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2009年2月

2009年2月に観たもの。

1日(日)   シンクロ少女「めくるめくセックス」
3日(火)   空晴「引っ越しのススメ」
4日(水)   オリガト・プラスティコ「しとやかな獣」
       空晴リーディング「一番の誕生日!」
       劇団鹿殺し「ベルゼブブ兄弟」
6日(金)   コマツ企画「汝、隣人に声をかけよ」
7日(土)   あひるなんちゃら「フェブリー」
       スロウライダー「クロウズ」
8日(日)   東京タンバリン「静かな爆」
       むーとぴあ「この世界にはない音楽」
9日(月)   コマツ企画「汝、隣人に声をかけよ」
11日(水)  キラリ☆ふじみで創る芝居 「グランド・フィナーレ」
       五反田団「俺の宇宙船、」
12日(木)  MONO「床下のほら吹き男」
       コマツ企画「汝、隣人に声をかけよ」
13日(金)  FUKAIPRODUCE羽衣「Y.I」
14日(土)  劇団鹿殺し「ベルゼブブ兄弟」 
16日(月)  劇団掘出者「誰」
17日(火)  タカハ劇団「GOD NO NAME」 
19日(木)  中野成樹+フランケンズ「44マクベス」 
21日(土)  JINSEI. 「悠久のアフロでいて」
       三条会「ロミオとジュリエット」
22日(日)  あなざ事情団「豪華!三人姉妹 まつり」
       真心一座 身も心も「流れ姉妹 たつことかつこ ~獣たちの夜~」
25日(水)  劇団うりんこ「ANIMAL FARM(アニマル ファーム)動物農場」
       NODA・MAP「パイパー」
26日(木)  モダンスイマーズ「トワイライツ」
       角角ストロガのフ「人間園」
27日(金)  くろいぬパレード「春よ、来ない。」
       フェスティバル/トーキョー「カール・マルクス:資本論、第一巻」
28日(土)  ブラジル mini公演「ダイアナ」
        ブラジル mini公演「傷心旅行/いつまでもここにいる」

32本。多い。

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角角ストロガのフ「人間園」 2009/2/26 19:30

角角ストロガのフの王子進出。出演者の多彩さに唸る。こんな顔ぶれ、どのようなまとめるんだか。

入るなり、ああこういうセットね、と旗揚げ、番外を思い出しうなずき。高さをうまく利用して、上下左右真ん中にさまざまな場面が組まれてます。教室、職員室、産婦人科、などなど。

ストーリーは、うーん、よくわかんないけど、タイトルが言い得て妙。生きていく業のようなモノを軸にしてる感じがします。倫理の授業で、アダムとイブの罪と悪の話から、人間がしてはいけないこと3つ、人を食べること・殺人・近親相姦を挙げたり。そこをベースにクラスメートの強姦・自殺、教師主導のいじめ、母親の溺愛、不倫愛、監禁、名誉欲、などどろどろと並べていきます。

内容がてんこ盛りだから、正直把握しきれなくなったけど、それを乗り越える負のパワーで全く気が抜けませんでした。

とにかく変態だし狂人だし、なんだけど生真面目で真っすぐすぎるくらい真っすぐ。ベクトルは間違っていても迷いないパワーで生き抜いてるところがキモチワルくて好きです。

いじめの標的になる生徒役の犬塚征男さんのいじめられ役から抜け出ていく様子が迫力。いじめられる器じゃない目の光が。。。母娘二役の菊地奈緒さんの幅の広さもびっくり。どちらかというとしっかりした人役の印象があったから、はかなげな女子高生から息子溺愛のエキセントリック母まで演じちゃうとは。

そして私の今回の俳優さんで最大の収穫は先生役の立浪伸一さん。冒頭から尋常じゃないイッちゃった目。怖い。学校教育、教師であること、生徒というもの、理想を高く高く掲げ信じ抜き、追いかけていく。間違ってるのにすごい力で突っ走るのが快感でもあり、背筋が凍る怖さでもあり。それだけならただの狂信者で片付くのに、変なところで生徒に邪念を抱いちゃったりするから、人間であることを思い出させられてますます怖くなりました。

それにしてもこのパワフルさ、はじけ方は、これまでの手探り状態からちょっとこの方向で間違いないんだっていう手ごたえがでてきたって感じ?こぢんまりするよりずっと楽しくって好き。でも舞台の作り方にしても、食べることに対する固執にしてもちょっと似通った感じでカラーができてしまうのはもったいないかな。全然違う形も観てみたいような、このままのキモさで突っ走って欲しいような。。。

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劇団うりんこ「ANIMAL FARM(アニマル ファーム)動物農場 」 2009/2/25 14:00

名古屋で30年以上も活動している劇団らしいです。基本、児童向け作品のようですが、今回はアゴラ初進出で大人向けの寓話。外部から作演出を招いて、っていうのも定番の形らしく、今回は文学座の高橋正徳さんの演出。

