7月5日夜 世の中と演劇するオフィスプロジェクトM『料理人~RIO/喰らう/Kurau~』
岸田理生という人も作品も、不勉強で知らないのですが、アゴラで毎年フェスを組むなら観ておいて損はないんだろう。
「料理人」戯曲が手に入らなかったから予習せずに。喰らうっていう副題がなんかいい。
…まぁ申し訳ないことに、話がファンタジックでわかりにくかったのと静かだったのとで前半は眠気との戦い。
なので正直ストーリーはほとんどわかってない。が。が。が。
なあんか後半になって妙にじわじわと。食べることを根底に敷いて、ショートストーリーを並べたような感じを受けたんだけど、その一つ一つの粒が徐々に繋がって最後にはぐるっとまわってきれいなネックレスが完成したような気分。
食べることも食べるという言葉を口にすることさえ禁止された世界。桃を食べてしまった少女は罰として闇の住人に喰われる。少女はそのトラウマで夢とうつつを行き来する。見守る兄。それを軸に、かわいがっているペットと同じ動物への食欲が押さえられない人、祖父母の食事を思い出し気持ち悪いと感じてしまう少女、飢えに苦しむ民のために赤子を殺して喰らおうとする王、食べない代わりに摂取するサプリの原料をネコだヒトだと争う人たち、過去の思い出を語らい桃を喰らう壊れた夫婦、など…。
ゆるくつながっていくエピソード。なんですっきり目が覚め作品に絡め取られていったのか観ながら考えてました。しばらくわからず、説明できないことにちょっととまどったけど、どうやら惹かれたのはヒトが喰らう姿。その原始的で当たり前な、でも気持ち悪くもありセクシーでもある姿。リアルに食べる姿が見たいと思ったり、いや、実際食べてないから逆に気持ち悪かったりするのかもと納得したり。最後にちゃんと食べ物が出てきてそれがしかも汁タラタラなのにも計算高さを感じて満足。
ここまで後半の昂りがあると、前半の眠かった時間、カムバック!悔しいなぁ。もう1回見直したい。時間ないけど(泣)。せめてDVDでって思ったけど、岸田さんの著作権とかあるから出ない可能性が高いみたい。すっごくもったいない。
この劇団、前作との作風の差にかなりびっくりです。こういうどこかファンタジックで詩的な世界が出てくるなんて。そう思うとどこまでが岸田理生原作でどこからが構成脚本なのか興味津々で、つい原作買っちゃいました。読みます。楽しみです。
リアルマッスル泉さんのメイク顔がシザーハンズのジョニーデップみたいでかわいかった。。。
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