10月21日夜 ハイバイ「オムニ出す」落星バージョン
リトルモア地下で短篇集。バラエティに富んでるな。岩井秀人さんが今おもしろいと感じてるモノの詰め合せ。
こういうロングランってありがたいけど、いつ行こうかすっごく迷っちゃう。だって、初日と楽じゃだいぶ違うはず。早く観たいけど、客に観せることで出来上がる形も気になる。今回はまずはトーク狙いで早めに。
星=SF「輪廻TM」自分の前世や来世が見られると聞いてある寺へやってきた女。寺にいたのは胡散臭い男たちだったが、彼らが作ったという車椅子型のマシンに乗ってみると…。
4つのうち、これだけは岩井さんの作じゃなく、イキウメの前川知大さんの作。でも岩井さんと金子岳憲さんじゃ完全にハイバイの味わい。会話の噛み合わなさ加減とか相手をだまくらかそうとする姿勢とか。普通にハイバイっぽい。
テーマが輪廻ってことで、会話の内容が結構おもしろい。食べ物としての動物が死ぬのはかわいそうじゃないのに、犬やネコが死ぬのはかわいそうっていう感じ方は、輪廻の中にいる動物かどうかに関係するんじゃないか、とか。そういう理屈を岩井さんが言ってると、どうも新興宗教のように信じたくなっちゃう。
二つ目、落=落語「男の旅‐なつこ編‐」友人と3人で風俗に行き、友人の彼女を風俗嬢の中に見つけちゃったりとか、風俗嬢にマジ惚れしちゃったりする男の話。
落語の形式に則ったオリジナルの話をきちんと演劇に落としこんでます。噺家風に一人で語りが始まり、本筋に入って熊さん八つぁん風に掛け合い、そして下げへ。掛け合い部分で噺家が一人何役もするうち、舞台上は俳優が増えていき、二人一役、三人三役、一人二役、と、ころころ演じる役回りを替え展開されます。
その交替や変化がなんとも楽しいこと。噺家が左右に顔の向きを変えることで違う役になりきるように、俳優さんたちも立ち位置を変えることで違う人になる。変化している間がすごーくおもしろい。
単に芝居の中で複数演じ分けてるのがおもしろいのではなく、落語をベースに敷くことですべてを締める噺家の影が後ろにちらちらしてるからこそのおもしろさっていうのかな。
必死になって慌てて次の役になろうとするんじゃなくって、噺家としての間、っていうか、一旦噺家に戻ってから次の役になる感じが、笑わせてくれます。
前半、風俗の終わりくらいまではそれがよく見えたのに、後半は役を替えること夢中になっちゃってて、単なる一人二役に見えちゃった。だからオチがちょっと弱く感じました。アレって。
眼鏡を外してヅラをかぶった夏目慎也さんが予想外にかわいくってその姿だけで爆笑。
アフタートークで落語はちょっとデスロックの「3人いる」をパクッたって言ってました。私はあまりそうは思わなかったけど。でもこういうのすごく好きって思ったのはそのせいもあったのかも。
| 固定リンク
「演劇」カテゴリの記事
- 電動夏子安置システム「3483」2018.02.09 19:30(2018.02.10)
- MCR「貧乏が顔に出る。」2012/9/23 19:00(2012.09.24)
- 「日本の問題 Ver.311」2012/3/8 14:46(2012.03.09)
- ひょっとこ乱舞「うれしい悲鳴」2012/3/7 19:30(2012.03.09)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント