4月24日昼 ONEOR8「莫逆の犬」
ココリコの田中直樹さんと小林隆さんを迎えて。不思議な取り合わせ。
10年前にある犯罪を犯した男。罪を逃れるために父と恋人の協力のもと、あるアパートに引きこもる。一歩も外へ出ず、誰にも会わずに。が、やはりそんな生活には無理があり、全面協力していた恋人もやがて…。
前半、罪の内容は明かされずに、二人の日常が描かれます。楽しいけれどタブーは多く、常にバレる危険と背中合わせ。人恋しさが募って知り合いを家に入れてしまったりするんですが、出てくる人出てくる人みんないやぁな人ばかり。直感でこういう人とは付き合いたくない!って感じる人ばかり。なんでこんなに嫌なんだろう、こんなヤな感じで最後まで耐えられるかなってくらいまで悩みました。
が。おそらくそれも演出の狙いだったんでしょう。罪の内容が明らかになった瞬間、ものすごくすーっとしたんです。腑に落ちる、を文字どおりに体験。何がどう、を理屈で説明できないのに体の感覚でわかった、気がする。
母親を殺害してしまった男、母親の浮気という過去のトラウマも描いてどこかそれを正当化するような。かくまうためにすべてを犠牲にする恋人、妻を殺された父親。気弱で暗いうえ、犯罪のためにどうにも卑屈になる、そんな空気を嗅ぎ取ってつけこみ利用する友達。その循環への嫌悪感だったのかな。
待ち受けるのは残酷な結末。繰り返すことによって切なさがいや増す。どうにもならない。こうなっちゃうとエンディングがどうかなと思ったら。。。
最高でした。これ以上の終わり方はない。苦しくて悲しい。主人公が希望を失っていないところが痛くて、でもそれだからいい。
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