5月6日夜 劇団鹿殺し「狂人教育」
鹿殺し関連だけど別のイベント・テラヤマ博の一作品でもあるこれ。客演が政岡泰志さんや関根信一さんやらやたら豪華。
じいちゃん、ばあちゃん、パパ、兄ちゃん、姉ちゃんと、障害をもつ私の6人家族の中に気違いが一人いるという。祖父が気違いの血は絶やす、と宣言し家族は気違い探しに躍起になってどんどんばらばらになって行って。
アングラテイストのメイクや衣裳で。美しさと不気味さがどろどろ溶け合って舌なめずりしたくなる。
戯曲を読んでおけばよかったと後悔しました。寺山修司の世界と丸尾丸さんの世界がどんなふうに交わっているのか、確認したかった。どっちの味付けもしっかり感じられたから、なおさらその配合バランスが知りたかった。
気違いを、差別されて然るべき者、みながなりたくない者、ないほうがいい者の具象として据え、そういう者に対する心理を普遍的な形でつきつけられたようで痛かったです。家族というミニマムなコミュニティですらこうなる。況や世界をや。
そんなどうかすればぎすぎすするだけの残酷な人間の性を、ベテランのキャラで笑わせながら、っていうバランスがね、気になったんです。やっぱり言いたいことは寺山ワールド、描き方は丸尾丸ワールドになってたのかな。
小さな舞台ながら小道具や照明を上手に使ってて楽しい。特にぶらさがっていたぼろきれ。ぴったり。鹿ってそういえばわりとぶらさげ物多いですよね。単純な仕掛けながらほんとうまい。
俳優さんたちも鹿の新人もなかなか。関根さんのおばあちゃんや政岡さんのおじいちゃんの貫禄に負けないフレッシュさが。これから楽しみです。
改めて寺山作品読んでみよっと。
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