第二次大戦の頃に書かれた原作を基にして。虐待を繰り返す農場の主人にうんざりして抵抗を企てた家畜たち。さまざまな動物たちが崇高な理念を掲げて一致団結し、主人の追い出しに成功するが。いくら平等をうたっても集団というものの中にはヒエラルキーができ、指揮を執るもの従うものという構図ができあがってしまう。トップに立った豚たちは理念を破って暴走していき…。

農場を舞台にしながらも人間を皮肉ったかなりブラックなお話。

アゴラの舞台がこんなに狭く感じたのは初めて、ってくらいきっちりセットが組まれてました。両サイドには檻をあしらった足場が天井まで。いつもは高く感じる天井がずいぶん近い。そんなセットに人が入るともうギュウ詰めな圧迫感。その雑然とした感じがちょっとおもしろい。

お話の中身が、寓話として観るにはあまりにあからさまに人間社会の揶揄なのが少し胸焼けする感じだったかな。道徳の授業というか。直接的に教訓が伝わってくるとねぇ。観終わった後にそういえばこれって。。。っていうくらいの加減だったらいいのに。

ソ連の革命をなぞらえたお話らしいんですが、その辺よく知らない私には北朝鮮が思い浮かんじゃいました。万歳の場面とか。ああいう世界って言うのはこうやって作られていくんだなっていうのはぞっとしながらもなんか納得。

セットや小道具の使い方はおもしろかったです。舞台の壁や床は黒板のような素材になっているようで、チョークで文字や背景が書き込まれたり消されたり。リーダー豚が「動物主義」の七戒を定めてチョークで床に記していく。動物たちのほとんどは文字がわからないまま喝采。豚が暴走を始めた頃、読み書きを学んだ動物たちは七戒を確認しようとはするが、チョークの文字は消えていたり書き直されてたり。

リーダー豚が取引をする人間が、三輪車や子供の自動車に乗ってたりするのも滑稽でよかった。

ホームの劇場で、他の演出家で、など観てみたいな。

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「少年メリケンサック」 2009.2.16 15:40

マチネが何にもなかったから、たまには映画。

やっぱり邦画になっちゃうのはなぜなんでしょう。字幕読むのは疲れちゃうんです。吹き替え大好きです。いや、外国人が日本語をしゃべってても違和感を感じないって言う意味で。でもテレビでやってるみたいな○○洋画劇場の吹き替えは気持ち悪くてぶるっとしますが。

現代口語吹き替えとかやってみたらどう?

ともかく、クドカンの最新作を。

宮崎あおい超萌え。かわいすぎる。こんな子に誘われたら、何をさておいてもついていくでしょ。

でもそれ以外ちょっと微妙でした。普通におもしろいはおもしろいけど。クドカンワールドだから。出てくる俳優さんは素敵だけど、バンド自体にカリスマ的な力を感じなかった。その辺にたくさんいるパンクバンドと何が違うの?

あの年代ががんばってるから素敵って言うならそれもいいけど、それを見せたいなら宮崎あおいがいるのは損。彼女だけですべてもってっちゃうから。

これならDVDで十分でしたわ。

俺様キャラを演じる田辺誠一と、三宅マンは素敵でした。

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FUKAI PRODUCE 羽衣「Y.I」 2009.2.13 20:00

行きたかったのはもちろんなんだけど、日程が狂ってしまい、某K企画をもう一回観るか、こちらをとるかさんざんさんざん、迷い続け、逡巡してこっちにしました。昨年のEKKYO-!!で観たっきりだったけど、それがゴールデン街劇場で濃密になったら、っていう魅力に抗えず。!私にしては珍しく当日券チャレンジで、ドキドキしながら。

よかった、入れました。すごい密度でしたけど。

作演出の糸井幸之介さんの私演劇のような様相をとりながら。湖で見かけた、聞こえなかったカップルの会話。役者へのダメだし。芝居の帰りによる果物屋の店員との恋。

どこを切り取ってもわりとキモイ。だけどものすごい生命賛歌っていうエネルギーがあるんです。うー、わからない。わからないのにすごくいい。

わりと同じフレーズが繰り返され、歌も繰り返される。それがとっても心地よい。どんぴしゃ共感まではいかなくても、なんかわかるよね、その痛み、わかるわかる、ってのがどんどん増大していくって感覚。

寂しくってたまらない、っていう心をくすぐる絶妙な歌詞。

よくわからない力で明日からちゃんと生きていきたいって思わせる。なんだろなぁ。すごくわからない。涙がちょちょぎれる切ない迫力。明るく明るく、生きてるっていいなと思わせるって不思議。舞台の雰囲気は決してそんなんじゃないのに。

