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2008年3月

3月30日夜 G2produce「MIDSUMMER CAROL(再演)~ガマ王子とザリガニ魔人~」

初演の時はキャストのミーハー加減に引いて全く興味なくすごしちゃったけど、大好きな後藤ひろひと&G2作品。今回は逆にキャストの地味さに悩みに悩んだけど、2回分取ったチケットを1回に減らしたけど、観ました。

病院が舞台。大企業の会長が入院した。周りに心を開かない、意地悪爺さんで患者内でも嫌われ者。お金に惹かれた姪の看護師が自分の病院に連れてきたが、あまりの根性悪さに音を上げそう。しかしそこで爺さんは、毎日その日限りの記憶しかもてない少女と出会う。少女は誕生日の朝に家族を失ったショックでそんな状況になってしまったのだが、それに心を打たれた爺さんはだんだん、少女のために心を尽くすようになり、患者みんなで少女の好きな絵本をお芝居にすることになり。。。

大王の作品だからわかっていたことだけど、もう号泣。狙っているのもわかるし、ここっていうポイント設定も頭でわかっているんだけど、スイッチを押されたように涙涙。泣くために観てるともいえるくらいだな。どこかでこんなにワンマンで嫌われ者で何十年と生きてきた男がたった数日でそう簡単に変われるか、って反発もあるんだけど。それはお話だから仕方ないcatface

ちょっとばかり自分の今の状況と重ねてしまう部分もあり、どこまでも泣いてしまう。すべての設定は自分に置き換えることができる時に響くんだろうけど。ダイレクトだったな。

お爺さんと少女を演じた吉田鋼太郎さんと志村玲那ちゃんもさることながら、やっぱり後藤作品には欠かせない楠見薫さんや山内圭哉さん。個性的な患者さんだよなぁ。春風亭昇太さんのはずし方もいいアクセント。

はぁぁぁ、もう一回観たかったなぁ。泣いて泣いて浄化されたい。映画かもされるって言うけどどうなのかな?宣伝みたら仮装しすぎててちょっと心配になっちゃった。

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3月29日夜 「燻し銀河」

コバケンさんファンの私。先行で勇んでチケット取ったらなんと最前列。銀河劇場の一番前ってどうなのかしら。まあ近いのは好きだけど。

山奥の村でもうすぐ時効を迎える殺人事件。それを追っていた老刑事に代わり、若手コンビが事件を追う。殺人を犯した妻は姿を消しており、夫と娘は静かにその帰りを待っていたが、ある日遺族に娘がさらわれて。それを追った刑事たちは銀河鉄道に乗り込み。。。

正直、ストーリーはあんまり覚えてないな。やっぱり松村武さんはおもしろい。コバケンさんと藤田記子さんの使い方最高。この刑事コンビの掛け合いが見られただけでかなり満足ですわ。最前列でよかった。

他にも豪華なキャストを使いながらなんとなく個性が生かしきれてない。原金太郎さんや清水宏さん、菜月チョビさんあたり。原因は一目瞭然。featuring 遠山景織子だから。線の細さは役にぴったりだけど、おいしいところ全部持っていくのはどうなの?貞子っぽくなったりするのはかなり思い切っているのかもしれませんがねぇ。こっちはそれ目当てじゃないから。

という、企画と私の目的のすれ違い。だから、松村さんとコバケンさんと藤田さんで満腹するしかないわけで。

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3月23日夜 黒色綺譚カナリア派 「葦ノ籠~アシノカゴ~」

詰め込めたから詰め込んでみたけど、さすがに2時間ものを3本立て続けはつらいな。欲張りすぎだよなぁ、どう考えても。体調よかったから結構楽しめたけど。3本だったら1本は箸休め的なのにしたほうがいいな。

なぁんて言ってそれはそれで教訓として覚えてても、同じパターンで組めればまた同じように3本はしごしちゃいそう。そうしてでも観たい作品なら。これ、赤澤ムックさんは見逃したくない。このアングラ風の空気好き。

円形劇場と思えない大衆的というか昭和的というかレトロな雰囲気の舞台。被差別部落のお婆たちがたくさん暮らす河原。そこに紛れ込んだ妻子を失って正気を保てない男。男は河原で暮らす人々を妻子と思い込み、擬似家族を作って河原に通うようになるが。。。

舞台全体としてはとってもいい雰囲気なんだけど、どうも拡散している気が。お婆たちのもさもさ集まる様子もせっかく汚く貧しく、を作っているのに迫力に欠ける。意地汚さが弱い。

