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7月2日昼 東京タンバリン「華燭」

やっぱりタンバリンは裏切らない。三鷹まで行く価値あり。高井浩子さんの書く人物の細やかな心の襞が大好きなんです。

太宰治をモチーフに。戦後まもなく、小説家や画家や編集者などが飲み屋に集っている。すでに名のある者や駆け出しの者、スランプに陥っている者、友人を食い物にしようとする者、純粋に応援する者。お互い批判し嫉み励ましつつ交流は続くが、成功度合いによって人間関係は微妙に変化していって…。家族をも巻き込んだ結末は。

舞台がとっても雰囲気がある。対面席の間に楔形?のような形。寄木細工風の戸板をぶらさげて何部屋も同時に表現してます。この透け具合と重ね具合、影の使い方に趣があって。

鼓の音に合わせ、摺り足で登場する俳優さん達もかっこいいです。

前半は登場人物達の人となり、立場、関係性の紹介を丁寧に。丁寧だから若干退屈でもありますが。でもここでしっかり書き込まれているから、後半の心の機微がビビッドになるんでしょうね。

人生生きていく痛み、生きにくさが表現の端々に滲み出てるんです。戦後だろうと、文化人だろうと、何も変わることはない。苦しいけど希望はあり、うまくいってればうれしいけど不安にもなる。ほんとに細々した心のささくれが見えるたび、当日パンフに書かれていた作者の「復讐」という文字が浮かび上がってくるようで、落ち着かない気持ちになりました。

決してハッピーエンドじゃない、けど哀しいだけじゃない後味。

俳優さんのステキ度も際立ってました。瓜生和成さんは言わずもがな。あの高い声で甘えられちゃったら抗いようがないでしょ。それを自覚した上で甘えて、でもそんな自分をよしとしていない姿が。。。永井秀樹さんの2役はまったく同じ人が演じてるようには見えない。佐藤誠さんの朴訥な画家が、売れてしまって変わる姿も、わかりやすく、でもいる、こういう人。奥さんに捨てられた後の姿ももっとみたかったくらい。

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