このサイズだからなのかしら、とも思うけど、また次も大きく期待して行きます。迷ったけどこれはほんとに観ておいてよかった。

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劇団掘出者「誰」 2009/2/16 19:30

不思議な空気を持つ劇団掘出者。おしゃれでスマートな印象が強いけど、じっくり思い返すと結構人間模様がおもしろいんだよな。

大学のサークル「まなざしの会」。お互いに話を聞き、見つめ合い、毎日メールをし、電話をする仲間たち。リスカ女、裸で走り回る男、DV男、など。メンバーの一人が大学外からの入会希望者を連れてきて…。

姉のストーカー(板橋駿谷)に追い回され、殺されそうになったり、自分の大学のサークルについてこられたりする男(澤田慎司)。まなざしの会に出入りするリスカ女(寺本綾乃)。前半、その辺りのサークルでの会話が本当にぞくぞくするほど、微妙なラインで異様。自分の話したいことを話し続け、話をさえぎられれば「殺すぞ」と威嚇してみたり。相手の言葉は、ニュアンスとか空気とかを読まず、すべて額面通り受け取ってしまったり。相手の愛想笑いを許容せず、何に対して笑ったのかどこまでも追求したり。

ある意味とても素直でストレートな反応でもあるだけに、そのちょっとしたズレやかみ合わなさにぞっとします。自分を受け入れてもらうためにはまずは相手を、と、相手をひたすら観察し、言葉に耳を傾け、すべてを受け入れようと努力する。だけどそれは会のルールに則って、という部分も含めかなり不自然なんです。だからいろいろと齟齬が生まれ、観ている側を不安にさせる。

努力でがんばっているからふっとしたところで爆発し、衝動で何かを起こしてしまう。それがリスカだったり服を脱ぐって行動だったり彼女への暴力だったり。不器用に人と交わろうとする様子がとてもおもしろい。

なんとか同じような人間同士で傷をなめ合い均衡を保っていたところに入ってきた異質な分子。守衛だったり、学外のサークル員だったり、そのあたりに目線が集まってきてから組織は壊れていきます。私はちょっとこの辺りのみせ方は物足りなかったな。同じ方向を向くことで、これまでひたすらに追求されてきた言葉や会話の中身が普通になっちゃった感じがして。変に会話が成り立っちゃったから、痛みや脆さを抱えた人がただのおかしな人に見えてきちゃったんです。よくあるよね、的な。

舞台と椅子席の間に挟まったベンチのせいか、なんだか舞台に距離を感じました。それも狙いなのかな。背を向けていることが多いのもややストレス。

いや、でも本当に前半の会話がすばらしかったです。キャラの作り方、人間関係、そのサークルの存在の必然性、その描き方がおもしろい。

次がまたどうなるのか、期待が高まってきます。

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劇団鹿殺し「ベルゼブブ兄弟」② 2009/2/14 19:30

バレンタインとか全く気付かずチケット取ってました。もうちょっと気にはしとくべきだな。何をするでもなくても。

鹿らしさは好きなんだけど、二回観なくてもよかったかな、ってのが正直な感想。損したまでは思わないんだけど。。。

むしろ少しわからないくらいの方が満足したかも。

理詰めでいってしまうと粗が見えてくる。キレイにまとめたい部分とまとめきりたくない流れと。そこも魅力なんだけど。今回は力で押し切られる所より、あれって気になる部分が勝ってしまった感じ。

初日と比べて圧倒されるところがあんまり感じられなかったのも残念。

今日は妙にコバケンさんが弱っちく見えてしまいました。満足できたのは今奈良さんだけ。うーん、消化不良。

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コマツ企画「汝、隣人に声をかけよ」ドゲスバージョン② 2009/2/12 19:30

ドゲスバージョン2回目です。ドゲスの千秋楽。移動の電車内でも気味悪く笑いながら。

ものすごくもったいぶって語りたいところですが、どうにも我慢できないので簡潔に述べさせていただくと、楽しすぎ、大満足。

まず、作品として。本当に種々様々なシチュエーションが並んでいるので、その日その時でいろいろな感情が沸き起こってくる。これって実はすごいんじゃないかと思います、リピート好きの私としては。同じ場面でのその日の感じ方の違いはある。けど、観るたびいろいろな場面で心動かされるっていうのはそこら中に仕込みがされてるってこと。たいてい好きな場面とか印象に残る場面っていうのは回数を経れば絞られてくのに、この作品は逆に広がる感じがします。各場面が大切にされてるから、完成度が高まるにつれ浮かび上がってくる気持ちがいろいろで。

今日の私のポイントは、障害者施設の新入りボランティア・アズマヤ(東谷英人)と障害者の姉(横山真弓)の会話。自閉症の弟はいじめられっ子とかを確実に見抜くっていう、それが怖くて。アズマヤの表情はビデオ撮影でアップにされてもそのキョドり具合がなかなか。

冒頭のボーイズバー、ボーイの本井博之さんと客の平間美貴さんの視線のあわせなさ具合というか、話の進まなさ具合が、おかしい。つい脱いだ本井さんを見ちゃいがちだけどその場の不穏な空気が居心地悪くて好き。

