« 2008年11月 | トップページ | 2009年1月 »

2008年12月

この一年。

あっという間の年の暮れ。

今年の観劇ははアゴラの青年団ではじまり、同じくアゴラのデスロックで終わり。

感想書いていないのも含め、ざっと350本弱観たみたいです。びっくりしました。

一日一本ペースになりそうだ。気をつけなきゃ。

1月2月は20本強だったのに、11月12月は40本超えです。キチガイ沙汰だ。どうりで生活が成り立たないわけだ。感想も書ききれないわけだ。お金もなくなるわけだ。楽しくてたまらないわけだ。

ストレス溜まると芝居に逃げてく傾向もあるみたいで、そういう時はぎちぎちに詰め込みすぎて後に何も残っていなかったりするんですよね。せっかく観たのにもったいない。一本一本を大切に残していきたい。来年の目標はそれにしよう。

本数をちょっと減らして、集中しよう。せめて感想が書ききれるくらいに。

たぶん仕事をもうちょっとちゃんとしなくちゃいけなくなるだろうから、自然に減っちゃうかもな。そんな風に考えちゃうと憂鬱だけど。

厳選した中で楽しむぞ。なんたって年明け最初は大好きなデスロックの予定なんだから。

どこかで出会う機会がありましたら、来年もどうぞよろしくお願いします。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

12月29日夜 G-up side.B session「ソラヲカゾエル」

G-upはいつも素敵な俳優さんばかり集めますよね。つい釣られて行ってしまいます。

ウエストエンドスタジオ入った途端にギュウ詰めの客席にびっくり。去年の「棄憶」の時に似た雰囲気。あの時の詰め込みもすごかったなぁ。

なんて思っていると始まり方も似てました。もちろんストーリーや設定は全然違うけど。

ある日の昼下がり、ある病院の脇の空き地に集まってきた男たち。片手にはハガキを一枚握って。小学生時代の友達が送ってきたハガキ。集まって一体なにをしようというのか…。

28年も経ち、お互いの顔と名前も覚束ないまま、ハガキを送ってきた病気がちだった倉科(有馬自由)の希望どおり遊びはじめる男たち。ジャイアン的だったアンちゃん(有川マコト)は建設会社の営業、土建屋ドケン(工藤潤矢)は運送屋、嘘つき博士(瓜生和成)は旅生活を続けるフリーター、デブのいじめられっ子ウジ(細見大輔)はSEになっていた。が、実際の生活にはいろいろあって。

大人になっていろいろあってもなんだか気になる昔の友達。だんだん昔の関係を思い出してテンション上がる。わだかまりがあっても楽しく遊べる瞬間はある。

私、ほんとに男たちがやたらとじゃれ合いフザけ合うお芝居、大好きですわぁ。しかもまるで素のように見える遊びっぷり。羨んでるのかなあ。楽しそうにされるとこっちも楽しくって。

壁あて、まだまだやってほしかったもん。

ハッピーエンド過ぎるのがちょっと鼻についたけど、ほっこりできたからよし。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

12月25日夜 カブ)牛乳や「革命前夜」

劇団名のユルさと今回のタイトルの硬さのギャップがどうにも気になりました。初めて観ます。年末も迫ってまいりましたが、まだまだいい出会いがありますように。

結婚式前日のカップルが眠りに就くとき。女が昔の先生との肉体関係を暴露したことに嫉妬しながらも明日に備えて。が、彼が目を覚ましたのは男と女が戦争する世界だった。。。

なんだかよくわからない展開でした。普通のドラマのように始まりながら、単にふざけてるような捕虜たちの場、体を張ったローションプレイ。なんなんだ?これ、と思いながら気付けば夢中になって。

シリアスなんだかおちょくってるのか、アドリブなんだか作り込まれてるのか、全く読めない。ねっとりと絡み付いたかと思えばさらりと流れる。不思議な感触。

ストーリーの流れや場面のつながりはあるのに、強烈なインパクトのある瞬間にブツ切れる。なのに徐々に徐々にまとまっていく感じはある。表かと思ってついていっていたのに気付けば裏返ってて、それでもどんどん進んでみたら元に戻った、みたいなまるでメビウスの輪。