でも男に妻と間違えられ、愛を受ける男娼が、だんだん愛を受け入れ、男を想い始め、そして正気に戻った男に捨てられる様は涙を誘いました。

円形じゃないところでもう一回やればいいなあ。

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3月23日夕 ラドママプロデュース「アリスマテリアル」

メンバーを見ると鹿殺しとはえぎわのコラボ。ラドママ自体をよく知らないけどどんな形のプロデュースをやってるところなんだろう?李さんの素敵なチラシに惹かれてとりあえず行ってみることにしました。

不思議の国のアリスをベースに。役者さんの七変化がなんだか楽しい。

ころころと場面が変わるからついていくのは大変。だんだん、見覚えのある役者さんばかり追うようになっちゃいました。

舞台はセットなしで四角くプロレスリングのように設定。三方にから飛び乗るように登場したり、まわりからのぞいたりするのは、アリスの世界とぴったり。

でも鹿とはえぎわを集めた意味はあんまりなさそうな。たまたまそうだっただけ?

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3月23日昼 電動夏子安置システム第17回公演「或ルゴリズム」

今回はどんな設定のもと、どんなからくりをしかけてくるのかが楽しみ。頭が働くときに観ないとな。

問題解決のための筋道・アルゴリズム。ある任務を遂行させるためにいくつかの単純なアルゴリズムだけをプログラムされ、人間の役に立つように使われるアルゴ=リトミ。決められたきっかけに対し決められた動きしかできないが、感情は人間同様に持ち合わせている。監禁されていたアルゴ=リトミたちはある日反乱を企てて…。

やっぱり設定は少し複雑。でも舞台装置に組み込まれた工夫のおかげでわりとすんなり整理はできました。前半はその説明がややしつこいくらいに続き、ちょっと退屈さを感じました。それぞれのアルゴ=リトミになかなかアルゴリズムが設定されないんだもん。後半は逆に設定がころころ変わるため、誰がどんな原理に基づいて行動しているのか、ついていくのが大変。

私としては論理ゲーム的な理屈っぽさはわりと好き。既存の概念をうまいこと利用して、その上に新たな世界のルールを作り上げる、ってすごい。混乱を繰り返して最後にすとんと一点に収束する感じ。さらにそこに生じる微妙に嫌な後味が魅力的。

今回、後半ストーリー展開のために、「ルールを守る」っていう根本部分がおざなりにされちゃった感じが少し残念。あれ、この人この動きしていいんだっけ?、とか、アルゴリズムの解釈を都合よく変えちゃったりとか。それなら最初っからそうすりゃよかったのに的な意地悪な見方をしちゃった。

あと、もう少し全体が短いとうれしいんだけどな。頭使うから最後に疲れちゃうんだよなぁ。

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3月20日夜 メタリック農家「箱」

メタリック農家初体験。葛木英さんや古市海見子さんの外部公演がすごく素敵だったので。こういう個性的な女性って、同性から見ても魅力的ですもん。

オムニバス形式でゆるやかにつながる物語。画廊の絵について話す男女。それぞれの彼女の話で盛り上がる男4人。その彼女4人が集まったら。ネット上で知り合った男女。デートしてみるけどやっぱり関係は2次元のほうがよかったようで。醜いことで悩む女が、専門家に相談し。

いろんな設定が絡み合うけど、全体に流れるかわいくありたい女の子の気持ちはひしひしと。そのかわいらしさと男たちのオトメンっぷりになんかほのぼの。コンパクトな中に芯があり、温かな気持ちになれる作品でした。

個性的な俳優さんを使いながら、しかもかわいくいたい女の子を描き、なのにぎすぎすせず、笑えるけど茶化しすぎず、毒はあるけど致死量じゃない、っていう微妙なさじ加減が最高。衣裳や舞台もすっごく素敵。

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3月20日夕 ギリギリエリンギAnother works vol.2「1K~山手線の左下から愛を叫ぶ~」 宮益坂編

雨の中、中途半端に時間が空いてもう一方のバージョン。時間短いんだからまとめてもよさそうな。1時間の気軽さって言うのも捨てがたいけど。

1本目は中村暢明さんの「アミーゴ」。空き巣が忍び込んだ家に、外で喧嘩して帰ってきた男とその友達。話をしているうちに喧嘩の相手が家にやってきて、揃った面子に共通の趣味があることに気がついて。