数々のシーンのつながりもスムーズにおもしろくなってきている気がします。全体がわかっているせいかもしれないんですが。

ドゲス的見地から。名場面が脳裏に焼き付いてますheart04本井さんのむっちりした体、こまつさんの二プレス、変態市会議員カワシマの及び腰、ついにはダイちゃんまでパンツ姿。思い出し笑いをくりかえしちゃう。

そして。。。強く強く願えば思いは叶うものだhappy01一糸纏わぬ板倉チヒロさん。歓声が上がってました。私かbleah美しい上半身と、ご立派な下半身にメロメロです。ギリシャ彫刻風に飾っておきたい。作品の中では女の敵、エゲツない男の役だったけど、裸で女に襲い掛かる目の虚ろさとかすっごく怖かった。猟奇的に狂った男、その迫力が裸になったことでよりリアルになってて。ともあれ、ごちそうさまでした。嬉しい。

テレビ観ながらこれ書いてたら、浦井さんの声がしてびっくり。あ、「いぬのきもち」のCMだ!舞台上とのキャラの違いにとまどうなぁ。

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コマツ企画「汝、隣人に声をかけよ」ドゲスバージョン 2009/2/9 19:30

やっとドゲスバージョン開幕。一日中にこにこ、いやニヤニヤ過ごしました。よだれ垂れてなかったか心配。

裸体裸体lovelyってだけじゃなくって、作品としても何が違うんだか。あれだけ抑えに抑えたノーマルバージョンと大筋変わらずにドゲスにできるのか。

オープニングの怖さは変わらず、ぞわっとした後、ボーイズバーの店員役・本井博之さん登場。ありがとうございまーっすsmile凝視。…したいけどちょっと遠慮しつつ。

ボーイズバーに通う女、都市伝説の深夜の全裸男、浮気をする年下の彼、変態市会議員。話と関わってるようで本筋を変えない、巧みな技でドゲスに。チラ見せだったり大胆見せだったり、くすぐられるわぁ。

何がいいって、笑うことで緩むこと。普通バージョンの緊迫感も魅力だったけど、緩んでふわっと受け取ることで同じ内容がとってもやわらかく感じちゃう。同じようにやってるだろう演技も台詞も。

本日のじわじわと効いてきた場面。ユーリくん(森田祐吏)がまた友達殴っちゃって市会議員カワシマ(川島潤哉)に理由を尋ねられるとこ。「目を見て頼まれたから」。頼まれたらなんでもやるんかっていう質問が意味を成さないほど強力な、目を合わせるということ。当たり前のようで当たり前じゃないんだな。重い。

一方で私が大好きな場面は自閉症のダイちゃん(浦井大輔)がボランティアのリョウコさん(奥野亮子)に、レンアイやイロコイじゃないんだよなぁってつぶやきながら、トモダチとして手をつないでって言う場面。自閉症だから絶対に目は合わせない、合わせられない。だけど最大限の力で伝えようとする言葉。伝わってるよ、十分。

最後の、みんなで「思い出のアルバム」をうたう場面。心が柔らかくなってたからか、俳優さんの表情がすっごく優しく見える。こんな歌を仲良く歌うなんていう最上級の恥ずかしいことを、あんなドゲスな場面を見せた後でやっちゃうんだから、演劇ってすごい。ちょっとは照れてよ、って言いたくなる。

こうなるとやっぱり普通バージョンを確認したくなっちゃう、いろいろと。いや、ドゲスバージョンも見のがした部分がないか確認したいけど。

板倉氏の上半身が見られなかったのが心残りです。

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むーとぴあ「この世界にはない音楽」 2009/2/8 19:00

終わった後にも思い出し泣きが止まらないよぉ。ヤバい。

この立て込んだ時期に旗揚げのユニット、すごく迷ったけどほさかようさんのこのホンがすごく好きなのと、澤田育子さん好きなので行くことにしました。

死にたい人間と契約して魂を抜く悪魔。でも人がよすぎる悪魔はいつも生きる元気を与えてしまい、契約取れずじまい。ついに今回契約が取れなかったら二度と人間界に降りられないっていう試練が。自分では奏でられない音楽を人間界に行って聞くのが楽しみな悪魔は、この仕事を続けようと必死に契約を取りに行くんだけど…。

西川浩幸さん演じる死にたがってる作曲家に出会った武藤晃子さん演じる悪魔。この悪魔がなんともいえずキュートlovely一生懸命でマジメで素直で。どんな状況になっても相手を思いやり、悪魔から見たらちっぽけな人間の最後の願いをどうにかして叶えてあげようと躍起になってる。恐ろしい悪魔のはずなのにかわいくてかわいくて、つい一緒になってハラハラドキドキしちゃってる。

