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サンプル「伝記」 2009/1/17 18:30

サンプル、というか松井さんの作品にどこか苦手意識のある私。どこがどうダメ、とかじゃなく、何がいいのかわからなくなる感じが。

そんなわけで期待はしながらも気楽に向かった今回。

仕事後の定番で前半、かなり瞼が重い。

話は全く意味わからん。自分の父親の伝記を紹介しはじめた社長(古館寛治)。伝記の紹介に駆り出される社員(金子岳憲、石澤彩美、三橋良平)。その父親の愛人(羽場睦子)やその息子(吉田亮)が出てきて、いろいろかき乱されるが。

前半、かなり必死に話を追いました。挙げ句、起きていられなくなりました。

中盤、マダムK(申瑞季)がその場に存在することの意味を説きだした辺りから。俄然おもしろくなり。

ああ、話なんて、意味なんて、追いかけたからいけなかったんだ。これのおもしろさはそんなとこじゃない。

ストーリーはシュールでナンセンス。まるで寝ている間の夢のよう。夢だから、登場人物は、傍からみれば支離滅裂でおかしいけど、当の本人は一生懸命。狙いやネタじゃないから、余計におかしくなる。

そういう騙されてるんだかよくわからない、虚実の入り交じった中での、俳優さんの振り切れた演技が最高。

理屈はつけるけれども、やっぱりなんでこんなにおもしろかったのは理解不能。理解をあきらめたからおもしろいのか。脚本が、俳優が、その場自体が、といろいろ考えてはみてもなんか違う気がする、ピンと来ない。

おもしろいというコトバがまた足りないんだけど、笑えるという意味ではなく。感情の動かされ方が説明不能、といった感じ。笑えたり涙が出そうになったり、息が詰まったり。

松井周さんの頭の構造を覗いてみたくなりました。子供なんだか大人なんだかわからない、無邪気でありながら構造的。

うん、眠かった時間を取り戻しに行かなくちゃ。再チャレンジ。

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