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劇団掘出者「誰」 2009/2/16 19:30

不思議な空気を持つ劇団掘出者。おしゃれでスマートな印象が強いけど、じっくり思い返すと結構人間模様がおもしろいんだよな。

大学のサークル「まなざしの会」。お互いに話を聞き、見つめ合い、毎日メールをし、電話をする仲間たち。リスカ女、裸で走り回る男、DV男、など。メンバーの一人が大学外からの入会希望者を連れてきて…。

姉のストーカー(板橋駿谷)に追い回され、殺されそうになったり、自分の大学のサークルについてこられたりする男(澤田慎司)。まなざしの会に出入りするリスカ女(寺本綾乃)。前半、その辺りのサークルでの会話が本当にぞくぞくするほど、微妙なラインで異様。自分の話したいことを話し続け、話をさえぎられれば「殺すぞ」と威嚇してみたり。相手の言葉は、ニュアンスとか空気とかを読まず、すべて額面通り受け取ってしまったり。相手の愛想笑いを許容せず、何に対して笑ったのかどこまでも追求したり。

ある意味とても素直でストレートな反応でもあるだけに、そのちょっとしたズレやかみ合わなさにぞっとします。自分を受け入れてもらうためにはまずは相手を、と、相手をひたすら観察し、言葉に耳を傾け、すべてを受け入れようと努力する。だけどそれは会のルールに則って、という部分も含めかなり不自然なんです。だからいろいろと齟齬が生まれ、観ている側を不安にさせる。

努力でがんばっているからふっとしたところで爆発し、衝動で何かを起こしてしまう。それがリスカだったり服を脱ぐって行動だったり彼女への暴力だったり。不器用に人と交わろうとする様子がとてもおもしろい。

なんとか同じような人間同士で傷をなめ合い均衡を保っていたところに入ってきた異質な分子。守衛だったり、学外のサークル員だったり、そのあたりに目線が集まってきてから組織は壊れていきます。私はちょっとこの辺りのみせ方は物足りなかったな。同じ方向を向くことで、これまでひたすらに追求されてきた言葉や会話の中身が普通になっちゃった感じがして。変に会話が成り立っちゃったから、痛みや脆さを抱えた人がただのおかしな人に見えてきちゃったんです。よくあるよね、的な。

舞台と椅子席の間に挟まったベンチのせいか、なんだか舞台に距離を感じました。それも狙いなのかな。背を向けていることが多いのもややストレス。

いや、でも本当に前半の会話がすばらしかったです。キャラの作り方、人間関係、そのサークルの存在の必然性、その描き方がおもしろい。

次がまたどうなるのか、期待が高まってきます。

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