好きなお話だけに化け方は心配だったけど、武藤さんの悪魔だけでぶっ飛ばされました。脚本の優しさと武藤さんの雰囲気がぴったり。

そんな悪魔を見守り、厳しいことを言いながらもちゃんと助けようとする悪魔の上司役の澤田育子さん、やっぱりぴりっとかっこいい。

無邪気にくるくると表情を変える悪魔に最後はぽろぽろ涙が出ちゃいました。カーテンコールで素に戻ってるのに、西川さんが武藤さんに「悪魔っていうより天使だよ」なんて静かに言うのを聞いたらまたぽろぽろ。いや、もう世界戻ってるから、って自分に言い聞かせても。

泣きながらだけど幸せな気分で帰りました。

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東京タンバリン「静かな爆」 2009/2/8 14:00

今月の小劇場界はどうかしてると思います。楽しみな作品が目白押し。もうちょっと分散してくれないとなぁ。しかも実際観るとどれもちゃんとおもしろいんだもの。リピートしたくなっても時間がありゃしない。悔しい。

夏からずっと楽しみだったタンバリン。高井浩子さんの書くお話が大好きです。心の襞に分け入って来てちくちく刺されて痛いんだけど、ちょっと快感でもあるような。優しく冷静な目線。

また今回も舞台がすごいことに。駅前劇場ってこんなに広かったっけ?っていう不思議な形。まわりに釣り下げられた金属の筒。???何が起こるんだろう?

編集社にイラストやデザインの仕事で新しい女の子がやってくる。彼女は耳が聞こえない。会社の人たちは面倒だからと話すのを避けたり、かわいいからとデートに誘ったり、可哀相だからと仲間に入れようとしてみたり。会社に出入りするカメラマン・五十嵐は無駄話ができないから、とあからさまに仲間外れにする。話し好きだという五十嵐だけど家では妻の話はろくに聞かず、夫婦の会話は成り立たない。淋しく思う妻はブログやバイトを始めて、夫以外とコミュニケーションを取り始めて…。

コミュニケーションをテーマに。コマツ企画とカブってる。同じ時期で不思議。テーマが似てても映し出される世界がこれだけ違うっていうのも不思議でおもしろい。

話をする、コミュニケーションを取るってなんなのか考えちゃいます。言葉は万能じゃないし、言葉にしたからってすべてが伝わるわけじゃない。けど言葉が奪われたら。。。話しなんかしなくてもわかりあえるかもしれないし、そうだったらいいなって思うけど。全員がその状態なら全員で努力ができるけど、もし自分だけがコミュニケーションのツールを持っていなかったら。。。

耳の聞こえない聡美(大田景子)、音はなくても言葉は持ってるし、普通の感覚も持っている。決して際立って優しくもないしピュアでもない。なのに障害があるというだけで特別視。普通に関わる、ってなんだろう。そんな疑問に対して、次々とサンプルを見せられてるような。これも違う、あれも違和感。

一方で言葉が通じる同士での成り立たない会話も見せる。自分の言いたい事を言っているだけ。そういえばこんな感じで毎日って出来上がってるよね、みたいな気分になる。じゃあ会話ってなんなんだろ。

聡美側から見た世界がちょこちょこ挟み込まれるのがおもしろい。音がないってだけ、それだけで大きく違うけど、一緒でもある。 細かい話はわからなくても場の空気やニュアンスでいろいろ感じる。聡美の不安そうな表情や怒った顔がすごくいい。

五十嵐の家庭の絵。妻のブログって言うのもすごく現代的で。こういうふうにブログを書いてる立場で考えると、やっぱりブログ上のコミュニケーションていうのはリアルでもありバーチャルでもある。演じることはできるけど生活も見え隠れしてしまう。それでも外とつながろうとする妻の姿とうっとうしがる夫、傍から見ると悲しい。

瓜生和成さん演じる五十嵐、いかにもな仕事人間父さんぶりが痛い。無駄話が好きだ、それができない奴とは関わりたくないとあからさまに言い、聞こえなくてもそういう雰囲気は伝わるから聡美に睨まれる。そうすると自分は嫌われちゃって、と嫌われた理由は棚に上げて。そういう言動でウザがられるけど本人は気付かず。うちに帰れば威張り散らし、話好きがどこに言っちゃったと言うくらいに黙り妻の話を聞かず。あああぁ、勝手。

なのに瓜生さんだとなんだか憎みきれないんだよな。彼のおかげで毒が薄まるから、変に感情移入せず全体をバランスよく楽しめた気がします。

ごちゃごちゃといろいろ考えたけど、考えながらも作品から離れず引き込まれたのがまた不思議。脚本に負けずに演出がおもしろいから。今回は音の使い方がすごい。石を踏む音、金属の筒を叩く音、マイクを通した声、次々と投げつける台詞、そして無音。うん、すごい。

作品としての完成度がとっても高いんでしょうね。お話と演出と演技と、どれもがおもしろい。笑ったり悲しくなったり納得したり、ぐるぐる自分の中をかき回されるような、変な感じ。単に笑ったり感動したりもおもしろいけど、違う形で突きつけられたおもしろさ。振り返るとこのタイトルにさえ、深く深くうなずいてしまう。大満足。

