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2008年7月

7月31日夜 クロムモリブデン「血が出て幸せ」

わくわくしすぎて窒息しそう。半年待って、ようやく会える。あのぶっ壊れていながらほんわか優しくそして激しい世界。

ファミレスで起こる悲惨な事件。ドリンクバーに毒が混入され、大量無差別に死人が出た。犯人は、そしてその動機は?

なあんてかいつまんじゃうとひどく嘘くさくなるな。嘘くさくさらっと、でも核心を突くからクロムが大好きなのです。

頭の中の現実ってのは本人にとってはリアルな世界。区別できないヤツはキチガイの烙印を押されるけど、それは紙一重のところで幸せにつながってる。哀しくもなり、元気にもなる。

小さい幸せのために嘘をつき、本音は奥底にしまいこむ。そんなマジを見つけちゃったら興奮するしからかいたくなるけど、マジっていうのはマジなんだから。滑稽だから大切にしてあげなくちゃいけない感情をむき出しにして示してくれる。

この世界を体現する俳優さんたち。ちょこちょこ客演姿を観てるから、ここに集まるとオールスターに見えちゃう。今回は意外におとなしい森下亮さん、やっぱりベタな板倉チヒロさん、ずいぶん男前なクボカンさん、女王・ワレタさん、不思議ちゃんの金沢涼恵さん、鳥居みゆき風木村美月さん、みんなが素敵だから羅列になっちゃう。その平板さが悔しくなる。誰も誰もかっこよく激しいんです。

今回のツボは普通にかわいくふてぶてしくでもやっぱりかわいい渡邉とかげちゃんと、かなり胡散臭いのにポイントポイントでかっこよくオトす板橋薔薇之介さん。クギヅケ。

パンフレット、買うべし買うべし!あんなにおかしいのにステキな写真は必見。特にワレタさんと薔薇さん。青木秀樹さんの作品への思いに納得、共鳴。

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7月28日夜 reset-N「閃光」

沸き上がってくるこの妙な感覚とどう向き合ったらよいのか。もやっと掴み所がない。

王子佐藤佐吉演劇祭3本目。近ごろは広く感じることの多かったこの劇場を、最大限狭くコンパクトに見せ、濃密にゆらめく空気を感じさせてくれる作品。

好みか好みじゃないかでいえば、じゃない側にエントリーします。評判からして演劇界の方々は絶賛だけど外からはどうなのよ、と批判的だったこともあって。だから前半はひどく退屈に感じ、うとうと。

なのにある瞬間のざらっとしたささくれに引っ掛かってしまったんです。ざらついてざらついて、なんかもぞもぞしたくなる。

これからここで起こることを一番よく知っているはずなのに、全く知らない顔ですましている存在。演劇の構造としては当たり前なんだけど、こんなふうに見せつけられるとなぜかぞっとする。気付かせないでほしい感覚。

圧倒されたのも確かだけど、よくわからない部分も多かったのも確か。やっぱり作り手目線がないからなんでしょう。あと夏井さん自身をよく知らないから。

劇中の歌がひどく印象的でした。

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7月23日昼 新感線Rx「五右衛門ロック」②

なんとかもう一回分チケットゲット!やったgoodあーあ、チケット貧乏。

今度はやや引き気味のセンターから。音の迫力はやっぱり距離で違うなぁ。

冒頭から興奮して鳥肌thunder五右衛門ロックの曲、最高!血が沸くよぉ。踊りだしちゃいたい気分になります。

前半でちょっと疲れちゃったけど、休憩で寝て復活!高田聖子さんが出るー、ホッタル族も出るー。

ホッタル族の存在が大好きです。滅びたはずの原住民。純粋で優しくてたくましい。ちょっぴりファンタジーだし、ありがちなキャラクターだけれども、癒されるのは確か。涙を誘うのも確か。たおやかで温かい歌が心を震わせる。

月生石とともに島に残るクガイ、インガ、ホッタル族。泣けるよぉ。絶望じゃない、静かに落ち着いて運命を受け入れる強さ。インガがクガイに寄り添い「もう少し寝顔を見ていたい」と言う場面は大切に切り取っておきたい美しさ。

対照的に前向きに明るく脱出していく人々。酸いも甘いも苦いも味わった楽しい冒険の終わり。夏休みが終わっちゃう時のような、もとの生活に戻れる安心感と非日常から離れる寂寥感を、観ているこちらも感じました。

やっぱりカーテンコールはオールスタンディングでした。すっごいな。楽しかったな。お金さえあればまだ観たいくらい。

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7月20日夜 青年団国際演劇交流プロジェクト2008「ハナノミチ」③

今日は開演が早くて間に合わなさそう、とあきらめかけてたけど、やっぱり行かなけりゃ後悔すると思って仕事帰りに猛ダッシュ。変にテンション上がったまま観劇。

そのせいか感じ方が昨日とぜんっぜん違う。昨日はかなりダウナー。吸い取られた気がしたんです。客席でげらげら笑う客に腹立てたり。

それが今日は、私が腹立てられる側だわ。変なところでぐつぐつと。他にも笑ってる人がいる!と思ったら演出のヤンさんで、そのこともまたおかしくなっちゃった。

脳内世界は変わらないけど、今日は一本ネジのゆるんだ人の頭の中を覗いてる感じかな。病んでイッちゃってる人の妄想。

おかしな人たちが次々に頭の中に入ってきては大騒ぎ。子供がいなくなったと言っては騒ぎ、勝手にジャンプしつづけてたくせに疲れたと言って怒り、自分が一番大騒ぎしながらまわりに黙れと怒鳴りつけ。

