12月11日夜 アロッタファジャイナ「今日も、ふつう」
この季節、クリスマス、アロッタの世界がぴったり。繊細できらきら美しいものばかり。
でも国民的美少女からイケメン社長まで、小劇場の俳優と混ぜ合わせちゃうんだから、どんな化学変化になるんだか。大丈夫なのかな?
モリエールでの対面舞台なんて初めて。赤い絨毯と壁から天井の装飾が素敵。いつも色彩とか美術の雰囲気がかなり私好み。
作家を目指す女子高生4人の元に10年前の殺人被害者の女の子から手紙が届く。殺されたはずなのに。しかもその事件の状況は有名推理作家の幻のデビュー作に酷似。いったい何のいたずら?謎を追い掛けるうちにとんでもない過去の秘密が…。
前半のスピーディーな展開にわくわく。登場人物が多くしかもいろんな場面が次々に、だから、こりゃ見逃すまい、と必死。女子高生の部室、ネジ工場、喫茶店、芸能事務所、バー、と場面が飛べば飛ぶほどに食らいつきも強くなる。なになに、どう結び付くの?
転換の間の音楽の不安をそそる感じがたまらん。
女子高生役の美少女たちが意外にもうまくこなしてる。かわいいのは当然だけど、ちょっとしたキャラの描き分けがきちんとできてるし。
で、ある程度パーツが出揃ってからが少し引っ張りすぎな感じ。同じテンポで場面は切り替わっていくんだけど、なかなか進まない。続きはCMのあとで、みたいなずっこけ感。人物が多く、ちゃんと一人一人に物語を与えているからなんだろうけど。でも早く核心が知りたい!
だんだんとみんなが自分の「ふつう」を保てなくなってきてからが、またぞくぞく。抜け出したくてたまらなかった「ふつう」なのに、「ふつう」を積み重ね続けるといつか崩れ落ちてしまう瞬間がくる。それは無意識のうちの小さな歪みがピサの斜塔のように積み重なった結果かもしれないし、積み重ねるピース自体でこぼこして不安定だったからかもしれない。崩したいときにはとびきり頑丈に立ちはだかり、縋りたいときには自ずから消滅してしまう「ふつう」。残酷ってこういうことね。
最後のシーンは美しいの一言に尽きます。五感すべてが感じてる。
菅野貴夫さんの存在感がいいですわあ。浮つかず、引き締めてる。彼じゃなかったらラストシーン、恥ずかしくて観ていられなかったかも。
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コメント
アロッタの美術、ほめてくれてありがとうございました。
美術としてはうれしいデス。(o^-^o)
投稿: R | 2008年12月13日 (土) 22時17分