組みのまわりに白い紙屑を散らしてあって、シンプルで美しい。

幼馴染みのモリミーが好きで好きでたまらない女子高生・ソノコ。彼が引っ越していって10年たつけど彼のことを「取材」し続けていて。モリミーは両親を亡くしたことからソノコの母親が書いた童話の世界に入り込んで抜け出せずにいる。ソノコはモリミーを現実に引き戻すために戯曲を書き、演劇部員たちを使って現実を演じさせるが…。

オープニングこそおままごと的な不安を感じましたが、進むにつれて引っ張られました。設定もソノコの想いもモリミーの魅力も最初はなかなか掴めなかったけど、周りとの絡みや舞台、紙屑、2階、影などをうまく利用した展開がおもしろく感じました。

現実世界を戯曲にし、モリミー以外は忠実に演じる、モリミーの言葉は彼を徹底取材することでこの場面なら彼はこう反応する、という想定を。彼は実際その通りの動きをして。彼にとってはそれが自然、ソノコにとっては計算どおり、演劇部員たちは脚本通りなことに感嘆し、おもしろがる。からくりが面白くてこっちもちょっと気を引かれます。

だからその分最後のどんでん返し的な展開は残酷。女子高生らしい一途さと利己的思い込みを覆して、人はコントロールできるという全能感を錯覚だと悟らせてしまう。真実だけど悲しい。さらに物語を書いていた母の影をちらつかせ、その壁をも越えられないものとして。母の物語に捕らえられたモリミーを振り向かせられなかったことで。

それで終わりかと思ったらさらに一つ越えたのでちょっとほっとしました。最後までモリミーの魅力はわからなかったけど。。。

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