私という一人が同じ作品を観ても、こうまで感想が変わっちゃう。これだからやめられない。

今日のお気に入りポイント。影。スポットがあたっている兵藤公美さんがしゃべってる間、たまたまその光の中に入った多田さんが、影の中で兵藤さんに触れる。かわいい!真面目に演じてる俳優がバカにされてるような、愛され庇護されてるような。素敵な場面でしたheart01

こういうのがあるから、公演がある限り観たくなっちゃうのです。

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7月19日夜 青年団国際演劇交流プロジェクト2008「ハナノミチ」②

アフタートーク狙いで今日も。今日は何も感じないかも、という危惧もあり、逆に楽しみになる。

うんうん、十分感じた!なんかよくわからない衝動。

要はヤン・アレグレさんの脳内世界を俳優さんの体を通して覗くという行為。こんなことも演劇なんですね。びっくり。そしてそれにしっかり共鳴する自分にびっくり。

そうか、彼の自意識の中に飛ばされてるから、こんなに意味もわからないまま笑えたり泣けたりするのかぁ。

っていう状況まで導いてくれる俳優さん、すごい。体の扱い、声。特に作品中歌うと言われているあのうなり声は、いつどこから始まったのかわからないほど自然で、それでいながら意識させるべき場面ではしっかり聞こえてくる。しかも自然なコミュニケーションで音程を変えたりハモったり不協和音になったり。無機的な音に聞こえる瞬間も。不思議。とっても心地よい。

アフタートークによれば、俳優に許されていることは五つ。無になる、字を書く、歌う、登場する、木霊する。それらと同時に肌を見せることは可。だそうです。それだけかぁ。それであんなにも深くて広い世界ができるんだぁ。はぁぁ。

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7月19日昼 青年団若手自主企画 vol.39「World's Dutch」

青年団づくしの7月。お世話になってます。

大久保亜美さんの作品は初めて。

仲のそれほどよくなかった妹が急に東京にやってきて一緒にくらすようになったのは半年前。半年経って、妹はあっけなく事故でなくなってしまった。一緒に過ごした短い間に話したこと、喧嘩したこと、思ったこと、主に愛やセックスについて。

姉は愛とセックスは別、愛なんて脳の勘違い、な思想で、とりあえずいろいろな人とセックスして、そして考える。決して遊んでるわけではなく、悩みぬきながら。妹は愛とセックスは密接につながってると主張しつつ、彼氏がいながら他の人と不倫する。姉はひたすらセックスをし、考える、世界のダッチワイフになりながら。

オープニングの台詞回しは既視感のある感じだったけど、女目線な思いがなかなかおもしろい。妹が店長とカラむシーンで、セックスだけでつながってるっていう扱われ方をされるのが好きっていう台詞は名言。微妙なんだけどわかってしまう、その気持ち。

姉のセックスはそれに比べ重たい。一度ヤッたからって引きずるわけでもお金を取るわけでもない。知らない人やまわりの人にセックスしませんか、と声をかけまくる。見つからない何かを見つけるために。そんなセックスなのにやっぱり快感はあったりするのも厄介な部分でさらに考える。

なぁんかめんどくさいな。女って。妹にセックスなしでの付き合いを持ちかけられてあっさり断る店長が小気味いい。

ごろごろ転がったり、セックスを思わせる動きをしたり、っていう前半はテンポもよくて楽しかった。セックスシーンはそこそこリアルなのになんかいやらしさはなくかわいいし。姉妹が言い争うあたりから体感時間が異常に長くなりました。なんでかな、疲れました。

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7月18日夜 青年団国際演劇交流プロジェクト2008「ハナノミチ」

劇場を出たとたん、しゃがみこんで泣きだしたい衝動にかられました。なんだ、これ?苦しい。感情の昂ぶりが。。。←最大の賛辞。

海外の方のからむものはなんとなく敬遠しがちな私が行ったのは、デスロックの多田さんの俳優姿が観られるから。それだけ。実際内容的にも好きか嫌いかって問われたら、あんまり好きなジャンルの作品ではなかった。前半は少し退屈だったし。なのに。

なんだろう?すごくじわじわと、そしてある瞬間、ぴきーんと振り切れた。

ある男の独白。すべてを置き去り、孤独の中に存在し、絶望しながら希望を抱く。ストーリー依存ではなく哲学的なのが私の苦手部分なんだけど。

何を頼りに辿っていこうか考えてるうちに、さっとさらわれた感じ。何をしゃべっていたか、なんて全然覚えてないですし。でも涙が出そうになる。自分が何に感動してるのかよくわからない涙。気持ちいいけど気持ち悪い。

やっぱりこういうときは再確認。リピートしようっと!ま、どちらにしても行くつもりだったんだけど。

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7月16日夜 新感線Rx「五右衛門ロック」

客演の方々が豪華なせいか、チケットとるの大変でした。さすが新感線、さすがコマ劇場。でもほんとにその価値があるかどうかは疑ったりもしながら。

2列目だったけど上手の真横からの観劇。バンドの真下だから爆音!気持ちいい~。どすどす体中に響く。舞台は全体は観にくいけど近いっていうのは好きだな。人間の息遣いが感じられるのがね。

お話はまさにルパン3世チック。大泥棒石川五右衛門が愛人にそそのかされてタタラ島にあるという月生石を盗みに行く。追いかけてくる岩倉左門次。島ではタタラ王クガイとバラバ国が争っている。バラバ軍にはクガイの息子カルマがいたり、クガイが滅ぼしたはずのホッタル族の生き残りはクガイを慕っていたり、と関係は複雑。クガイは月生石をどうしようとしているのか、それがわかったとき、島の運命は。。。

この単純なストーリー展開が私好み。エンタメはこうじゃなきゃ。何を考えるでもない、わかりやすいお話。でも人間像はしっかりしていて登場人物それぞれの心情は見せ場がちゃんとある。クガイ王、愛人インガ、バラバの将軍ボノーとその妻シュザク、カルマ王子、場面場面で感情移入してきゅんとなる。

