3月13日夜 五反田団第35回公演「偉大なる生活の冒険」
アゴラで五反田団。やっぱりこの狭さがいいな。
ぐうたらと毎日怠惰にすごす30歳の男。バイトもせず、家もないから元カノの家に転がり込んで生活している。元カノは現在不倫中。男を出て行かせようとするが男はのらりくらりとかわし、隣人を家に連れ込んだりして遊んで。男には数年前に亡くなった妹がいるのだが。
ダメ男を演じる前田司郎さん、最高です。ダメダメだけどほっとけない、そのバランスが絶妙。ひっぱたいて気合を入れてやりたいけど、甘えてくるのを許しちゃう、許しちゃったことでまた腹が立つんだけど、憎めない。そんな男、うますぎ。
将来のことを考えるでもなく暮らしているけど、たまに亡くなった妹を思い出したりする。ダメな男でも30年生きてりゃ少しは思うこともあるさ、みたいな暑苦しくない肉付けがいい感じ。決して妹に対する思いや悲しみを直接的に表現しているわけじゃないけど、そのやりとりの暖かさからじんわりと。また妹を演じる石橋亜希子さんがかわいいんだよな。だめなお兄ちゃんだけど仲良し。
最後の場面で、帰宅した元カノ、内田慈さんが号泣しました。これが、ものすごく切ない。泣いてる理由とか背景とか、示されてるわけじゃないけど泣く理由がわかる。っていうか自分も泣けてくる。怒りと悲しみの涙。なんだかわからないものへのいらだち。泣きたいんだよ、っていうところに男の存在。これがひどく現実的で、現実的であればあるほどこっけいになる。泣きたいのに笑っちゃう。
途中少したるみを感じたけど、最後の高まりがすごく心地よかった。じわじわとまた観たい気持ちが湧き上がってます。
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