ええぇぇ、そのオチ?いやいやそれはなしでしょ。おもしろくない。がっかりの苦笑。ちょっと短編だからってナメてるのかっていうストーリー。安易過ぎる。いくら力のある役者さんがやるにしてももうちょっとひねってほしい。もしくは演出面で下着の雰囲気を工夫するとかねえ。

2本目、米内山陽子さんの「架空の住処」。またもやちょいダメな兄弟の話。故郷で平穏に暮らす兄が、東京で適当に暮らす弟の元に逃げてきた。弟を頼ろうと思ったらなにやら怪しい仕事に手を出そうとしていて。。。

やっぱりここでも兄を演じる島田雅之さんの雰囲気が素敵。困ったようなちょっと弱そうな男が似合いますねえ。タイ人役の太田守信さんははまり過ぎてて怖い。。。本当にいそうで。

3本目はMCR桜井智也さんの「リフジンバス」。自殺をしようとして親友を呼びつけた男。死ぬ瞬間のビデオをとって親に送りつけろと指示するが。親友は一応自殺を止めようと警官を伴ってやってくるが。

この3人が観たくてこの公演に来たようなもの。だけど、ちょっとパンチは薄めだった気はします。この3人ならもっともっと切羽詰った妙な雰囲気が作れたんじゃないの?っていう。キャラの作り方はおもしろかったけど。

比べれば、道玄坂のほうが私は好きだな。2月に見逃した友寄総市浪さんの国道五十八号戦線、見とけばよかったなと思いました。

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3月20日昼 ギリギリエリンギAnother works vol.2「1K~山手線の左下から愛を叫ぶ~」道玄坂編

雨降りの上に冬の寒さ逆戻り。めんどくさくて出かけたくない気分と芝居観たさを天秤にかけて、なんとか芝居の勝ち。

まず道玄坂編。白坂英晃さん作の「巡恋歌」。失恋して大学も留年して引きこもってる男。兄やかつてのオタク仲間が家にやってくる。男は頑なに心を閉ざすが、大好きだったアイドルの曲を聞くうちに…。

ヒッキー役の熊野さんがぴったり過ぎ。こういうなまっちろいオタク役、目を輝かせてアイドルの歌を歌い踊る役がなぜか似合う。かなりの美少年顔なのに。不思議。

生き生きと踊るオタク仲間とついていけない兄が好対照でおもしろいし、最後のもっていき方もちょっと臭いけどキュン。

二つ目は友寄さんの「テンパってる奴」。ある家の住人、大家、ピザ屋のデリバリー、寿司屋の出前。金を払う払わないでもめていて。が、問題はそれだけじゃなく、4人が順にいなくなると残りの3人で。。。

なんとも複雑で不条理な関係。こういうの大好き。本当にオカシイのは誰?4人のバランスをぐらぐら揺らしながら、最後まで引きずられました。

最後はブラジリィー・アン・山田さんの「いつまでもここにいる」。友達が死んで残った3000万を山分けしちゃった二人。気が咎めるのか、つい集まっては彼の話。その話に耳を傾けるのは二人ともう一つの影…。

死んだ友達役の島田雅之さんの微妙な表情がすごくおもしろいです。お金取られて埋められて怒っててもいいはずなのに、友達が話してるのを苦笑しながら楽しんでもいるようで。そんな人柄のよさがあるから、酔っ払いすぎて間抜けな死に方したのも納得しちゃう。

なんて思ってると最後のオチでそういうことね、それじゃあ怒らないよって。二人の今後にぞっとしながら。

1時間ちょっとでずいぶんおいしい企画。こりゃおもしろい。

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3月17日夜 時間堂「三人姉妹」②

変化が気になって2回目。どんなふうになってるかな。

後日、別の舞台を観に行った時開演前に後ろの席の人が話していた言葉。「今までもう一回観たいって思ったお芝居はいくつかあるけど、実際2回目行ったのはこれが初めてだったよ。本当はもう1回行きたかったんだけど、今日はこれ予約しちゃってたから。すごい本当に会話している空気があるから、観るたびに違うんだよ。俳優が呼吸するっていうのが書いてあったけど、本当に客席でそれを感じた。こりゃあ、すごいわ。思わずブログ読み返しちゃったもん。公演前半で観てたらもっと何回も行っちゃったと思うよ。この演出家、まじすげえって思ってワークショップとか行こうと思った。仕事してみたいよ。」