歌、ダンス、殺陣、どれをとっても不満ナシです。

体の底から湧いてくる興奮が3時間半という時間を忘れさせてくれました。感動した時とか、私、すぐ涙が出てくるんだけど、完成度の高さに笑い泣きしてました。

去年の「キャバレー」でも思ったけど、松雪泰子さんの歌は意外に危なげなく聴き応えある。なのに台詞の時の発声はどうなのかなぁ。裏返るというかわざとらしいというか。歌のいい声のまましゃべればいいのに。森山未來くんはどんどんかっこよくなってる。歌だけじゃなくダンスやタップまで。川平慈英さんの胡散臭いガイジン役もかなりイケてます。意外に芸達者さにびっくりしちゃった。

江口洋介さんはいかにもゲスト的に持ち上げられてる感。北大路欣也さんは言わずもがなの貫禄です。希望を言えばもっと殺陣が観たかったけど、これ以上やったら体力的に厳しいのかな、なんて。

高田聖子さんのおもしろさとお茶目さと色気。なあんて素敵。前半出てこなくてあれ、って感じだったけど、後半に描かれる女心、気丈さ。こういう女性になりたい。

古田新太さん、主役なのに控えめでソロ歌もないのはなぜ?って感じだけど、どこにいてもおもしろい。高田さんと松雪さんが女の争いをしてる時のバックダンスとか、そっちばっかり気になっちゃった。ここぞという見せ場、見栄を切るところとか、カーテンコールとか、かっこいいんだよな。

初めて新感線でもう一回観たいと思いました。思ったら実行すべし。行ってやる!

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7月16日昼 ペンギンプルペイルパイルズ「審判員は来なかった」

なんとかチケット取れました。よかったぁ。行ってみたら隣の席がヨーロッパ企画の永野宗典さん!声が好きなんですよね。去年のショートフィルムフェスティバルの粘土細工を思い出しながら勝手に緊張。

雑念を追い払いつつ本編。

4つの場面を役者が行ったり来たり。新設国の大統領官邸、農村の一家庭、教会、体育館。昔は属国だった国の創設記念日を祝い集まる中、地方の農村には飛行機の部品が落下し炎上。それはかつての占領国の教会が予言した通りのようで、新設国の教会は焦る。政府は国の活力アップのため新しいスポーツを開発して練習をさせるが。

4つのシチュエーションが無理なく絡まり合い、一つのストーリーとして成立している。その絡まり合い方や結び付くエピソードにかなりわくわくします。役者さんは一人何役もあって、早着替えとかも多いけど、それさえも逆手にとってつなげちゃってる。

ここのところの倉持作品は暗くて難解なイメージがあったけど、比較的素直についていけました。

舞台装置の仕組みとか、斬新さはそんなにないのにさすが、という部分が。回転する部分の外側とか、回転中の役者の動きとか。

いくらか捕らえきれなかった気がしたので、脚本を読みたいなと思ったけど、やめました。値段がそれまでの公演の倍だったから。何で急に?

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7月14日夜 箱庭円舞曲「恋人ができないが、もういい」

このタイトルにそそられて。箱庭円舞曲のタイトルっていつもなぁんか気になる。

小さな広告会社。女社長とあんまりイケてない社員数名でこぢんまりがんばっているけど振るわない。元社員で今は大手にいる社長の元カレが、さらに社員を引き抜いたり、逆に仕事を持ってきたりするが、社長としては複雑で。

タイトルどおり恋愛系で行くかと思ったら…。あれあれ違うのね。じゃあ何メイン?ってくらい途中が薄い。人は熱いんだけど。

思いっきりネタバレさせていただきます。結婚相談系のコピーを考えて、この作品のタイトルが出てくる。これに続くのが「私には妻がいる」。そこでひどくげんなり。なぁんだ、そっちだったんだ。。。安定かよ、幸せかよ。この投げやりで諦めてるけど前向きな姿勢がおもしろそうだったのに。

勝手な期待ですが。独身で、強がって、のコピーだと思ったから。そうやって強く生きる人たちが観たかったから。

物語の本筋に関わる部分じゃなく、「が」と「は」のこだわりを示すためだけに、あのキャッチーなタイトルが消費されちゃったのがもったいないし不満。

結局、言葉にこだわって仕事をする人たちのプロジェクトX的熱血仕事話。のわりにそのこだわりとか、姿勢とかに共感できる部分がなく、単に声高に騒いでいるように見えてしまいました。

あと、言葉にこだわるって言いながら、どう考えても使い方間違っているような言葉がいくつか耳についたこと。言葉遣い一つが気になる時ってあるんですよね。

私の好きな山内翔さんが出ていなかったのが少々残念。

キャラとして社長の弟とその妻役の棚橋健太さん、林弥生さんはおもしろかったけど、ストーリーは掴みづらくしてる印象。それももったいない。

なによりしょっぱなに私が引いたのは、衣裳のセンスのなさ。色使いといいデザインといい。華やかな広告業界を思い込みでおしゃれ風にしたら浮いちゃいましたって感じ。美術はそこそこおしゃれだったのに。

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7月12日夜 鹿殺しオルタナティブ「轟の歌」

最前列のかどという砂はかかるけど観るには申し分ない場所で観賞。楽園には前にあった飲み屋時代はよく行ったけど、劇場は初めて。狭いし柱邪魔だし劇団大変だな。

轟の村に18年前に生まれた子供たちは神の子として腕に特徴を持っていた。楽器然り、辞書然り、宗教然り、武器然り。しかし一緒に生まれ育ってきた直也には何もない。親には苦労かけるし、仲間には相手にされない淋しい人生。それを苦に親を殺し、仲間の腕を落とし…。

