« 箱庭円舞曲「メガネに騙された」 2009/3/1 18:30 | トップページ | フェスティバル/トーキョー「カール・マルクス:資本論、第一巻」 2009/2/27 19:30 »

くろいぬパレード「春よ、来ない。」 2009/2/27 14:00

出かけようとしたら雪でびっくり。まさに春、来ない。電車が止まってなくてよかった。

田舎の漁村の物語。船長の父(小林至)と次男(岩渕敏司)で漁に出、妹(田辺千香)が家事をしている、代々漁師を営む家族。長男・さかな(長谷川恵一郎)は漁師になろうとせず市会議員に出ようと画策中。漁師のなり手がないため都会からの派遣社員を漁師として募集したり、と努力はするけど漁業を建て直すメドはたたず。漁業をやめようとする父、他に生きる道はなく荒れる次男、家族のことは気にしながらも市の有力者と婚約し、影では浮気をしたりしながらなんとか金と権力を握ろうとする長男。狭い漁港の町の人間模様が描かれます。

長男さかなを中心に意外にしんみりと、じっくりと。さかなのどこまでも中途半端な感じに長谷川さんがぴったりはまってて。どうしようもないのになんだか本気では憎めない、っていう加減がうまい。だから30過ぎた男の兄弟喧嘩も笑えるし、うっかりほだされてヨリを戻しちゃう元カノの心理も納得だし、尻拭いにお金を払いながらうまく操ってやろうとする金持ちの気持ちもわかる。

もったいなかったのは父の描き方。頑固一徹な海の男のはずなんでしょうが。。。断るはずの派遣さんも結局受け入れちゃうし、廃業するっていいながらしないし、あっけなく死んじゃうし。優しすぎて悩んでる次元が息子たちと同列になっちゃってる。もうちょい古き良き、みたいな部分をがつんとシメてくれたら、揺れる子供たちが引き立ったんじゃないかな。

江戸川卍丸さんのきょとん顔がおもしろかったな。

廃船の使い方、よかったです。見えないからそそられるし。「誰でも考えることは一緒だな」って、そりゃあね、誰にも使われてない船が停まってれば…

|

« 箱庭円舞曲「メガネに騙された」 2009/3/1 18:30 | トップページ | フェスティバル/トーキョー「カール・マルクス:資本論、第一巻」 2009/2/27 19:30 »

演劇」カテゴリの記事

コメント

蒻崎です!
終演後あまりお話ができず残念でした><
またいづれお酒をご一緒できたらと思います。
ご来場ありがとうございました!!
次はメールの奇跡が起こらないで済むよう、早めにご連絡を致します・・w

蒻崎今日子

投稿: かものはし(蒻) | 2009年3月 6日 (金) 14時44分

かものはし(蒻) さま

ほんと、すごい奇跡的なメールのタイミングにつながりを感じました!
今回マチネにお邪魔したので飲むわけに行きませんでしたが、ぜひ一緒に飲みたいですわ。
4月、5月も楽しみにしてまっす。4月は期間も短いし難しいかもしれないけど、5月は生きてればほぼ行くんじゃないかと。。。

投稿: めっこ | 2009年3月10日 (火) 02時58分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: くろいぬパレード「春よ、来ない。」 2009/2/27 14:00:

« 箱庭円舞曲「メガネに騙された」 2009/3/1 18:30 | トップページ | フェスティバル/トーキョー「カール・マルクス:資本論、第一巻」 2009/2/27 19:30 »