たぶん俳優さんしている方なんでしょう。私が感じたのとほとんど同じことをおっしゃってたので途中からはかなり耳を澄ましてしまいましたbleah(盗み聞きごめんなさい。)

確かに2回観てもストーリーを知っていても、会話の成り立ち方やリアクションが流されていない。相手とのコミュニケーションを楽しんでいるから、こっちもきちんと会話を聞ける。

この日は中盤が少し長く感じるようなやりとりのテンポの悪さを感じましたが、エンディングがすごくよかった。きりりと引き締まった。

AB両バージョン観ることができましたけど、もしもう一回観るとして選ぶなら。。。迷うな。女性は星野奈穂子さんのナターシャのふてぶてしさはいいけど、アンフィーサをやるとちょっと声がしっかりしすぎてて80過ぎた婆さんな感じがしなかったかな。男性はアンドレイはどっちもよかったけど、大野洋範さんのフェラポントのとぼけっぷりがかわいらしくてよかったので。

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3月17日昼 チェルフィッチュ「フリータイム」

やたらと注目度の高いこの公演。私はなぜか相性の悪さを感じるんですが。でも観ておかないとね。

朝のファミレスが舞台。バイト店員や毎朝来る女性客、店員に声をかけてくる客達。

いつもの奇妙な動きをしながら、語っているうちに本人になってしまったりと、役柄をころころ替えつつ進行。私は頭で考えてしまい過ぎるのか、どうしても入り込めない。何も響いてこない。

たぶんその言葉を発するには発するだけの理由や根拠があり、イメージがあり、っていうのがあるんだろうけど、さっぱりわからん。なんでかなあ。わかりたいんだけどなあ。

繰り返しは単なる繰り返しに過ぎず、動きは妙なものにしか見えない、私には。うーん。

セットがすごくおもしろかった。床に埋もれているテーブルやいす。使うでもなく無視するでもない生かし方がね。

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3月13日夜 五反田団第35回公演「偉大なる生活の冒険」

アゴラで五反田団。やっぱりこの狭さがいいな。

ぐうたらと毎日怠惰にすごす30歳の男。バイトもせず、家もないから元カノの家に転がり込んで生活している。元カノは現在不倫中。男を出て行かせようとするが男はのらりくらりとかわし、隣人を家に連れ込んだりして遊んで。男には数年前に亡くなった妹がいるのだが。

ダメ男を演じる前田司郎さん、最高です。ダメダメだけどほっとけない、そのバランスが絶妙。ひっぱたいて気合を入れてやりたいけど、甘えてくるのを許しちゃう、許しちゃったことでまた腹が立つんだけど、憎めない。そんな男、うますぎ。

将来のことを考えるでもなく暮らしているけど、たまに亡くなった妹を思い出したりする。ダメな男でも30年生きてりゃ少しは思うこともあるさ、みたいな暑苦しくない肉付けがいい感じ。決して妹に対する思いや悲しみを直接的に表現しているわけじゃないけど、そのやりとりの暖かさからじんわりと。また妹を演じる石橋亜希子さんがかわいいんだよな。だめなお兄ちゃんだけど仲良し。

最後の場面で、帰宅した元カノ、内田慈さんが号泣しました。これが、ものすごく切ない。泣いてる理由とか背景とか、示されてるわけじゃないけど泣く理由がわかる。っていうか自分も泣けてくる。怒りと悲しみの涙。なんだかわからないものへのいらだち。泣きたいんだよ、っていうところに男の存在。これがひどく現実的で、現実的であればあるほどこっけいになる。泣きたいのに笑っちゃう。

途中少したるみを感じたけど、最後の高まりがすごく心地よかった。じわじわとまた観たい気持ちが湧き上がってます。

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3月12日夜 時間堂「三人姉妹」

楽しみにしてた時間堂がいよいよだあ。稽古場のブログを読んで、なんか真面目に生きるっていいなあって、いつもじーんとしちゃって。私も頑張らなきゃ、って前向きにさせてくれる、でも力は抜いてていいんだよ、とも言ってくれてるような優しさがうれしくて。力みのない気合。

言わずと知れた名作、チェーホフの三人姉妹。新潮文庫で出ている神西清さんの訳をカットなしで演じ切ります。

初心者なのでお話知るために戯曲を読みました。読みやすいけど何が起きてるでもなく、登場人物の名前を整理するだけで混乱しちゃって、たいしておもしろいとは思えませんでした。なのに。