仲間外れのオレノグラフィティさん演じる直也にしてみれば、淋しくもの悲しいお話。いつか自分も、と願ういじらしさ、でも思うようにはいかないもどかしい感じが迫ります。そしてその狂気も。

記紀にもありそうな神話的な荘厳な世界なのに、今を皮肉るような切り口にも感じられて。オルタナティブだけど、鹿殺しらしく感じました。気高く泥臭い、ストイックな感じが。

なんといっても客席との近さが好き!それだけでも勝ち。物語世界を描くにもあの手に付けるオブジェもメイクも、近いからこそのみせ方がよい。大きな柱を挟んでの舞台の使い方もうまい。死角なく見えたんじゃないかな。

にしても、オルタナティブの客席環境の劣悪さはどうにかしてほしい。去年のアゴラもひどかったし。人気劇団のわりには劇場が狭いのかもしれないけど、本公演のスペースゼロとか、秋の円形とかとのバランス考えると。。。客筋と数考えて組んでほしいなぁ。

本当はもう一回観ようかモノすごーく迷ったけど、体がしんどくて諦めちゃいました。やっぱり後悔するなぁ。観ればよかったな。

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7月9日夜 MU「相思相愛確信犯」

MUのあざといとさえ思えるほどのプロモーション。まったく、気をもたせるんだから。煽られまくっちゃった。

私にとっては初めてのMU長編。それがこんなオールスターで、なんて。わくわく。

恋に関してなんらかのトラブルを抱えた人が集まる断恋道場。片思い歴7年とか、長続きしないとか、ヒモとか、母親からの淫乱の遺伝とか。所長面接で問題を明らかにして入所。でも入所者たちには治療だけじゃない目的もあったりして…

最初にある程度キャラ設定して観客に紹介してくれるんだけど、これがまた。。。素直に信じちゃバカを見る、裏切り。患者でありながら裏の顔はあって当然。裏があっても感情もあるからそうそう予定どおりには動けない。掴んだと思ったら擦り抜けていく。

いったい誰を信じたらいいの?世の中みんな病んでるって言うのは、裏を返せばみんなまとも。病んでるヤツなんて誰もいやしない。じゃあ戦う相手はいったい誰?誰を陥れれば救われるの?

メッセージや問い掛けに必死に喰らいついてたら疲れた。。。なんて思ってるとくだらないとさえ思えるような人間の営みに連れ帰られて。ヒトって単純だなぁ、みたいな、原点回帰、でゆるむ。

これが意外でした。チラシとかのイメージだとおしゃれにスカしていくのかと思ったから。人ってカッコ悪いっていう部分をわりとクローズアップ。下ネタもね。

効果的なメッセージ発信のためか、謎かけ的な場面もあり、伏線を追うのは結構大変でした。途中で全部は拾えないやって思って投げたけど。

ストレート過ぎて恥ずかしいようなこそばゆいような部分もあって。でも、だから作演出のハセガワアユムさんの顔が見えてくる気も。観客にとてもサービスしながら、ぺロッと笑ってるような。

not ‘no message’っていうのは難しいもんだ、とつくづく。わかりやすく提示してほしいと思いながら、同時にもっと客の想像力に委ねてもいいんじゃない?と思うことも。そのバランス感覚が今この瞬間の自分にぴたっと合えば最高。

MU常連の平間美貴さん大好きなので、平間さんとハマカワフミエさんの親子の絡み、よかったです。

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7月9日昼 smartball 「“Kiss me, deadly”」

予想外におもしろかった、佐藤佐吉演劇祭2本め。

前回の三鷹は席の見切れ具合に腹立って楽しめなかったのを思い出す。どうでもいいことの方が忘れられないんだな。

湘南で暮らす三姉妹。薬や銃や女の売買に手を染めている長女、まともに勤める次女、体を売る三女、親はゲイカップルのため父が二人。片方の父は去年亡くなり、今日は長く患っていたもう片方の父の通夜。なのに長女はヤバい取引に巻き込まれトラブル処理の電話に追われ、次女は連絡のつかない彼のことを気にし、三女に至ってはこんな日にまで客をとっている。しくじった長女は三人別々に暮らすことを提案するが…。

冒頭、設定のあまりのうそ臭さにあれあれ、と心配になったけど、姉妹のこれまでの家庭環境、生きてきた道、個性がぽろぽろとこぼれだすと。。。設定はどんなに突飛でも、そこに生きる人間の心情はリアルで生き生きしてたんです。お父さんが二人でもちゃんと愛され楽しかった思い出はあるし、姉妹血がつながってないかもしれなくても過ごした時間は消えない。喧嘩してもお互いを思い合う気持ちに、嘘はありませんでした。

過激な性描写や暴力に気をとられてしまうけど、ちゃんとリアルに生きてる感情は脈々と波打ってる。そんな部分も書くんですね、名執健太郎さんって。驚きました。

また3人の女優さんもうまいんだな。豪快だけどみんなに気配りしてる長女役の遠藤留奈さん、ちょっぴりまじめふうの清楚な雰囲気のある次女に石井舞さん、そしてあどけなくでも淫靡な三女役の深谷由梨香さん。長女と次女が言い争ってるシーンは最高でした。はらはら見ている深谷さんの顔から目が離せなかった。。。

