12月12日夜 ブラジル「軋み」
TOPSでの公演も残り少なくなってきました。演劇関係者に宝くじ当たったら買い取ってほしいくらい。ずっとあってほしい。
ブラジル、今回もオールスター的面子で。
人気少女漫画家が自分のアシスタントで夫の不倫相手だった子を殺害。夫になすりつけようとしたり、もみ消そうとしたり、策略をめぐらす。死体を処理し、身籠った子供のために新しい一歩を踏み出そうとしたけど…。
漫画家妻の桑原裕子さんがみせる女心。夫の愛人でありアシスタントであり、さらにデビューを控えたライバルでもある女をついカッとなって殺しちゃう。妊娠中の不安定さもあり、罪の大きさに苛まれながら悩み怯えるその揺れ具合の表現はさすが。支えたくなる脆さと、漫画への愛や母になる覚悟が共存してるその姿に、こちらの心もフルフル。
殺人なんていうエグい題材を前面に押し出し、俳優のキャラで笑いを取りながらも、しっとりと共感し、ほろっとなる。夫婦愛の美しい部分を押しつけるんじゃなく、押しては引っ込めする照れ具合がとってもとってもいい。
俳優さんたちのキャラそれぞれおいしい見せ所あり。桜井智也さんの不誠実そうで不誠実な、でも妻を大切にしてるニート夫、テンション高いストーカー・西山聡さんの殴られっぷり、抑え気味の編集・辰巳智秋さん、珍しく飛び道具の中川智明さん。何より注目は諫山幸治さん。アシスタント役のなよっと感と底意地の悪さとがどこまでも気持ち悪く交ざりあって目が離せませんでした。2ヵ月前にパラドックス定数で渋い刑事を演じてた人と同じ人とは思えない、振り幅。すごいわぁ。
想像越えていい話、いい作品。演劇関係者で独占するなって言いたくなるくらい、客席が豪華すぎで。
私が見かけただけで、黒岩三佳さん、金子岳憲さん、本井博之さん、川島潤哉さん、野木萌葱さん、内山奈々さん、などなど。好きな方々いっぱいだとどきどきしちゃうな。
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