文字の世界が立体化すると、っていうのを目の当たりにし、静かに興奮。会話ってすごいな。そこに人がいるってすごいな。つまらない会話も誰かの声だと気になる、隣のテーブルの会話を聞くともなく聞いちゃうような楽しさ。

3時間が全く長く感じませんでした。あの人とあの人のあの関係の成立や成熟や崩壊。お話の中で幕と幕の間に過ぎた時間をも味わえた気がします。

オープニングの歌、かっこよかったな。みんなが歌っていてさまざまな声が混ざっているのに、一人一人の声としては聞こえない。全体の調和としての声に聞こえたのがとっても不思議でぞくぞくしました。単なる合唱ではなく、俳優さんによる表現ってこういうことなのかな、なんて。

あと2幕の始まりの風がすごくいい。風の強さや外の寒さを感じる。単純な声と動きでそんなことが伝わる。

こんなに有名な、いろんな人がいろんな解釈や抽出で演じている三人姉妹なのに、奇を衒うでもなくさらっと基本に忠実に、それでいてこんなに豊かに作り上げる時間堂の姿勢がいいなあと思いました。構成・潤色することで図る個別性の表現ではない色づけ。私のように初めて三人姉妹に触れるような者にもきちんとチェーホフさんの偉大さを伝えてるし。

もっともまだ始まったばかりのせいか、言葉がやや浮いた感じに聞こえる部分はありました。脚本全部をそのままだから台詞がどうしてもなじまなかったりとかあるんだろうな。噛んだときの言い直しもごまかしがきかないから、ちょっと焦って見えたり。

ABバージョンあるようなので、ぜひ両方観たい!でもコンディションを整えて真っ向から向き合えるときじゃないと。ゆったりと、だけどきっちりと。

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3月11日夜 「イノチトリなゲーム」Aバージョン

当日パンフによるとほんとに急に決まった公演のようですね。それでこんな顔が揃うなんて。設定もおもしろそう。去年の新宿村は観られなかったので。

ある部屋で目覚めた8人の男女。部屋には外から鍵がかかっており、1時間以内にこの中の誰か一人を殺さなければ全員死ぬとのメッセージが。8人は一見知らない人同士だったが、よくよく話すうちにつながりが見え始め。。。

高校のときの友達や教育実習の先生、ご近所さん、元恋人、元バイト仲間、先輩後輩など微妙に覚えていそうでいない関係。その関係が露になっていく様子や、関係を元に共通点を探していく道筋はかなりなどきどき。しかも後ろではずっとカウントダウン。

思ったより種明かしが早く、あれっと思ったら、更にも一つどんでん返し。うわああ、やっぱりさすがの役者さんたちだ。みせてくれるなあ。1時間出ずっぱりの疲労感が閉じ込められた緊張感と重なって。

ただ、設定上仕方ないんだろうけど、ずっとテンションが高くて、観ているこっちも少し疲れる、単調さを感じる。そりゃね、1時間で死ぬとなったらテンション振り切れますよ。おかしくもなりますよ。殺し合いにもなりかけますよ。最前列で観たからか刺激が強すぎたのかな。

元気でワクワクのエネルギーを持続できるときに観た方がいい。若手のBチームも時間が合ったらって思ってたけど、さらに若くてパワフルだったら負けそうなので今回はあきらめようっと。

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3月9日夜 劇団掘出者第4回公演「チカクニイテトオク」

王子から新宿にはしごしようとしたら、丸ノ内線止まっててあせっちゃった。

初めて観る劇団だけど、公演の説明文がかなり気になって。「わかるわかる女」。こういう視点を持つ人に興味。

ある男の葬儀。葬儀後、男の別宅を訪ねたのは秘書、外国人の女、前妻との間の息子、友人、現在の妻や娘、娘の元彼などで、故人の印象はさまざま。男はいったいどんな人間だったのか。そして関わる人々の思いは。。。

最初、雰囲気から男にまつわるミステリー的な話だと捉えて観ていたけど、違った。そういえば「わかるわかる女」に対する警鐘がなるはずだった。男は朝鮮人、日本国籍を得るために最初の妻と別れ日本人と再婚。息子とは離婚から会わず、娘には朝鮮人だとは伝えず。しかし国の誇りはあって、仲間と「本名で呼び名乗る会」で活動したりしている。そんな人物像はあっさり明かされ、じゃあそこから何が起こるのかって興味をそそられた。けど。たいした事件は起こらず緩やかに話は進み、あ、そこに着地?ってところで終わった感じがしました。