捕虜になった男たちが食事も水も与えられないまま一週間、の場面がすごく好きでした。言葉とそれの表すものをズラしていき、「電話」という言葉が表すのは「食事」、「メール」が表すのは「水」と設定。お腹がすいたら「電話をくれ〜」と絶叫する。あまりにも渇いたからお互いの尿を飲みあうことにした彼らは、互いの股に顔を近付け、「メール一斉送信!」。言葉じゃ伝わりにくいな。こういうバカバカしさ、大好き。

ロミオとジュリエットネタの毒薬を飲んじゃうシーンは美しくて好き。ウソ臭いのに、それでもきゅんとしちゃう。

この妙な空気、ちょっとクセになりそう。変なの。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

12月26日夜 東京デスロック「その人を知らず」

東京デスロック、東京での見納め公演。まぁキラリ富士見での活動は仕方ないにしても、東京で活動しませんって宣言しなくてもいいんじゃない?東京のファンを見捨てるなんて。。。と腹も立ちましたが。だったら観られるときに観ておかなきゃ。じゃあファンやめる!って強気に出られないのが惚れた弱み。

三好十郎さんの戯曲。公共化される前なら原作のままだろうから、今回は予習せずに楽しみましょう。

戦時中、信仰を理由に出征を拒否したクリスチャンの男がいた。非国民と罵られ、家族までひどい扱いを受けても。が戦争が終われば戦争反対した男として英雄視されて。それでも男や周りの人々が受けた仕打ちは消えたわけではなく…。

休憩込みで3時間弱の超大作。でもまったく飽きることなく食い入るように観ました。

古典戯曲でも構成をすれば、ある意味演出の都合がいいように抽出・凝縮して観せたい部分だけを観せたい形で並べることができる。それはその演出家が好きであればあるだけ楽しいし、魅力にもなる。だけどまっさらの原作に対峙したときどうなのかっていうのは、正直とっても興味津々。デスロックは物語を伝えるという部分を放棄し、開演前にあらすじ解説をしてきただけに、その部分をも担っての上演はいかに。自分が好きと思った相手っていう保障しかないわけで。

結論としては私の期待は裏切られず、好きなものはやっぱり好き、と言うことができました。原作のもつ世界を過不足なく伝えた上で、ここでデスロック作品として観る意味を持つ。だから長さとか関係ない。

脚本としての強さもかなりのものなのでしょう。リーディングでもおもしろいかもしれない。でもそれを今、この俳優さん達が演じていることにまた力を感じられるんです。机の上で窮屈にしている姿だけでおもしろい。クリスマスの飾り付けをされてる姿がおもしろい。鏡に向かって訴える後ろ姿がおもしろい。空襲にやられる姿がおもしろい。

そして何より、磔にされている夏目慎也さんの姿だけでも十分おもしろい。

私の感覚としては休憩なしでぶっ続けのほうがよかったな。集中やわくわくを切らなきゃならなかったのが惜しくて。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

12月24日夜 北京蝶々「日本語がなくなる日」

はい、クリスマスイブもみっちり観劇。楽しいです。

北京蝶々が下北沢に進出。

近未来の日本の南極越冬隊基地。協力しあって暮らしていたところへ、文科省の役人の子供がやってくる。近頃の日本は海外への移民や留学が増え、日本語を話せない若者もいる。役人の子供たちも何だかわからない混成語しか話せず通訳を介してもなかなか意志の疎通が図れない。一方日本では新型ウイルスの感染によって次から次へと死者が出ていて…。

なんともおっそろしい話。お話づくりのディテールをちゃんと現実に沿う形でやっているから、数年後にはほんとにありそうで恐くなる。お話、とわかっていながらもうすら寒くなる現実感が毎度ながらうまい。

日本の消滅を、日本語を話せない日本人の存在という文化的側面と、感染による生命自体の消滅っていう両面から攻めてきてるのもおもしろい。何を以て日本なのか、我が国なのか?日本人としてのアイデンティティはどこにあるんだろう。そんな哲学的な問いと同時に、自分だけでも生き残りたいというエゴもあって。日本なくなっても自分だけ?自分が死ぬだろう時に生き残れる人がいたとしたら?