あーあ、じっくりとまた観たいのに。時間が足りない。

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スロウライダー「クロウズ」 2009/2/7 19:30

スロウライダー最終公演。解散の理由は語られてないみたいですが、一つの形が終わるってのは淋しいな。

感染するとゾンビになり、防腐剤を打ち続ければ不死になる、という病気の蔓延から一年。日本本土では防腐剤の処方が禁じられてほぼ鎮圧できたが、ある島では一人の女医が防腐剤を作り続け、クロウと呼ばれるゾンビ達と共存していた。島の観光業者と県の職員が連携して女医の保護とクロウの制圧にあたるが…。

開始10分でもう釘づけ。うまいなぁ。今日は眠くなりそうだなあってヒヤヒヤしてたのが嘘のように、完全に物語世界へ。思わず声が出そうになるくらい恐かった。

人間として生きる、生きるってのはそういうことだっていうある意味人間であるエゴと、ゾンビになってもまだ「生きている状態」とするけど、不死の辛さも自覚した謙虚さ。どっちも痛々しい。人間として突然ウイルスに感染する。発症前ならまだ普通に死ねる。けど死んだら何もかも終わり。ゾンビとして生きれば、制限はあっても生きていられる。究極の選択。

人の肉を食らえば楽に生き延びることができるクロウが、防腐剤を失った時にもあえて食べずに滅びていく様子は本当に怖い。むしろ人の肉を食べてでも、って思うほうが安心できてしまう。

人格者のクロウの代表を演じた池田ヒロユキさん、一言の重みがすごい。それでも人間臭さを持ち合わせてしまう悲哀が切なくなります。

とにかく最後までぎゅいんとお話につかまれてしまい、ぞくぞくしながらすごすことができました。

でも終わってみるとスロウライダーらしからぬ親切でストレートな作品だったな、と。おもしろさに引き込まれはしたけど、ストーリー頼みっていうのか、残る感触が違うような。。。お話の見せかたは魅力的だったけど、話が怖かっただけで生の迫力で怖がれなかったってことなのかな?これなら映画かなんかにしたほうがいいのかも。なんていうか、もっと割り切れない感情というか、もやもやした気持ち悪さがほしかった。

難しけりゃ難しいで眠くなるし、単純にわかりやすけりゃ物足りないし、って文句ばっかりだけどcatface

スロウライダーだからこその期待だったんだと思います。大人なまとまり感は初日のせいなのかもしれません。もっともっとぞぞっとするといいな。

今後どのような形で劇団員の方々が活躍するのかわかりませんが、どこかで観られるのを楽しみにしたいです。

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あひるなんちゃら「フェブリー」 2009/2/7 15:00

クロムの金沢涼恵さんやelePHANTMoonの永山智啓さんやパラドックス定数の小野ゆたかさんや乞局の墨井鯨子さんやチーム下剋上の篠本美帆さんやヨシロォ…の異儀田夏葉さん、私の大好きな俳優さんだらけ。70分に閉じ込めちゃうのがもったいないくらい。その贅沢があひるなんちゃらですけど。

東京行きのフェリーに乗り合わせた人々。「愛している」が口癖の男、パンクバンドを追っかけする女の子3人組、究極のカカオについて調べてまわるパティシエとその弟子、卒業旅行の二人、行き先を間違えて乗ってしまった男。ぐだぐだと言葉を交わしていく。

やー、おもしろかった。会話は成り立ってても意志は通ってなかったり、もんやりだけど、今回は笑える。言葉の端々のちょろっとしたツッコミが冴えまくり。

小野さんがまさかこんな変な人をやるとは。パラドックス定数のイメージが強すぎて、おかしなこと言ってるのに説得力ありすぎ。

金沢さん墨井さん黒岩三佳さんの追っかけ女子が好き。メイクと衣裳かわいい。適当に場を仕切る墨井さんに迎合する金沢さん、なんだかいつも虐げられちゃう黒岩さん。バランスいいわぁ。仲いいようで全然噛み合ってない。

永山さんのキャラが最高。愛しているって言いまくりのイケメン。ちゃんと本当の恋に出会うんだけど…。なんだかおいしすぎです。

あー楽しかった。作演出の関村俊介さんが出てなかったのは淋しかったけど。

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コマツ企画「汝、隣人に声をかけよ」 2009/2/6 19:30

初日、待ち焦がれてました。あんな怪物劇団員に、若手からベテランまで網羅した客演の方々。そして静かに会話を楽しむ演劇、という新境地。絶対立ち会わなきゃ。

意外にも対面舞台。どこに座るかすっごく迷って手前側に。でもこれはどこに座ってもハズレはなさそう。どこに座っても誰かの顔は見えないのはしかたない。

筋というものはあってないよう、ものすごく説明しづらい。すすきののボーイズバーに出入りする女たち、障害者施設のボランティアと職員と障害者とその家族、よくおしゃべりするご近所の主婦仲間やその子供、ゴミ屋敷に住む老人とその面倒を見る市会議員、宗教に勧誘する人、全く脈絡のないように見える人たちが大勢出てきて、いろいろな局面で関わって、コミュニケーションをとろうとしてみる、そんなお話。