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7月8日夜 東京セレソンDX 「夕ーゆうー」

すっきりと泣けなかった。。。なんでだろうか。セレソンに求めるのは、ベタなストーリーに爽やかな涙なのに不満。

なぜそうだったのか考察しなくちゃ。

長崎の民宿の3兄弟。かつてはキングギドラに例えられたほどのヤンキーだったけど、今はそれぞれ落ち着いたり落ち着かなかったり。お隣の姉妹とは幼馴染で、夕ちゃんは幼いころから次男の元弥に憧れて。高校時代、元弥は夕の親友の薫に夢中で、薫は元弥の親友の憲太郎に夢中だった。高校を出て大人になり、元弥と薫は付き合うようになる。夕は何度も自分の気持ちを伝えようとしながらも元弥の思いを汲んで伝えられないまま、元弥と薫の披露宴の前日を迎え。。。

元弥の結末と夕の思いはちょっぴり泣けましたけど。お話はいつもどおりわかりやすいし、切ないんだけど、すっきりしない。

設定自体は本当にセレソンらしい地方都市の温かい家庭。地元に根付いて近所と仲良く。でもなんか薄いんです。家族の関わりにしても、地域の交わりにしても。キャラの濃さとかのバランスも均一で、いろんな人の物語が並べられるから、その分元弥と夕のすれ違い具合も、直接的な部分はあるけど匂わせて想像してぐっとくる部分がない。

高校時代、夕は元弥に告白しかける場面でも元弥は気にもせず流します。そこでドキドキ感が感じられない。そういう思わせぶりなことをしているのに鈍感すぎる。一緒に北海道旅行に行ったときも。デリカシーがない。そうやってなんとも思っていないのに、いざ結婚式前日に夕が爆発したのを影で聞いたら、急に心を動かされちゃったりして。それが白々しく感じちゃったんだよなぁ。もっと早く気づいてあげてよ、みたいな。

結局それで結婚は流れてっていうのも安易に思えちゃう。親友の憲太郎が薫に未練を示しても押し通したくらいのベタぼれだったはずなのに。

タイトルにもなってるのに夕の思いのたけがストレートに伝わらないのが最大の原因なのかな。独白する前にもっと、元弥が好き、だけど相手にされないっていうもどかしい感じがあればよかったのに。仕草とか表情とか。最後の言葉ばっかりが浮いているように見えました。もっといじいじと夕の感情にスポット当ててればよかったのに。

最大のもやもやは元弥の結末。それはいくらベタでもなしにしてほしい。

飯島ぼぼぼさんや阿南敬子さんといった私の好きなメンバーが出てなかったのも原因なんだろうな。

ぼろ泣きできないセレソンにはこんな高い金払って行きたくない。ちょっといい話、程度じゃね。次どうするか悩むなぁ。

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7月8日昼 あひるなんちゃら 「父親がずっと新聞を読んでいる家庭の風景」

ドリルチョコレート公演中なのに客席に川島潤哉さんがいてびっくり。さらにこいけけいこさんや柿の田中沙織嬢や玉置玲央さんやら、客席も私にとってはオールスターズ。

前説からかわいい篠本美帆さん。一人で笑ってる関村俊介さんがウケる。

お父さん、長男、長女、次女、後妻のお母さんの家族。次女だけがまともに働きあとはニートやニセ学生や年金未納者という情けない連中。そんな家庭には、知らない人が来てリビングでくつろいだり、従兄弟がオリンピック目指して合宿しに来たり、お隣さんが挨拶がてら泥棒しに来たり…。

楽しい家族だな。疲れるけど癒される。あひるなんちゃららしいシュールさとはずし方が。

らしさの度が過ぎて、食い足りなさも感じました。飽きるというか。もう一歩突っ込むかと思ったら引き下がるのが、おもしろく思えるときと、肩透かしを食らった気がする時と。

個人的には、大好きな異儀田夏葉さんや篠本美帆さんがあんまり生かされ切ってないのが不満。特にイギーの常識キャラは中途半端な感じがしちゃって。あひるメンバーはもちろんおもしろかったですが。お父さんの青木十三雄さんのとぼけ具合とルックスは最高。

前説で初日の会場に虫がいた、って話をしてたけど、ネタかと思ったら本当に途中飛んでたcoldsweats01狙い?やっぱり途中気になりました。前説があったせいで余計に(笑)。観客の目線が動いてた気がする。。。

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7月7日夜 ドリルチョコレート「クイック・クエンチ」

はあぁぁ、観てよかったぁ。帰り道、抑えようと思ってもどうしても顔がニヤつくような素敵な作品。

基本この面子でOFF OFFですからおバカです。でもそれだけだと思ったらそうは行くかい!一生懸命で切なくてやさしくてあたたかい素敵なお話heart01。かわいい。かわいい。かなり私のツボ。

43才のあずきちゃんにとってマコトくんは初めての彼氏。元カノに嫉妬して喧嘩もするけどラブラブで。マコトくんのパンクバンド仲間の川島くんは本人もかなりヤバいけど彼女はどうしようもなくぶっ飛んでる。でも二人もラブラブ。もう一人の仲間の桜井くんはいつもクールなのに彼女には惚れた弱みで頭が上がらない。たとえ彼女が浮気をしてても。

キャラを生かした台詞に笑いっぱなし。やっぱり川島潤哉さん最高。彼女たちもかわいくてどこかキレててすごく魅力的。どのカップルもおかしいし、バンドもおかしい。誰が何をやってもくすくすが止まらないんです。

なのにだんだんとカップルの関係性、愛し愛される形が見えてくると、きゅーんとなる。マコトとあずきは一直線、桜井くんとこは、表面かりっと、中はしっとりな間柄が切ないよぉ。川島くん達は90度回転させて裏返してみたらぴったりするようなこじれまくった仲。どのカップルもきゅんきゅん。危うく涙が流れちゃうとこでしたわ。

3ステしかないなら全部制覇したい。七夕diamondな気分になれた作品でした。

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7月5日夜 世の中と演劇するオフィスプロジェクトM『料理人~RIO/喰らう/Kurau~』