基地にいる隊員はいわば、今生きている私たちの感覚。日本語を話し、まわりとコミュニケーションをとろうと努力し、社会の中で協調して、決められた役割を果たしている。対局にいるのが役人の子供たち。日本語を話さず、必要な相手としかコミュニケーションをとらないし、したいことしかしない。言葉が通じないからルールも理解しないし守らない、情報からも遮断されている。けど、なのか、だから、なのか、わからない、通じない、のストレスを感じイライラするのは基地の隊員達。皮肉だな。

そんな結構シビアなこと描いているのに、観ている間は小難しいこと考えてる間もなくおもしろいんだよな。たぶん劇中の人たちがちゃんと生きてるから。真面目に人と関わろうとしている基地の人にこまつみちるさんや小林至さんといった先輩方を配置したことで、ぐんと厚みを増してる。劇団員は劇団員の持味で引き立ってるし。

こまつさんがほんっとに素敵。働く姿勢もちょっとしたところで見せる女の仕草も。そういうキャラじゃないって自分のことを鼓舞して強がって生きていても、寂しいっていうのを、素直にリアルに。身に染みますわぁ。

うーん、観た直後はそんなに感じなかったけど、書いてたらもう一回観たくなってきちゃった。やだ、どうしよう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

12月20日夜 三条会「卒塔婆小町」

一夜限りのアンコール公演。と言っても演出は新しく、となったら観ずにはいられず駆けつけました。弱法師はどうにも都合つかなかったから、せめてこちらだけでも。5月の榊原さんバージョンが忘れられないのもあって。

今回は原作読み直さずに行きました。半年経ったらもう曖昧っていう記憶に鞭打つためにも。

いっや、おもしろかった。半分思い出しながらっていうのも、物語世界を楽しむには正解。演出のすごさと戯曲のすばらしさを真っ向から堪能できた気がします。

一回ぽっきりっていう強みを生かした冒頭。榊原さんが天使になっていく様をじぃっと眺める。笑えるのとあとの展開が気になるのとで落ち着かない。

5月の衝撃的な演出を思い起こさせながらの天使の演技。老婆と詩人の場面に並行して。どっちも迫力増してて、しかも着地点は想像しきれないから、ドキドキ。

老婆と詩人の心の動きがずんずん入ってきて、これまで観たどの三条会作品よりも登場人物に感情移入。橋口さんの情けない表情が涙を誘う。大川さんの呆然とした顔は完全に恋。

さわやかな榊原さんの顔とは裏腹ななんだか切ない展開。作品に対する興奮に目が行ってたけど、意外に豊かだった感情表現にめった打ちされた感じ。

何をやっても三条会はすごい。次のスズナリ、ロミジュリへの期待が…。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

12月14日夜 ろりえ「きみは癌」

ろりえ2回目公演は早稲田の学生会館。客、入りきるのかしら。ここに客演する岡田あがさちゃんの度胸に恐れ入ります。

女の子たちの宴会がオープニング。お父さんなる男が騒ぎを収め。このお父さんの家に集まるにはいくつかのルールがあって。女の子達は遊びにきてはルールを守って楽しくすごしていたのだが。

最初の宴会シーン、大好き。おおおぉ、始まるぞって興奮したけど、なあんか意外に普通に話は進んでいき、ちょっととまどう。あれ、こんな感じなんだ。。。ふーん。ちょっと眠いかな。

ってだんだん話についていけなくなっちゃって。気持ち悪さがない、飛んでくるものも普通。いやいや、私何を期待してるんだ?

悪ノリを超えた異臭を放つかのような存在感が魅力なのに、拡散するばかりで匂い立ってこない。普通にはおもしろいかもしれないけど、観にきたのはこんなんじゃない。

でもラストの大仕掛けはまあよかった。踊って怒鳴って客席に仕込んでた人が乱入して、っていうのは少し内輪なはしゃぎ方だったけど、ホームの学生会館だしそれくらいは。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

12月15日夜 劇団競泳水着「プリンで乾杯」

競泳水着トレンディドラマシリーズの集大成。トレンディドラマっていうワード自体に郷愁を感じる世代としては、観るよね。

仕事終わってうとうとしてたら、開場時間に間に合わなくなっちゃった。10分過ぎただけですごい人。平日なのに。椅子席がほぼ満杯のため、最前列に陣取りました。

バイト仲間でルームシェアを始めて早5年。音楽家をめざして留学するつばき(大川翔子)、転勤する亮平(澤田慎司)、デキ婚したまこと(佐野功)、ついに家が壊される時に皆旅立ち、一人残ったのは亮平の元カノ・郁子(川村紗也)。かつてのルームメイトに告白されたり、バイトの上司と不倫したり、恋を探して悩むけど、結局落ち着いたのは…。

