8月22日昼 アロッタファジャイナ「ルドンの黙示」
すごいな、新国立進出。アロッタファジャイナは番外公演ばかりで本公演は初めて。登場人物が柿喰う客並に多いけど、ついてけるかな。
中央に舞台を置いて客席は対面。両端にお立ち台。上にあしらわれた布。やっぱり視覚的にも美しい。
終わりかけの世界で小説を紡ぐ少年ルドン。ルドンの言葉は未来を予言する。その物語とは…。絶対的な君主シハージャが支配する世界。支配される国ドレの中にはさらに虐げられる民カソーミがいて反乱を企てる。支配者には支配者のルールがあり、支配される側にはそれから逃れる正義がある。それぞれの信義に従って人々は戦い、血を流し、殺し合う。そうやって世界が滅びかけたとき。。。
当日パンフの、争いは悪者がいるから起こっているわけではない、守ろうとする正義が違うから起こる、という言葉どおりの世界観。傍からみればどんなに間違っていても、その人その人で筋は通っている。それが痛くて切ない。
心情としては支配される側を応援するけど、支配する側の将軍ケアルガの生き様がかっこいい。支配する哲学に則ってそれを貫き、そしてそれのために殺される。男の美学。
たくさん出てくる登場人物も、国や時代で衣裳が違うので混乱する事無くなじめます。カソーミの白、シハージャの赤、迷彩色の戦士。またこの衣裳のコントラストが美しい。
こういう系統の作品って暑苦しくやっちゃうと目も当てられない嘘臭い仕上がりになりがちで私の好みからは離れるのだけど、広く美しい空間でさりげなくやられると逆に引き込まれました。誰の正義を主眼に置いたわけでもない中立な目線がよかったのかな。
アフタートークになってみて客層にちょっとびっくり。さすがD-BOYS。質問に次々手が挙がるのがすごい。もっと作品の話とか音楽の話とか聞きたかったけど、あれじゃそんなニーズはないな、仕方ない
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