7月9日昼 smartball 「“Kiss me, deadly”」
予想外におもしろかった、佐藤佐吉演劇祭2本め。
前回の三鷹は席の見切れ具合に腹立って楽しめなかったのを思い出す。どうでもいいことの方が忘れられないんだな。
湘南で暮らす三姉妹。薬や銃や女の売買に手を染めている長女、まともに勤める次女、体を売る三女、親はゲイカップルのため父が二人。片方の父は去年亡くなり、今日は長く患っていたもう片方の父の通夜。なのに長女はヤバい取引に巻き込まれトラブル処理の電話に追われ、次女は連絡のつかない彼のことを気にし、三女に至ってはこんな日にまで客をとっている。しくじった長女は三人別々に暮らすことを提案するが…。
冒頭、設定のあまりのうそ臭さにあれあれ、と心配になったけど、姉妹のこれまでの家庭環境、生きてきた道、個性がぽろぽろとこぼれだすと。。。設定はどんなに突飛でも、そこに生きる人間の心情はリアルで生き生きしてたんです。お父さんが二人でもちゃんと愛され楽しかった思い出はあるし、姉妹血がつながってないかもしれなくても過ごした時間は消えない。喧嘩してもお互いを思い合う気持ちに、嘘はありませんでした。
過激な性描写や暴力に気をとられてしまうけど、ちゃんとリアルに生きてる感情は脈々と波打ってる。そんな部分も書くんですね、名執健太郎さんって。驚きました。
また3人の女優さんもうまいんだな。豪快だけどみんなに気配りしてる長女役の遠藤留奈さん、ちょっぴりまじめふうの清楚な雰囲気のある次女に石井舞さん、そしてあどけなくでも淫靡な三女役の深谷由梨香さん。長女と次女が言い争ってるシーンは最高でした。はらはら見ている深谷さんの顔から目が離せなかった。。。
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