岸田理生という人も作品も、不勉強で知らないのですが、アゴラで毎年フェスを組むなら観ておいて損はないんだろう。

「料理人」戯曲が手に入らなかったから予習せずに。喰らうっていう副題がなんかいい。

…まぁ申し訳ないことに、話がファンタジックでわかりにくかったのと静かだったのとで前半は眠気との戦い。

なので正直ストーリーはほとんどわかってない。が。が。が。

なあんか後半になって妙にじわじわと。食べることを根底に敷いて、ショートストーリーを並べたような感じを受けたんだけど、その一つ一つの粒が徐々に繋がって最後にはぐるっとまわってきれいなネックレスが完成したような気分。

食べることも食べるという言葉を口にすることさえ禁止された世界。桃を食べてしまった少女は罰として闇の住人に喰われる。少女はそのトラウマで夢とうつつを行き来する。見守る兄。それを軸に、かわいがっているペットと同じ動物への食欲が押さえられない人、祖父母の食事を思い出し気持ち悪いと感じてしまう少女、飢えに苦しむ民のために赤子を殺して喰らおうとする王、食べない代わりに摂取するサプリの原料をネコだヒトだと争う人たち、過去の思い出を語らい桃を喰らう壊れた夫婦、など…。

ゆるくつながっていくエピソード。なんですっきり目が覚め作品に絡め取られていったのか観ながら考えてました。しばらくわからず、説明できないことにちょっととまどったけど、どうやら惹かれたのはヒトが喰らう姿。その原始的で当たり前な、でも気持ち悪くもありセクシーでもある姿。リアルに食べる姿が見たいと思ったり、いや、実際食べてないから逆に気持ち悪かったりするのかもと納得したり。最後にちゃんと食べ物が出てきてそれがしかも汁タラタラなのにも計算高さを感じて満足。

ここまで後半の昂りがあると、前半の眠かった時間、カムバック!悔しいなぁ。もう1回見直したい。時間ないけど(泣)。せめてDVDでって思ったけど、岸田さんの著作権とかあるから出ない可能性が高いみたい。すっごくもったいない。

この劇団、前作との作風の差にかなりびっくりです。こういうどこかファンタジックで詩的な世界が出てくるなんて。そう思うとどこまでが岸田理生原作でどこからが構成脚本なのか興味津々で、つい原作買っちゃいました。読みます。楽しみです。

リアルマッスル泉さんのメイク顔がシザーハンズのジョニーデップみたいでかわいかった。。。

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7月3日昼 青年団「眠れない夜なんてない」

平田オリザさんの新作。

マレーシアのリゾート地が舞台。短期滞在でテニスやゴルフを楽しむもよし、住みつくもよし。定年後の余生を楽しむ夫婦のもとには娘たちが久しぶりに会いにやって来る。短期滞在の夫婦は離婚旅行。夫がクアラルンプールで働く妻のところには移住を考えている高校の同級生が見学にきていて。妻を亡くした男は仲良く娘とすごし。

やっぱり気持ち的に完全に入り込むには世代のずれを感じちゃうけど、さすがに新作。今の世界でありそうなこととしておもしろい。異国の地、でも日本人のコミュニティ、永住しようというのに言葉や文化を学んで交流しようとするわけでもない。まわりに日本人がいないと不安だけど、どこにいっても日本がついてくるのは不満。その感覚が日本人らしくて愛着がわきました。

さらに日本がきらいってとこがいい。自分でも決着を付けがたい複雑な気持ちが。

いろんな人がいろんな事情を抱えて生きている様子を深追いしないでさりげなくみせる、平田作品。私にはそのさりげなさが物足りなさに感じることもあるんだけど、今回は場の力がよかったのかな。でもまだまだ経験が足りないと自分を残念に思う部分は大きい。

まぁ書くまでもなく俳優さんはすばらしいデス。父の話しているのを微笑して聞いてる辻美奈子さんの視線とか、離婚夫婦に何を話しかけようか考える松田弘子さんの表情とか、自分が話していない時の反応がおもしろすぎる、うますぎる。台詞なくてもそれだけでイケる。

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7月2日夜 イキウメ 「表と裏と、その向こう」

観たい観たい、大好きなイキウメ。いよいよ紀伊国屋ホールとは。宣伝具合は若干地味だけど、逆にありがたい。席取れないと困るから。

どうしても観たいって気持ちと自分のコンディションのバランスが取れないまま行ってしまいました。こういう状態での観劇、よくないなぁ。

すべての人間がIDで管理される世界。何の病気でどの病院にかかり、どこのレンタルビデオでどんなAVを借りるか。そんなところまでIDでつながってしまう徹底管理社会。そこでぼんやりと流されている男が、ある日ストリートファイトしている女と出会う。父の死を伝える義理の母とその弟と暮らし始め、弟の手掛ける、自分の時間を売るっていう裏稼業を知る。時間を売った人間は売った時間分だけ毎日死ぬらしい。一方ストリートファイトする女は、自分の余生が短いことを知り、生きる時間を見つめ続けるうちに、一秒の30分の1ずつ人間は死んでいる、つまり時間を奪われていることに気付く。。。

設定はとってもおもしろい。ほんとよくこんなの思いつくなって感心する。近未来に本当にありそうな状況にぞっとする、のがわくわくなんだけど。だけど。なんだか今回はあんまりぞっとしない。ひんやり感が薄く、体温がある。

それが心地よい場合もあるけど、イキウメに関しては微妙に違うんだよなぁ。おもしろいのにそうじゃなくって、って思う部分がね。

生きる、死ぬに対しての思いが熱い。もっと淡々としながら語って欲しかった。そうじゃないとID管理社会の冷たさとかが伝わりにくい気がして。数値化されて管理されている中での人間らしさは見てみたいけど、管理側の冷酷さがもっとあればいいのになっていう贅沢な希望です。何考えてるかわかんないくらいの気持ち悪い人間が見たい。内田慈さん、かわいいけど癖がある役が似合うけど、ちょっともったいない使い方だった気も。