ほんと、憎たらしくなるくらい王道のトレンディドラマ。どこかに石田純一出てきて恋を語りだすんじゃないかってくらい。トレンディドラマと言う枠組みがどういう形で出来上がったのかしらなくても、こういうものかと納得させられる絶対的な力を感じちゃう。

まわりを固めるキャラやエピソードが、それらしさをうまく演出。パリの留学先で回想させたり、バーという別空間で出会いを作ったり。主となる部屋とそれ以外の場面のバランス、時系列の並べ方、その説明しすぎないさりげなさが次への展開へ期待をふくらませてくれるんです。

登場人物はある程度場所に固定されているから、会話する相手は完全に限定されてる。バーの店員(永山智啓、辻沢綾香)はそこの客としか話してないし、パリでつばきと知り合う学生(渡邉とかげ)の会話は完全に二人きり。つばきの音楽仲間(和知龍範)も相手はつばきだけ。なのに全然ばらばらな印象はなく、ちゃんと部屋メンバーに収束している。それって結構すごいことな気がする。せっかくだからこの路線でがんがん攻めていってほしい。こういう作り方はなかなかできないことだから。

バーのマスター役の永山さんがストーリーの外での笑い担当。珍しいな。それも狙ってるんだろうけど、妙に上品で激しくないところがすごく好感。こんなふうに笑いってとれるのね。一人二役も、まさかこう出るとは。こういうふうに使っちゃおうと思った上野友之さんに敬服。

アフタートーク前のバーの開店、待ってました~。なんせ前回公演で作ってもらったカクテルがおいしくてハマり、しばらくうちでも作ってたくらいですから。今回もおいしかったです。もう一杯飲んじゃえばよかったな。

あ。せっかくスプーン持っていったのに、プリンもらうの忘れちゃった。あーあ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

12月12日夜 ブラジル「軋み」

TOPSでの公演も残り少なくなってきました。演劇関係者に宝くじ当たったら買い取ってほしいくらい。ずっとあってほしい。

ブラジル、今回もオールスター的面子で。

人気少女漫画家が自分のアシスタントで夫の不倫相手だった子を殺害。夫になすりつけようとしたり、もみ消そうとしたり、策略をめぐらす。死体を処理し、身籠った子供のために新しい一歩を踏み出そうとしたけど…。

漫画家妻の桑原裕子さんがみせる女心。夫の愛人でありアシスタントであり、さらにデビューを控えたライバルでもある女をついカッとなって殺しちゃう。妊娠中の不安定さもあり、罪の大きさに苛まれながら悩み怯えるその揺れ具合の表現はさすが。支えたくなる脆さと、漫画への愛や母になる覚悟が共存してるその姿に、こちらの心もフルフル。

殺人なんていうエグい題材を前面に押し出し、俳優のキャラで笑いを取りながらも、しっとりと共感し、ほろっとなる。夫婦愛の美しい部分を押しつけるんじゃなく、押しては引っ込めする照れ具合がとってもとってもいい。

俳優さんたちのキャラそれぞれおいしい見せ所あり。桜井智也さんの不誠実そうで不誠実な、でも妻を大切にしてるニート夫、テンション高いストーカー・西山聡さんの殴られっぷり、抑え気味の編集・辰巳智秋さん、珍しく飛び道具の中川智明さん。何より注目は諫山幸治さん。アシスタント役のなよっと感と底意地の悪さとがどこまでも気持ち悪く交ざりあって目が離せませんでした。2ヵ月前にパラドックス定数で渋い刑事を演じてた人と同じ人とは思えない、振り幅。すごいわぁ。

想像越えていい話、いい作品。演劇関係者で独占するなって言いたくなるくらい、客席が豪華すぎで。

私が見かけただけで、黒岩三佳さん、金子岳憲さん、本井博之さん、川島潤哉さん、野木萌葱さん、内山奈々さん、などなど。好きな方々いっぱいだとどきどきしちゃうな。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

