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カムヰヤッセン「レドモン」 2009/1/16 19:30

クロムファン、板倉チヒロファンといたしましては観逃せない作品。主宰の北川大輔さんはクロムの演出助手を何度もやっているとのことですし。最初楽日に行く予定だったけど、おもしろかった場合リピート出来ずに悔しい思いをしないようにと、まずは初日。二度観の予定で。

宇宙人レドモンと共存する未来。しかし人間とレドモンの交配は奇病を誘発することがわかり。レドモンの迫害、レドモンを匿う人間の追放が国家レベルで行なわれていた…。

チラシの裏の奇妙な文章を読んで、奇を衒ったおかしな作品じゃないといいなと心配したけど全くの杞憂。SFではあってもかなりストレートな人間ドラマ。

厚労省に勤め、迫害する側の人間・立川役に板倉さん。迫害する側なのに妻はレドモンで、息子までいる。息子にはレドモンの証拠である赤い尻尾が生えていて学校でいじめられたり。同僚が実はレドモンであったことがバレて追放されたりする中、自分もレドモンの家族がいることを目撃された立川は。

公然と差別される立場が設定される中での人間関係、家族、恋人、友人、同僚。愛の形や想いの深さを描いていきます。恥ずかしくなるくらいに熱い想いを抱いた人たちの温かい心。すっごく力が入ります、観てるこっちが。

この俳優陣の中では、失礼ながら板倉さんは客寄せパンダ的存在かと思っていました。だけどしっかり俳優としての魅力も引き出した上でいい味を出してます。前半、っていうかオープニングはかなりべたべたないつもの板倉さん。それがおとんという立場を見せてからは家族を守る大人の男に。ステキ。

やはり普段のクロムを観ている北川さんの演出だからここまで生き生きとした姿が見られたんでしょう。

かなり作品はどうあれ、彼さえ観られればっていう態度で臨んだのでバランスよく観ていたかは疑問なのに、それでも作品の味わいは十分楽しめた気がします。

舞台の使い方、照明など素晴らしいんです。舞台に斜めに引かれた一本の白線。この存在がすごい。たったこれだけであれだけのものを表しちゃうんだから。あの白線を思いついただけでこの作品は勝ち。

アゴラ劇場の線路の向こう側でこんな劇団が育っていたとはねぇ。北川さんの舞台上での迫力も23歳とは思えない圧迫感。駒場に大注目だな。

やっぱり2回観ておくことにしてよかった。初日でここまで行っていれば、後半はとっても楽しみ。

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