わかりあえない人間たちがテーマだとしても、いろんな人が出てきて、いろんな視点がありすぎて、追う方向を定められなかったのが残念。誰目線かによって伝わらないもどかしさの方向が変わっちゃうから。次々視点を変えるならどっちから見ても大きな山があったほうがすんなり落ち着く気がします。全体的にちょっとくどくて単調。

視覚的な美しさはよかったです。セット全体の白に喪服の黒がとっても映えてます。喪主が喪服じゃない意味は何かあったのか気になるところ。喪服を着ない人の位置づけってなんかあったんだろうけど、よくわかんなかったな。

表現方法として、しゃべっている人がずっとリズムを取るように動いていたのがおもしろかった。主に手。手の動きって細かいしいろいろな表情が出るからおもしろい。ちょっとチェルフィッチュを想起させるような不思議な動きでした。俳優さんによっての差が大きく、個々の振り付け的にあんな感じだったのか、動きの癖としてそうなったのかが気になります。母娘の二人のシーンでは動きがちょっと鼻につくけど、息子と男の友人の会話は微妙に自然。その自然不自然の境界は作為的なのかとかも意図を聞いてみたい感じ。

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3月9日夕 菅間馬鈴薯堂「鯨屋の客」

ああ、これがあるからお芝居通いはやめられないんだよな。言葉じゃ言い表せない、不思議な何か。自分が描く線と舞台がたどる線の交点がすっとなじむ瞬間。

正直言ってどの断面をとっても私が落ちる要素はないお芝居ではありました。でも。なぜなのかこんなのもあり、と思える。だから、理屈で説明ができない。ふんわりと包み込んでくれる誠実さ、ってところかな。今現在の私の精神状態に当たっただけかもしれないけど。それが事前に予測できないからお芝居はおもしろい。

寂れて閉館を決めた草津の温泉旅館の人々。訳ありで仕事探しに来る女性、知恵遅れを抱える4人兄弟、ホステス、旅館の主人と東京に出たがっている弟。とっても何気ない日常の風景。

何気ないけど自然ではない、普段の私だったら嫌悪感すら催しかねない芝居がかった台詞や演技や演出。台詞の中にもあるとおり、なんでもない芝居となんでもない観客の私の間になんでもない関係ができたったことなのかな。なんでもないものはなんでもなく述べることはできない。寸法を測り、質感を表現することはなんでもないことから無限に遠ざかる。

それがすべてを言い表している、ということで自分をも納得させましょう。すべて手放しで褒め称えるわけじゃないけど、これがこの劇団の魅力なんだとしたら、また次も観てみたい。

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3月7日夜 アマネク「終焉ヶ原で逢いませう」

謳い文句がなんか気になる劇団です。主宰の森田匠さん、ふじみでの「大恋愛」でも気になったし。こうやって見逃せない作品が増えてっちゃうんだな。

取り壊される学生会館に入り浸っていた学生たち。引っ越すにあたって出てきた荷物や写真。写真にはかつて事故でなくなった先輩の姿があり、取り壊す前に先輩の仲間たちも記念に集まってきて。

ふしぎな会話劇です。ちょっと青年団を思わせるような空気を漂わせたかと思ったら、次の瞬間にはウケ狙ってさぶくなるような。挑戦してるのか、単にスベってるのかが読めない。

たまにものすごくツボにきて笑いが止まらなくなる瞬間もある。そのバランスが若さ?待ってると来ないのに油断するとさっくり拾われる。まぁ、まだまだ捨て部分のほうが大きい感じはしますけどね。このそわそわする感じが全体に流れたらねえ。

これでどうかな?って探られてるのか、これでどうだ!って挑まれてるのかわからない感じがそそられます。なんだかおもしろい。

キラリ☆ふじみの関係者が来てました。松田弘子さんや堀井秀子さん、佐藤雪江さん、富永まいさん。そういうつながりっていいですね。そして、またあのロミジュリを思い出して、二度と観られないのかとさびしくなっちゃいました。

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3月7日昼 reset-N「黎明」

シックで落ち着いた雰囲気。ちょっぴり官能的でもあり。江國香織の小説のような、フランス映画のような。

別れの予感を抱えた夫婦。話し合いをしようと、夫の幼なじみの家で待ち合わせるが、夫はなかなか現れない。夫はあるパーティーで出会った女性を忘れられず、逢引きを重ねていた。妻は夫を待つ時間に耐えられず…。