どっしりしたオープニング、全員登場での冷たい雰囲気にぞぞっと鳥肌が立ちました。怖い。なんだか得体の知れない怖さ。名前を呼ばれて振り向いて、でも誰もいない。

始まってしばらくは登場人物が多いこともあるし、コマツらしくない雰囲気もあって、かなりとっつきにくい。あれ、これで大丈夫なのかなって心配になるくらい。実験が実験に終わっちゃうんじゃない?っていう。

ひんやりとした空気を保ちながら場面が進むにつれ、怖さと優しさがないまぜになり、観ながらしかめっ面になったり笑ったり、忙しい。音響のせいもあり、基本怖い。なのになんだかどこだか共感してしまってるのか、懐かしくなるような身につまされるような、変な感触に襲われるんです。

そして後半になって多くの登場人物がちゃんと収束されていく。これが見事。不安定にゆっさゆっさ揺らしておいてちゃんと着地点が用意されて、温かく包まれる。涙もろくなっちゃって、泣いちゃった。

中盤の全員登場でぐるぐる回りながらの独白シーンは、ほんとぞくぞくしました。リアルに聞こえてしまうような切実な感じの台詞を、本井博之さん、川島潤哉さん、浦井大輔さんにしゃべらせ、ほかの人たちはひたすらぐるぐる回る。アイマスクをした板倉チヒロさんを突き飛ばしながら。円に出たり入ったりしながら。生きてるってこんなもんかぁなんて。

オープニングと中盤の全員シーンがあるから最後の全員のシーンがじんわりと素晴らしいんです。それぞれ別の歌を歌い、平行線を描いているように見えて、きゅっと円になってみんなが同じ歌を歌う瞬間がある。愛だなぁ。

表情とか仕草とかを極力抑えた状態だから怖かったんだろうけど、だからそこに浮かび上がって来る感情とか、生き様とか、しっかり伝わってきたんじゃないかと思いました。

映像の使い方もすごくよかったです。文字は追うのがちょっと大変だったけど。舞台上で実際撮っている映像がそこに映し出されるんだけど、生で目で観るその目の色と、映像で観る目の表情がずいぶん違ってみるシーンがあって、またそれも怖かった。板倉チヒロさん演じる若い男に裏切られる主婦、こまつみちるさんの顔、特に。

作演出のこまつみちるさんというひとは本当にすごい方だと思いました。変な言い方をすると遺作のつもり?!ってくらいのエネルギーとメッセージを感じたのに、普通に一作品、らしい。すごい。

終わってすぐにその場でパーティー。隣の人と話しなさいというコンセプトが一貫しててうれしくなる。その告知をする本井さんとこまつさん、まるで「結婚しました」って報告してるような素敵な笑顔だったのが印象的。

俳優さんたち、弾けたいのに抑えてる部分をドゲスバージョンでは発揮するのかな?そっちもわくわく。存分に脱いでほしい。何が起きても引きませんからlovely

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劇団鹿殺し「ベルゼブブ兄弟」 2009/2/4 19:30

早く観たくてたまらず初日へ。鹿殺しに赤坂って街は似合わないけどbleah

鹿殺しの先行は最前列の1番から順に売るみたいです。何度か買って知りました。だから時間と同時に買ってしまうと最前列の端っこになってしまうのです。今回はそれを注意して5分か10分経ってから買ってみました。見事に狙いは当たりました。一応センター。

でも、なぁんか上手側のほうが観安そうに思えたな。

旧家の座敷のような舞台。結構作りこんであります。

隆志、隆子、正隆、正弘の羽根田家4兄弟。上2人と下2人は腹違いではあるけど兄弟独特の絆を感じながら生きてきた。隆志(小林健一)は父の正造(今奈良孝行)と折り合いが悪く、子供の頃は蔵で折檻を加えられたりしていたが、大人になるとミュージシャンの夢を諦めて父の会社で働く。隆子(菜月チョビ)は喘息もちのド近眼で家の中でこもりがち。正隆(丸尾丸一郎)は大きくなって家を捨て東京でミュージシャンを目指している。正弘(山岸門人)は作家を目指して執筆中。父が亡くなったことで十数年ぶりに集まった兄弟たちだったが、過去の様々なわだかまりが爆発して、通夜に集まった人たちを巻き込み殺し合いを始め…。

とんでもなく血塗ろで暗ーい話。だけどちょこちょこと笑いがあったり、優しさがあったり。田舎の町のホラーなんだけどパンクで愛嬌がある。

複雑な家族関係とかその中でのお互いへの思いとか、血の通った温かさを持っているのに、表面素直になれずにぎすぎすし、殺し合いにまで発展する。思いは繊細なのに行動は一直線で激しい。そのふり幅、さじ加減にぶれないどっしりとした軸のようなものが感じられ、ああ、鹿殺しだなあと体に沁み入ってきます。

