8月29日昼 Mrs.fictions「15 MINUTES MADE VOLUME4」
シアターグリーンは何度となく行ってるのに、Box in Boxは初めてでした。気付いてなかった。知らないところに通されてちょっとびっくり。
今回の15 MINUTES MADEは私からすると有名どころな気が。安心して楽しめそう。企画の目的、「出会い」は少ないけど。
1本目、横浜未来演劇人シアター「市電うどん」。ハマのメリーさんを題材にした表題作のエッセンスを抽出して15分に凝縮させた作品。メリーさんが今際の際に、戦争の時に気まずいまま別れた弟と巡り合う。15分(若干オーバー)できっちり世界を完成させてました。メリーさんの雰囲気と弟の無邪気さに鳥肌が立ちました。
2本目、青春事情「クロヒゲ」。始まった瞬間、ギャグテイストな出で立ちにいやな予感。そして進むにつれてげんなり。15分の演劇を勘違いしてるかな。中身のないテンションだけで15分は耐えられません。ナメてるな、短篇を、って思えてしまう。コントならコントでもっとちゃんと作りこまなきゃ。
3本目、elePHANTMoon「小説の形」。小説家のもとに、ファンで小説家志望の女が作品を読んで貰いにやってくる。女子高生惨殺の実話に基づいた話で。女は作品の続きを書くために…。elePHANTMoonらしい部分がやや控えめながらも盛り込まれた形。時間配分が、前半の導入に使いすぎてるのか、後半のおどろおどろしい感じに浸りきれない気はしましたが。
休憩10分を挟んで4本目、あひるなんちゃら「ゴーテンノーベ」。あひるなんちゃらメンバー抜きで、某ぐーたんぬーぼを模した作品。とぼけた雰囲気の3人がいい味です。最初の金沢涼恵さんの席選びシーンには番組同様のテロップを付けたくなる番組の持つ空気と劇団のカラーがぴったりで、これなら劇団員ナシの公演でも次に興味が持てる。
5本目、アイサツ「クレイジー」。尾倉ケントさんのユニット。俳優姿は何度も観ていたけど作演出は初めてだったのでちょっと期待して。演劇創作の舞台裏ってことで、稽古風景をそのまま作品に。うーん、リアルなコミュニケーションをってことで、会話自体はあるのかもしれないけど雰囲気はデフォルメしすぎじゃないのかな。やたらと内輪ウケ。客席の笑い声が声のでかい方ばかりなので、明らかに演劇関係者とわかる感じなんですわ。後半の踊りのような体の動かし方もなんか中途半端で、リアルな疲れが見えるわけでもなし、美しい動きなわけでもなし。着眼がおもしろくなりそうなのに、なんだかね。二番煎じと内輪ウケの印象しか残らない。
6本目、Mrs.fictions「ねじ式(未来篇)」。器械のスクラップ工場の控え室での会話。従業員の女の子の天然加減がぶっ飛んでると思えば、実は彼女は拾ってきたロボット。調子が悪くなって言うことを聞けなくなっている。一緒に働いてきた彼女ををスクラップにするのか…。さすがに慣れているだけに15分のまとめ方は上手かな。でもあっさりまとめすぎているのと、俳優の見せ方に物足りなさはありました。中央にどんと机を置いてしまってまわりに俳優は座ったまましゃべるだけ。もう少し体の動きがあると面白いのに。ロボットならロボットらしさを、台詞でロボットと言っちゃうだけじゃなくて見られれば。
アフタートークは青春事情とアイサツの主宰でした。青春事情は普段の作品はちゃんとした物語だそうで、企画者側も今回の作風には驚いたということでした。それなら次も観てみてもいいかな。二つの劇団はエチュードから膨らませていくっていう点は共通しているそうで。今回の敗因は膨らませただけで15分持たせようとしたところかな、と聞きながら思ってしまいました。短編でも落ち着きどころは必要ですからね。
舞台美術は松原優介さんによるもの。カラフルなボックスをランダムに配置したものでした。前々回はセットは統一してなかったけど、作品と対等に美術を設定するということで、共通セットとして立てられたものらしいです。生かしたり無視したりはそれぞれの団体によりけりだったけど、視覚的にはかわいらしくてポップ。スタッフにも主張の場があるのは面白いけど、あまりにも作風と合わない場合は難しいですね。
ツマミ食い形式はやっぱり楽しい。続いて行って欲しい。寄せ集まっているわりに、制作さんたちがかなりしっかりしていて、誘導や気遣いがよかったです。
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