男女の心の機微はぐさりと痛い。ちょっと素敵な世界に浸ると切なくて。ただ我に返るとおしゃれすぎて微妙に恥ずかしい。

好きな相手とすごせるかけがえのない時間。それを知ってしまったから会えない間は時間の流れが澱み、長く長く感じられる。この感覚がお芝居全体に反映されているような印象を受けました。妻が夫を待つ時間。夫が別の女とすごした時間。俳優が感じるはずの体感時間がそのまま伝わる。妙なシンクロ。

アフタートーク、聞きたかったな。予定が合わず残念。

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3月6日夜 あなざーわーくす15回公演 「2010年のエレクトラ」

観客参加型演劇。間近で観るのは大好きだけど、そこにある見えない壁がとっぱらわれちゃうのは緊張しちゃう。どんなふうに交わって、どんなふうにお話を伝えていくのかな。

色に走り家族までも手を掛ける母。父を失い復讐を誓う長女。だけど策略にはまり刑務所に入れられたり、妹に寝返られちゃったり。遠くに逃がした弟の訃報まで届いて。

最初っからしっかり作品のペースに巻き込んでくれます。そこが甘いと照ればっかり残っちゃうからね。観客がどんなに恥ずかしがってもブレずにリードするのはさすが。

巻き込み方の中にも役者さんの個性が出ているのがまたおもしろい。ひたすら優しく親切だったり、威圧的だったり、痛くない程度にからかったり。

至近距離で見たハイバイの岩井秀人さんの目がなんだらやたら綺麗で、どぎまぎしちゃいました。岩井さんの俳優姿、とっても魅力的。

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3月3日夜 イキウメ「眠りのともだち」

お話の意外性と背筋がぞくぞくするような恐さを感じたくて。追加公演してくれてよかった。

夫と別居して友人とルームシェアを始めた女。訳あって夫がその家に居候しはじめたら、その友人は行方不明。女は夫と同じ夢を見ていて…。女は夢の中でこれは夢だと気付いてしまい、さらに深い夢の中へと落ちていく。夢には深さのレベルがあり、夢だと気付くとどんどん深みに落ち、戻って来られない。女は夢の案内人達に出会って、なんとか現実に戻してもらえるよう願い。。。

夢の世界の構造を理解するまでに時間がかかりました。今誰の夢の中なのか、それとも現実なのか。その混乱が魅力なんですけどね。混乱を越えて掴めた、と思ったあとに、ストンとその理解をひっくり返されるのが、唸るところのはず。ですが今作は少しそれが弱いように感じました。

夢の世界をうろつく軸と、夫婦関係の軸がうまく交差しなくて、夫婦がようやく出会っちゃうと夢の話はどこかに飛ばされちゃった感じ。だから日下部そうさんとかもっと不気味にくるかと期待したけど、もったいなく思いました。

いやいや、でも十分おもしろい。前作前々作ねインパクトが強すぎたから、ハードル高くしてるだけです。自分の夢か相手の夢かで悩む場面とか、ドキドキしたし。

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3月2日夜 ピンズ・ログ第4回公演「火の鳥にキス」

一日中野にて。前回の公演、お話はほとんど覚えてないけど、舞台と熊埜御堂彩さんのなめくじキャラだけは浮かびます。

故郷で同級生が営んでいる温泉旅館に慰安にきた、漫画家2人組とアシスタントたち。かつては超売れっ子だった二人だが維持できず、今は打ち切りが続きコンビ解消も考えていたり。温泉宿の主人は昔片方に恋をしていたが振られて、今は地元の子と結婚していて。2泊3日の旅行中に起こった出来事を優しく描いてます。

なんとも優等生的な展開。どこかで観た感ありあり。始まる前からエンディングが予測できてしまうっていうわくわくのなさ。年に一度の公演にしながらこんなに新鮮味がないってちょっとなあ。取材して練って、っていう前に。今、ここでこんな面子を集めてわざわざ作った芝居が、どこにでもあるような作品じゃあ、せっかく観にきたこっちも張り合いがない。

ま、もちろんこれはこれでおもしろくないわけではないんだけど。きちんと作られてはいるから見ごたえはあると思います。ほっこり優しい気持ちになれる。多少役者さんのばらつきはあるものの、それぞれの抱える微妙な感情が繊細に伝わります。

まあ、語りの場面って言うのはどうなんでしょうかねえ。私はかなり引きました。ああいう手法はずるいと思ってしまうんですよね。説明的で手っ取り早いですもん。導いてくれるっていう意味では話から離れないようにする親切さでもあるんでしょうが。

