2月8日昼 小指値「霊感少女ヒドミ」
去年の王子で最優秀だった小指値。あの自由なパフォーマンスが原作ありで作品創ったら。しかもハイバイ岩井作品。うーん。
平日の昼にもかかわらずすごい人。アゴラの使い方もおもしろい。舞台は真っ白の壁と蛍光灯のオブジェ。
年末、ドンキでのナンパで出会ったヒドミとヨシヒロ。なんとなーく付き合いはじめるが次第に関係は傾いていき。一方ヒドミは自宅近くのコンビニに住む幽霊、サブロウに想いを寄せられている。振られそうになるヒドミをサブロウ慰めるが。
5人の女優によるヒドミ。ドッペルゲンガーをモチーフにしているということだけど、この入れ替わりようや同時出現の仕方がひどくおもしろい。複数人が一役っていうのはあると思うけど、こういう使い方?!って目からウロコ。これ考え付くって天才的だな。ころころ入れ替わってもなんの無理もなく、こっちが考えたり悩んだりすることなく自然に。そしておかしく。おっもしろい。
特に好きだったのは、キスシーン。こんなラブシーンあり?かわいいやらおかしいやら。パンを食べる場面もよかったな。駄洒落までとびだしてびっくりしたけど。
ヨシヒロ役の山崎皓司さんの体の使い方がすごい。すごいことをやっているのに、それを見ているその場面ではそれが自然に思えるのがまたすごい。口からあんなもの出したり、するすると上に登って行ったり。
幽霊が見えるとか、5人いるとかっていう特殊な設定がありながらも、そればかりを前面に押し出しているのではなく、女の子の普通に恋する気持ちや振られる悲しさ、好きでもない男に追いかけられるうっとうしさをきっちり見せるところが、憎たらしいくらい。これが押さえられているから回りの小ネタがどんなに降って来ても、受け取り、流して楽しめる気がします。
アフタートーク。子供の遊びのマイルールって言う発想がおもしろかったです。確かに同じゲームでも地域差があるっていうのは、子供は自分たちでおもしろいように自分たちのルールを作り出してるってこと。そっかあ、そうやってうそっこの世界を子供は楽しんでるんだぁ。演劇もそれがあって、作り手と受け手でそのルールが共有できた時、もしくは両者が食い違っても受ける側が新たに自分が楽しむためのルールを作り出すことができた時、すっごく楽しく感じられるんだろうな。うん、なるほど。そのマイルールを小指値は全力で、しかも演出だけじゃなく全員で考えて、いちばん楽しめるルールを見つけて観る側にぶつけてきてるのか。だからおもしろいんだな。
終演後、ハイバイバージョンの映像も拝見しましたが、ずいぶんと違って驚きました。リミックスとしただけのことはありますね。視点も設定も登場人物も、一つの原作からここまで違うものができるのかって。。。私は小指値バージョンが好きです。生で観たってことと女の子目線な感じと。
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