うずめ劇場「ねずみ狩り」 2009/1/29 15:00
福岡から東京に拠点を移して最初の公演らしいです。すごくチケットが売れてるようだったから気になって。全く情報もないまま。
オーストリアの作家が40年近く前に書いた作品をドイツ人演出で。どんな雰囲気なんだろ。
初めてのドライブで巨大ゴミ捨て場にやってきたまだ付き合う前の男と女。相手を知りたくて、知ろうとするあまりに二人が取った行動は、すべてを捨て去ることだった…。
脚本が内包してるモノはおもしろいかと思うけど、どうにも最初の設定が。。。なんていうか、タランティーノの映画みたいなキチガイドライブシーンから始まるのに、場面は日本のゴミ捨て場、しゃべる言葉は九州弁。うーん。身近でも遠くてもどちらでも受け入れられるけど、この中途半端さはとまどうばかり。
男も女も表層的に相手を知らないから、を繰り返す。女、夜中に二人で人気のないゴミ捨て場にドライブに来てて、ニューヨークの娼婦みたいな格好してて、なにカマトトぶって。男、相手を知りたい知りたいっていうけど引き合いに出すのは車。車のパーツのように女を部品に分解したいっていうような発言はどうなのよ。
お互いを受け入れるために持っているものをすべて捨てようとする。ポケットの中のもの、かばんの中のもの、お金、すべて。さらけ出そうと言う気持ちはわかるんだけど、そのやり方がどうにも物質的過ぎて薄っぺらく感じてしまう。そのやり方というか、ぽいぽい周りや舞台を汚す感じも、私は好きではないです。化粧品使ってぐちゃぐちゃしたりとか。
なんていうか、演出上とかテーマとか、必要性があって散らかしたり投げたり、っていうのは全然いいんですけど、むやみに奇を衒うような、こんなことまでしちゃうぞアピールみたいなやり方は受け入れられないんですよね。ネズミを撃つための銃の使い方も、客席に向けてパンパンやるのはなんかイヤ。音とかインパクトでびっくりさせたいのはありだけど、客狙わなくてもいいし。
その薄っぺらい感じをどうにか無視しようとして、がんばってたら、最後だけはどうにか受け入れられました。っていうか予想はしたけど奇抜だったからびっくりしたって感じだけど。俳優さんのがんばりを。
アフタートークで演出家と翻訳の方の話を伺いましたけど、自由度の高い脚本のようなので、翻訳の方の意図もずいぶん入っていたのではないかなあと思いました。方言を使ったこととか。見せ方によってはずいぶん違ったものになりそうな脚本には興味があります。そして4つのバージョンそれぞれ違う演出がなされているそうなので、違いは観てみたい気がしました。
セットの無機質なゴミとお月様はちょっといい感じでした。
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