役者さんで言ったら、漫画家の奔放な方を演じた高木珠里さんの一人勝ちでもありますね。いるだけでのすごい存在感。重く、軽く。彼女だけで緊張と弛緩が。漫画家の相方、二木奈緒さんの上品なしっかり者、旅館の主人の石塚義高さんの純朴な雰囲気、女ったらしの古賀裕之さんのうざいまでの軽さなんかはなかなか好き。

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3月2日昼 危婦人「江波戸さんちのにぎやかなひなまつり」

江波戸さんシリーズ初めてです。女性ばかりでにぎやかにってひな祭りらしくていいな。ひな人形なんていつから出してなかったっけ。。。?

っていう状況は女3人もいる江波戸家も一緒のよう。久々に出してみたひな人形の首がもげていたから大変。人形の祟りかと思わざるをえないような災難が次々と…。長女よしかの中学時代の同級生、いろいろ怪しくて。

上品なドリフみたいな。わかりやすいどたばた、駄洒落、戦隊キャラ、すべて古くさくて懐かしい。女性ばっかりでやってて、ここまでオシャレ、とか、スタイリッシュ、とか、ポップ、とか、キュート、とかって言葉がそぐわないのも珍しい。どこまでもベタでずうずうしく、おばちゃん丸出し。

どちらかといえば苦手な部類のお芝居なはずなんだけど、なぜか好感がもてました。うーん、なんでだろ?はじけてるのに押し付けがましくはない、ずぶといのに控えめな、変てこなバランス感覚が悪くない。おもしろいでしょ?じゃなくてこんな感じでやってみたけどどうかな?さらっと流してくれてもいいんだけど、っていう、ね。

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3月1日夜 モッカモッカコントライブ3「I WANT YOU I WANT YOU」

わ〜一年ぶり。うれしいな。去年はコントより映像の方がおもしろかった記憶が。今回はどうかなあ。

辻修さんと加藤啓さんのユニット。脚本にヨーロッパ企画の上田誠さんやカリカ家城さん、小林顕作さんやブルースカイさん。出演は中村まことさんに中村たかしさん。すっごいな。

おまけに客席には水野美紀さん、いとうせいこうさん、千葉雅子さん、佐藤真弓さん、信川清順さん、美保純さんなど。。。こっちもすごい。

まぁ楽しかったー。食べ物ネタが多かったのはどうかとも思うけど。一発目の便器、最高。短めにがつんがつんと飛ばして、着替え中は映像で。

中盤の中継を使ったネタ、やっぱりまことさん素敵です。たぬき姿で街に飛び出して行っちゃったけど、あれが生なら外で出待ちしていたい。すれ違う人の怪訝な表情を糧にしちゃうって、生きざまがかっこいい。

アイドルグループのコントも好き。人がぐったり疲れてる姿ってなんであんなにおかしいんだろ。

映像、辻さんの隠し撮りシリーズがあまりなかったのが物足りなかったかな。大好きなんで。

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3月1日昼 箱庭円舞曲第十楽章「お前がダメな理由」

早くも3月。今月は年度末のせいか予定がたてにくいな。行きたい芝居はものすごい数なのに。

お前がダメな理由ってそそられるタイトル。初・箱庭円舞曲。

飯田橋のゲストハウス。フリーターや外国人、小説家やカメラマン、奥さんに追い出されたサラリーマンや結婚式目前で逃げ出した女など、さまざまな「ダメな」人達が集ってます。恋をしたり、バイトをしたり、季節が変わっても隣の建物が変わっても、変わらない生活。ある事件がきっかけでその生活が壊れた時。

空気で伝わってくるそれぞれのダメな部分。当日パンフの作者の言葉にもあるように、愛すべき特徴に思える。みんなちゃんとがんばってるんだもん。中学生レベルのエロ話に盛り上がってる30男なんて、キモいし絶対モテルわけもないけど、なぜか微笑ましい。人柄がいいってこういうことか、みたいな、ある意味苦笑なんだけど納得もできる。

山内翔さんのモロオカ、本当に愛らしくて純粋ないい人で、こういう人にとったらこんな世の中は生きづらいだろうな、と少しホロリ。

設定やキャラ作りに目新しさはなかったからちょっと心配したけど、じっくりと楽しめました。ぎすぎすが全くないってのが意外でした。昭和のホームドラマの1クール分を一度に観たような気分。続編があってもよさそうな。飽きるかもしれないけど。

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