3月9日夜 劇団掘出者第4回公演「チカクニイテトオク」
王子から新宿にはしごしようとしたら、丸ノ内線止まっててあせっちゃった。
初めて観る劇団だけど、公演の説明文がかなり気になって。「わかるわかる女」。こういう視点を持つ人に興味。
ある男の葬儀。葬儀後、男の別宅を訪ねたのは秘書、外国人の女、前妻との間の息子、友人、現在の妻や娘、娘の元彼などで、故人の印象はさまざま。男はいったいどんな人間だったのか。そして関わる人々の思いは。。。
最初、雰囲気から男にまつわるミステリー的な話だと捉えて観ていたけど、違った。そういえば「わかるわかる女」に対する警鐘がなるはずだった。男は朝鮮人、日本国籍を得るために最初の妻と別れ日本人と再婚。息子とは離婚から会わず、娘には朝鮮人だとは伝えず。しかし国の誇りはあって、仲間と「本名で呼び名乗る会」で活動したりしている。そんな人物像はあっさり明かされ、じゃあそこから何が起こるのかって興味をそそられた。けど。たいした事件は起こらず緩やかに話は進み、あ、そこに着地?ってところで終わった感じがしました。
わかりあえない人間たちがテーマだとしても、いろんな人が出てきて、いろんな視点がありすぎて、追う方向を定められなかったのが残念。誰目線かによって伝わらないもどかしさの方向が変わっちゃうから。次々視点を変えるならどっちから見ても大きな山があったほうがすんなり落ち着く気がします。全体的にちょっとくどくて単調。
視覚的な美しさはよかったです。セット全体の白に喪服の黒がとっても映えてます。喪主が喪服じゃない意味は何かあったのか気になるところ。喪服を着ない人の位置づけってなんかあったんだろうけど、よくわかんなかったな。
表現方法として、しゃべっている人がずっとリズムを取るように動いていたのがおもしろかった。主に手。手の動きって細かいしいろいろな表情が出るからおもしろい。ちょっとチェルフィッチュを想起させるような不思議な動きでした。俳優さんによっての差が大きく、個々の振り付け的にあんな感じだったのか、動きの癖としてそうなったのかが気になります。母娘の二人のシーンでは動きがちょっと鼻につくけど、息子と男の友人の会話は微妙に自然。その自然不自然の境界は作為的なのかとかも意図を聞いてみたい感じ。
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