劇団うりんこ「ANIMAL FARM(アニマル ファーム)動物農場 」 2009/2/25 14:00
名古屋で30年以上も活動している劇団らしいです。基本、児童向け作品のようですが、今回はアゴラ初進出で大人向けの寓話。外部から作演出を招いて、っていうのも定番の形らしく、今回は文学座の高橋正徳さんの演出。
第二次大戦の頃に書かれた原作を基にして。虐待を繰り返す農場の主人にうんざりして抵抗を企てた家畜たち。さまざまな動物たちが崇高な理念を掲げて一致団結し、主人の追い出しに成功するが。いくら平等をうたっても集団というものの中にはヒエラルキーができ、指揮を執るもの従うものという構図ができあがってしまう。トップに立った豚たちは理念を破って暴走していき…。
農場を舞台にしながらも人間を皮肉ったかなりブラックなお話。
アゴラの舞台がこんなに狭く感じたのは初めて、ってくらいきっちりセットが組まれてました。両サイドには檻をあしらった足場が天井まで。いつもは高く感じる天井がずいぶん近い。そんなセットに人が入るともうギュウ詰めな圧迫感。その雑然とした感じがちょっとおもしろい。
お話の中身が、寓話として観るにはあまりにあからさまに人間社会の揶揄なのが少し胸焼けする感じだったかな。道徳の授業というか。直接的に教訓が伝わってくるとねぇ。観終わった後にそういえばこれって。。。っていうくらいの加減だったらいいのに。
ソ連の革命をなぞらえたお話らしいんですが、その辺よく知らない私には北朝鮮が思い浮かんじゃいました。万歳の場面とか。ああいう世界って言うのはこうやって作られていくんだなっていうのはぞっとしながらもなんか納得。
セットや小道具の使い方はおもしろかったです。舞台の壁や床は黒板のような素材になっているようで、チョークで文字や背景が書き込まれたり消されたり。リーダー豚が「動物主義」の七戒を定めてチョークで床に記していく。動物たちのほとんどは文字がわからないまま喝采。豚が暴走を始めた頃、読み書きを学んだ動物たちは七戒を確認しようとはするが、チョークの文字は消えていたり書き直されてたり。
リーダー豚が取引をする人間が、三輪車や子供の自動車に乗ってたりするのも滑稽でよかった。
ホームの劇場で、他の演出家で、など観てみたいな。
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