8月17日昼 庭劇団ペニノ16th「星影のJr.」
前回のアトリエ公演がとてつもなくインパクト大だったから、どうなるかすごく楽しみで。スズナリだけどチケットとれるか心配になっちゃって早めにゲット。
小学生の男の子を取り巻く世界を、なんとも人間臭い教育にからめて。4時限にわたる授業、という構成。でも決して机に向かって学ぶような授業ではありませぬ。
夏のある日、家庭にて。この家庭、夫婦はうまくいっていない。少年は気づいているのやらいないのやら、幼く無口でかわいいのに、そのくせ二階からこっそり覗いていたり、しっかり大人を観察している。1時限社会の時間「大人とふれあおう」、2時限家庭科の時間「食べ物を大切にしよう」、3時限体育の時間「心と体を鍛えよう」4時限道徳の時間 「自由な心を持とう」。お父さんの仕事仲間と遊んだり、その人を交えて晩御飯を食べたり、屋根裏に住む妖怪や、どこかからあらわれた赤鼻のウインナーと戯れたり、お父さんの恋人を水鉄砲で撃ったり。
かなりどろりんとした面を持ってはいるけど、どこか寓話的でもある。ものすごく足をとられる粘り気のある沼なのに、漬かってしまえばひんやりして気持ちいい、みたいな。気づけば底なしかもしれないけど。今回はちょっと評判を見すぎてしまったのでかなり先入観を持って観てしまったんだけど、わりと批判的だった評判のわりに私は嫌いではありませんでした。子供がいるとか、その子供の前で下着姿のお父さんの恋人が出てくるとか、お母さんが犬になっちゃうとか、確かに嫌悪感を抱かせがちなディテールはある。でもそれはそれで、この作品の世界観のなかでは違和感がない。むしろ教育をテーマにするって提示しながらその中でこういう世界を作れるのはおもしろい。
下卑たお父さんの姿が憎たらしいけど生々しくていい。奥さんに子供を迫られて、浮気をし、っていう単なるダメ親父なんだけど、そのことに対してなんの苦悩もなくからっと自分の気持ちに忠実に生きてる様子が。女の立場からすれば許せないけど。
私の集中力がだいぶ欠けていてぼんやりした中で観たから、見のがしている部分も多そう。でもそれが逆に功を奏しておもしろく思えたのかもしれない。のほほんと観れば、気持ち悪い童話でもほんわか居心地よくなっちゃう。
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