生きることの生々しさと、虚構だからこそのお祭り騒ぎが絡み合って根を生やしてる。

配役はすべて本読みをしながらしっくりくるところを探したってことでしたが、ほんとに絶妙な兄弟。誰が誰でも成り立つとはアフターイベントで言ってたけど、いや、これがパーフェクトなように思えました。

一番お兄さん役のコバケンさん。動物電気での家族モノと大きく違う陰のある激しい役柄。ぶっとんでいながらもお兄さんとしての貫禄というかリーダーシップのようなものがある。こんなにフザけないコバケンさんが観られるなんてちょっとびっくり。

唯一の女の子のチョビさん。いつもの鹿殺しだとチョビさんをフィーチャーしてる雰囲気が大きいけど、今回はどちらかといえば上と下に挟まれた裏方側。でもそれだからこその存在感がよかった。

独白の多い正隆・丸尾丸さん。実際は長男に生まれたのに色々な都合で次男になり、気弱だけど家を飛び出したりっていうやんちゃができる、でもうじうじ悩んで挙句爆発するっていうすごーく微妙な色合いがしっかり出てた。

末っ子の山岸門人さん。いかにもふがいない甘えんぼな感じがキュートで母性本能をくすぐる。

お父さん役の今奈良孝行さんが最高です。ベストお父ちゃん賞。かっこよすぎ。

クロムモリブデンの森下亮さんが意外にもおまわりさんやらマダンナやら、で変身しまくり。クロムじゃ観られん姿です。ちょっと去年のペガモ星人ちっく。マダンナがやたらときれいでどぎまぎしました。

お話、最後がちょっぴり腑に落ちない部分がありましたけど、どうなのかな。

チョビさんの台詞トチリがあったり、犬の鎖が柵に絡まったり、雪を降らす手が丸見えだったり、初日っぽくて楽しかった。

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高山植物園「天の空一つに見える」 2009/1/31 19:00

ふわぁ、重たい。観終わって残るモノがひどく重い。なんだろ、この感じ。

高山植物園、4年ぶりの公演ということで私は初めて。主宰の高山さなえさんて、プロフィールみても生き方がおもしろいし、チラシや当日パンフでの母親の取り上げ方もなんだかおもしろい。かなり興味がわく。

地域で開いている女相撲の道場で。親方の奥さんが亡くなり、四十九日が済んだところで道場は再開。地域の奥さんたちが毎週楽しみに集まってきてるけど、奥さんを失った親方の心の傷は思いのほか深く、再開した道場を閉めたいと言い出す。そこで出てきたそれぞれの感情は。。。

前半のほのぼの感がどうも私にはうそ臭さに見えてしまい、ちょっとついていけるのかげんなり。

私のネックは方言でした。いや、すべて標準語でっていいたいわけじゃなく、自分の身体にしみ込んだ言葉じゃないとしっくりくるまでに手間取ってしまうってこと。なじみのある方言ならばそれに越したことはない。作る側も観る側も。だから地域で作るなら絶対そこでの言葉。だけど、東京でことさらそこの出身地でない俳優が話す方言はどうしても辛い。上手い下手ってだけじゃないフィット感がないと。

親近感を出すために田舎娘を使ったAVとかあるらしいけど、素朴さは出せてもそれで萌えるかって言ったらそうでもないらしいですよね。関西弁を話す女の子をかわいいとは思っても関西弁で喘がれたらちょっと引く、みたいな。そんな感覚なのかしら。いや、なんか例えがおかしいけど。

聞き取る言葉の意味と、そこに込められる気持ちが私の中で乖離するから、変にわざとらしく思えてしまう。それが前半辛くて集中できず。

が、道場に通う女とその夫が取り組みをするあたりから、言葉に頼らないむき出しの思いを感じられるようになり、そこからは目の覚める思い。

多少言葉に過ぎると思う場面もあったけど、それを超えるなんだかわからない迫力が押し寄せてきました。女とは、生きるとは、かなり壮大なことまで触れてたようでしたけど、なんかその中身はどうでもいいような。佇まい、動き、言葉の発し方、土俵での取り組み、縄跳び、フラフープ。。。決して客席に向かって放たれてるんじゃない、その表現にすごいエネルギーを感じてしまったんです。

観てる間は圧倒されるばかり。で、その後すごくひりひり痛い。心をざらざらとこすられたような。何を考えたらいいのかもよくわからないのに、考えなきゃいけないような気分にさせられて、いやな感じじゃないけどすごく重たいものを背中に乗せられた気分。

言葉に反応したわけじゃないから、言葉で表せるモノではないんです。作者の情念と言うか圧力と言うか、その感触がすごくおもしろかったです。

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