時間を売るっていう設定と、ID社会っていう設定がうまいことリンクしてなくて、せっかくのおもしろいアイディアなのにバラバラな印象も。

舞台の使い方とかは言うことなし。広い会場でも死角ないように高さをうまく使ってて。でもやっぱり遠いな。そんなに後ろから観たわけじゃないけど。

盛隆二さんがどうにもトータルテンボスのアフロの人に見えちゃって、出てくるたびにそればっかり考えちゃいましたbleah

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7月2日昼 東京タンバリン「華燭」

やっぱりタンバリンは裏切らない。三鷹まで行く価値あり。高井浩子さんの書く人物の細やかな心の襞が大好きなんです。

太宰治をモチーフに。戦後まもなく、小説家や画家や編集者などが飲み屋に集っている。すでに名のある者や駆け出しの者、スランプに陥っている者、友人を食い物にしようとする者、純粋に応援する者。お互い批判し嫉み励ましつつ交流は続くが、成功度合いによって人間関係は微妙に変化していって…。家族をも巻き込んだ結末は。

舞台がとっても雰囲気がある。対面席の間に楔形?のような形。寄木細工風の戸板をぶらさげて何部屋も同時に表現してます。この透け具合と重ね具合、影の使い方に趣があって。

鼓の音に合わせ、摺り足で登場する俳優さん達もかっこいいです。

前半は登場人物達の人となり、立場、関係性の紹介を丁寧に。丁寧だから若干退屈でもありますが。でもここでしっかり書き込まれているから、後半の心の機微がビビッドになるんでしょうね。

人生生きていく痛み、生きにくさが表現の端々に滲み出てるんです。戦後だろうと、文化人だろうと、何も変わることはない。苦しいけど希望はあり、うまくいってればうれしいけど不安にもなる。ほんとに細々した心のささくれが見えるたび、当日パンフに書かれていた作者の「復讐」という文字が浮かび上がってくるようで、落ち着かない気持ちになりました。

決してハッピーエンドじゃない、けど哀しいだけじゃない後味。

俳優さんのステキ度も際立ってました。瓜生和成さんは言わずもがな。あの高い声で甘えられちゃったら抗いようがないでしょ。それを自覚した上で甘えて、でもそんな自分をよしとしていない姿が。。。永井秀樹さんの2役はまったく同じ人が演じてるようには見えない。佐藤誠さんの朴訥な画家が、売れてしまって変わる姿も、わかりやすく、でもいる、こういう人。奥さんに捨てられた後の姿ももっとみたかったくらい。

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6月27日夜 A.C.O.A「共生の彼方へⅢ人間椅子」

アトリエセンティオのフェスティバルに。芝居ももちろんだけど併設カフェで飲むのも楽しみで。芝居前は控えるけど、アフタートークの時なら飲めそうだな、なんて狙って。

江戸川乱歩の「人間椅子」。昔読んだ気がするけど全然覚えてないなぁ。

椅子職人だった男が、自分の作った椅子のあまりの出来栄えに、その椅子の中で暮らすことにした。椅子に住まい椅子目線で周りを観察し、誰も自分に気付かないことに興奮し。そして男は売られていった先の奥方に思いを寄せるようになって。

気色悪~い話。その独特の世界を鈴木史朗さんが語っちゃったら、逆にリアルで恐い。。。

椅子の中で息を潜め、世界からは自分を抹殺した上で初めて味わえる背徳の喜び。誰にも気づかれず相手にされず、という大きな犠牲を払って手に入れた恍惚。でも人恋しくなった瞬間にその犠牲に気づく絶望。

               

夢中でかぶりついちゃいました。気持ち悪くて。すごい汚いものを見る目付きだったろうな。触れたくないっていう嫌悪感と、そういう人間を見下して面罵したくなっちゃうような自分の中の汚い面と、でもそういう喜びを感じてみたいという矛盾した思いにぐつぐつしました。

それにしてもこの人は顔つきだけでどれだけ変化することができるんだろう?一ヶ所弛んだだけでまるで別人になってる。凄い。

アフタートークがなんと一時間超!びっくり。センティバル参加団体主宰たちのなんともゆったりした居酒屋トーク。史朗さんの、言葉はよどみなくどんな状況でも出てくるように訓練はするけど体の反応はその場その場での観客とのやりとりで自然に出てくるものだから毎日違うっていうお話が印象的でした。そう言われるとまた観たくなっちゃう。トーク、まだまだ続いてもよかったです。

トーク中にいただいた那須のお酒「天鷹」おいしかったな。帰りおつまみ買って帰ろうと思ってたのに、うっかり忘れちゃった…。

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6月27日昼 てにどう「心優しき野郎ども」

ここも初見。シチュエーションコメディ、思い切り笑えるといいな。

おしゃれなリビングでトランプに興じる男たち。どいつもこいつも妻に逃げられ、離婚。帰る場所なく集まっちゃってる。トランプをしては泣き言を言う生活。が、ある日そんな生活に嫌気がさした部屋の持ち主が爆発し。

うーむ。心優しいんじゃなくてただダメなだけだな、こいつらは。弱い。人物がおもしろくなく、脚本も何がしたいかわからず、演出は古くさい。笑えない。

笑いが笑いを産む構造がなく、ブチブチ途切れてつながっていかないってのは、シットコムじゃないのでは?単に場面のありようで笑えても。

そもそもあんなダメな男が、あんな広いリビングのあるおしゃれな戸建てに住んじゃってるところから納得できない。ろくに働いてるふうでもないのに。六畳一間のぼろアパートにぎゅう詰めだったら、それだけでいろいろ生まれそうなのに。もったいない。