12月8日夜 あなざーわーくす「マンヂウ団地妻」

これも演劇なんだなぁっていつも幸せな気分になるユニット。今回は神楽坂の小さな素敵なカフェが会場。畳に掘り炬燵のある和める場所で。

またこのタイトルが滑稽で淫靡。AVにありそう。

年の離れた夫の帰りがいつも遅くて淋しい若妻。時間をもてあまして遊んでいたところ、夫に見つかりなじられ、ついカッとなって刺し殺してしまう。記憶をなくして病院に運び込まれて…。

ストーリーだけだと、完全に昼メロ。だけどそこはあなざーわーくすの素敵なところ、まったくどろどろさがない!ストリップをしようが喘ごうが、色気はあるのに微塵もエロくない。笑える。

スナックのシーンではマンヂウが振る舞われ、心も腹も満たされる。知らない人たちと一つの炬燵を囲みながら、にこにこ。

それにしても芝居観に行ってせんだみつおゲーム初体験するハメになるとは。

楽しかった。人に勧めたいけど自分が入れなくなると困るから内緒にしたい、複雑。

欲をいえばビール以外にもアルコールがあったらよかったな、日本酒とか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

12月11日夜 アロッタファジャイナ「今日も、ふつう」

この季節、クリスマス、アロッタの世界がぴったり。繊細できらきら美しいものばかり。

でも国民的美少女からイケメン社長まで、小劇場の俳優と混ぜ合わせちゃうんだから、どんな化学変化になるんだか。大丈夫なのかな?

モリエールでの対面舞台なんて初めて。赤い絨毯と壁から天井の装飾が素敵。いつも色彩とか美術の雰囲気がかなり私好み。

作家を目指す女子高生4人の元に10年前の殺人被害者の女の子から手紙が届く。殺されたはずなのに。しかもその事件の状況は有名推理作家の幻のデビュー作に酷似。いったい何のいたずら?謎を追い掛けるうちにとんでもない過去の秘密が…。

前半のスピーディーな展開にわくわく。登場人物が多くしかもいろんな場面が次々に、だから、こりゃ見逃すまい、と必死。女子高生の部室、ネジ工場、喫茶店、芸能事務所、バー、と場面が飛べば飛ぶほどに食らいつきも強くなる。なになに、どう結び付くの?

転換の間の音楽の不安をそそる感じがたまらん。

女子高生役の美少女たちが意外にもうまくこなしてる。かわいいのは当然だけど、ちょっとしたキャラの描き分けがきちんとできてるし。

で、ある程度パーツが出揃ってからが少し引っ張りすぎな感じ。同じテンポで場面は切り替わっていくんだけど、なかなか進まない。続きはCMのあとで、みたいなずっこけ感。人物が多く、ちゃんと一人一人に物語を与えているからなんだろうけど。でも早く核心が知りたい!

だんだんとみんなが自分の「ふつう」を保てなくなってきてからが、またぞくぞく。抜け出したくてたまらなかった「ふつう」なのに、「ふつう」を積み重ね続けるといつか崩れ落ちてしまう瞬間がくる。それは無意識のうちの小さな歪みがピサの斜塔のように積み重なった結果かもしれないし、積み重ねるピース自体でこぼこして不安定だったからかもしれない。崩したいときにはとびきり頑丈に立ちはだかり、縋りたいときには自ずから消滅してしまう「ふつう」。残酷ってこういうことね。

最後のシーンは美しいの一言に尽きます。五感すべてが感じてる。

菅野貴夫さんの存在感がいいですわあ。浮つかず、引き締めてる。彼じゃなかったらラストシーン、恥ずかしくて観ていられなかったかも。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

12月6日夕 good morning N˚5 「アタシが書くからアンタが演りなっ!」

毛皮族の澤田育子さんが書いて、カムカムの藤田記子さんが主演、ゲストに米米クラブのMINAKOさんという超豪華な企画。しかもあくとれで。近い!あふれちゃいそう。

大人の女がハジけるってすばらしい。質の高いエンターテイメント。開演前の売り子サービスからアドリブ風の見せ掛け、歌、一人芝居、まさかあくとれでっていうくらいのすごい仕掛け。90分+α、舞台に実際の時計を設置しての演出が、こっちにとってはあと○分で終わっちゃう、って悔しくなるくらい楽しい。