時間もお金も無駄だったとは思ったけど、不思議に怒りがわかなかったのは人のよさそうな登場人物のおかげかな。憎めない。

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6月26日夜 tea for two「コウエンノキマリ」

初観劇続きの波に乗ってこちらも。いつもチラシは見ながらも、微妙な引きの弱さで先送りにしちゃってた。早く出会っていたかった。。。って思わせられたこの作品。

みんなで犬の世話をしたり、憩いの場所として町内会で管理してきた公園で、女の子が殺される事件が。再発防止に町民でパトロールしたり警備員を置いたり。意見の食い違いはあるけど最終的には監視カメラをつけ、キマリを作り直すことで再出発し。。。

静かでオーソドックス。当日パンフに、音楽をききながら町を歩けない、雑踏の音を聞いていないと不安と記す作者の感覚がひしひしと伝わる、優しく丁寧な作り。そういう些細な感覚の違いを、いやな感じでなく「そういうのあるよね」と共感できる形に並べて、でも底には明確なメッセージが敷いてあるような。

謎かけ的に、殺された女の子を待ち続ける者の場面が何度も挿入されてます。後半、それの正体が明らかになっていく間、息が詰まるような感覚に襲われました。そういうフリだったのか!と驚くと同時にすべてが腑に落ち、そして哀しくなる。

その場でよりも、後からボディーブローのように効きました。じわじわ、じわじわとあの場面、あの感情。

こういう視線、センスを持ち、こういう観せ方ができるって。。。とすっかりファンです。大根健一さんってどんな方なんでしょう?もっと早く出会ってたらよかったのに。作品も当日の受付や誘導の応対もとっても丁寧で好感。平日の初日に満席なのも納得かな。

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6月26日昼 劇団コーヒー牛乳「密八」

いつも迫力あるチラシに目を奪われながらも見逃していた劇団。劇団員のみで公演は初めてっていうならカラーも見えるかな。

東の島国で平和に暮らしていた赤い民。侵略してきた黒い民。黒い民によってバラバラにされた王の息子二人が再び引き合わされ、力を合わせて黒い民をやっつけるが…。

物語は展開が唐突な部分もあり、浅い。ラフに流れだけあるような。が、それで十分なほど役者さんがぐいんと引き込んでくれます。

私、こういう歴史ファンタジー系は若干苦手。なので開演直後はヤバい気配を感じて。。。もしこれがシアターVアカサカだったら完全にアウトだった。でもこの作品は、狭い空間で、物語が空気を作るんじゃなく人が空気を作っていたっていうのがポイント。一息に観せてくれました。

寸劇が入ったり、人形劇もどきになったり、アドリブっぽい台詞が入ったり、もみんな楽しい。

アンケートに役者さんの人気投票があったけど、どの人もおもしろかったです。テンガ役の西川康太郎さんはかっこよかったし、ワッパとトルイヌの親子愛にはうるっと来たし、マルベイはかわいいし、アサヒてユウヒのコンビはおかしすぎるし、鈴木ハルニさんのガリ勉たろうとサイギョーのギャップはすごいし、ヤマト役の阪本浩之さんのラストの戦いの形相は恐かったし。選べなかった。。。

いつもどんな路線なのかまだわかんないけど、次も観たくなる力強さ。

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6月25日夜 G2プロデュース「A MIDSUMMER NIGHT'S DREAM」~THEじゃなくてAなのが素敵~

「夏の夜の夢」をG2さんが自ら訳しなおしたそうですね。それでこのキャストだったら、どれだけおもしろいやら。山内圭哉さんと竹下宏太郎さんは絶対見逃せないし。

私は「夏の夜の夢」も観るのは初めてだけど、今回は予習せずに行きました。シェイクスピアの手口はまぁまぁわかった、的な。喜劇だし。

予想どおりなわっかりやすい展開。どこまで原作どおりでどこからG2か想像するのも楽しい。

この座組に神田沙也加はどうなの?って、客寄せパンダかと思ってたけど、意外に悪くはない。可愛らしい場面はちゃんとかわいいし、みっともなく騒ぐとこは弾けてるし。他のメインの女優さんよりよっぽどいいかも。

3組の結婚がまとまって以降がちょっと飽きました。せっかくテンポよく進んでたのに。特に最後の歌は…。

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6月25日昼 KAKUTA「Root Beers ~ルートビアーズ」

KAKUTA初体験。

敵組幹部を暗殺するためにアメリカにやってきて、車に轢かれ記憶を失ったやくざの兄貴。轢いた男や情報を盗もうとしていた男を殺そうとしていたのに、そんなひどいことをしようとしていたことすら記憶にない。みんなを思う優しい常識人になってしまった兄貴は情報屋や轢いた男と仲良くなっていき、自分の大切な妹を思い出していくが、やはり記憶は。。。

タランティーノ映画のような雰囲気から始まるけど、さすがに主役が青山勝さんだけにそうそうオシャレには進まない。青山さん、やくざも情けない男も似合ってるよなぁ。ハードボイルドも人情ものも。

長いだけに若干飽きる感じも。だけど最後20分ほどがさすがの観せどころ。記憶が戻る前の覚悟、戻ったあとのやりとりは、ずしーんと響きます。うるうる来そうになりました。

でも、トラムでKAKUTAがやるってなったら、この程度は当然クリアすべきレベル。差異をどこで示すかって言ったらかなり微妙。おもしろいけど、もっとあって然るべき、て言われたらそうかも、なんて。

座るとき、ふと気づいたら隣が清水宏さんでした。うわ、勝手に緊張。

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