藤田さん、期待どおりに体張ってくれます。裸のテイでっていうのが最高!澤田さんの美しさとめちゃくちゃさ、ほれぼれ。私男だったら完全に落ちますheart04

勢い押し切り型でもあるし、着替えや転換で映像が多めでもあるけど、ぐだぐだっとしたところも意外に計算かもって思わせるくらいに力があるんだよなぁ。

この規模でのこの豪華さって言うのを保ちながらまた次やってほしい。大きいところに行かないで。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

12月6日夜 げんこつ団「フルチョア」

本日3本目。観て移動して観て移動して観てると一日がほんと早い。あっという間に夜。何やってんだか、とも思うけど、そんな生活がやめられないんだな。

げんこつ団は2回目かな。一年ほど前、なんだこれ?と思った気がする。その時は好きじゃない、って思ったけど、一回であきらめたくはないので。

おおらかに楽しむつもりで行ったら、これが意外におもしろい!

タイトルのフルチョアはブルジョアの対義語らしいですsmile。裕福でない労働階級。なので働くってことをおちょくりまくってます。

いんこの部長の下で働く社員とか、日本の企業すべてが一つにまとまった、とか、家族でやってる農業とか、魚萌えの漁師とか、露出狂講座や正義の味方講座とか。ちょっとした場面をシュールに一捻りしてて。ありえないしバカうけはしないんだけどぷぷぷってなる。

日本の企業の総まとめが「坂本ハム」だったり、露出の練習に「イントレ」=陰部トレーニングしたり、結構ツボ。

淡々としたニュースもかなりおもしろい。

一つ一つのストーリーはそれぞれ完結してるんだけど、ポイントがゆるやかにつながっていたのが気に入りました。ぐるっとまわって元の地点に戻ってきたまとまり具合が。

それにしても不思議な空気感をもつ劇団だな。俳優さん達、あんなにふざけたことやってるのに全く乱れず素を見せず。

一つ困るのは、劇団でチケット予約ができないらしいってこと。特別チケット以外はぴあとかイープラスになっちゃう。面倒だしチケットがかわいくないんだよね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

12月5日夜 「黒猫」

また映像系の演劇作品にチャレンジ。黒猫のテイストと舞台をどう組み合わせるか、想像もできない。

友人に誘われるがままに。内田春菊さんや町田マリーさんや町田水城さんや中林舞さんには惹かれる。

原作とはかなり違う形に仕上がってますね。ストーリーとしては別物。もっと沿った形で行くかと思ったのでびっくりでした。

黒猫の雰囲気は壊れてないけど、モチーフはどうかな。得体のしれない内面世界の独白が持ち味なのに、起こる事象にベースとなる根拠を付けちゃった。自分でもわからない衝動につき動かされる怖さが、失った子供への愛という形で裏付けられたくなかった。

眠くなっちゃって場面のつながりがつかめなくなりがちでしたけど、ちょっとストーリーをつけすぎだったかなあ。行動に至った説明はないのがいいのに。

映像はかっこよくてさすがだったけど、これもナイロンと比較しちゃえば、ふうん、っていう程度だな。

そこそこ楽しめはしたけど、目新しくはないし、コストパフォーマンス的には落第点。高いんだよぉ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

12月5日昼 散歩道楽「レモンスター」

初めての散歩道楽。脚本提供とか外部演出では太田善也さんてやたら見かける気がするけど、それすらほとんど観たことないかも。

その昔剣術の達人と村一番の美女が駈け落ちし非業の死を遂げたという伝説が伝わる村にて。二人の魂を鎮めるために今も神社には二人の持っていたお守りが納められていた。ある日村に見知らぬ男が現れ、お守りが盗まれて…。

登場人物が多いせいか、かなりてんこ盛りな印象。がつんと芯になるものが感じられなかったです。過去の伝説の二人、先生と教え子の禁断の愛、妻と別れ村にやってきて記憶をなくした男、などなど、つながりはあるんだけど私には把握しきれなかった…。

笑いどころは結構あるのになんかテンポが悪く、気付くと笑うタイミングを逃してるっていう、もどかしさ。笑うならあと一秒前だった、もう次行っちゃったよみたいな。

美しい物語だし、美術も照明も素敵なのに、うーん、この記憶に残らない感じはなんだろな。パンチが足りない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年11月 | トップページ | 2009年1月 »