フェスティバル/トーキョー「カール・マルクス:資本論、第一巻」 2009/2/27 19:30
資本論なんていう堅苦しいタイトルに危うくスルーしかけちゃったけど、去年の「ムネモ・パーク」のリミニ・プロトコルと聞き、これは行っておかねば、となりました。ほんと、フェスティバル/トーキョーの回数券買い逃したのが恨めしい。。。
にしすがも創造舎、初めて行きました。元学校っていうのが素敵。駅から近いし。
整理番号もなく適当に並んだ順に入場っていうのはどうかと思うけど
入ってみると、とっても素敵な舞台。古いお屋敷の壁一面の書棚のような。すでに登場人物は舞台の中に。観てるだけでわくわくする。
題材は資本論だけど、直接解説というよりはそれに結び付くような人生のエピソードを、登場人物達が順に語っていきます。本のまま難しいコトバを並べられてもちんぷんかんぷんだけど、生きた語りの力ってのはたいしたもんだ。
すっかり授業を受けてるような気持ちになってたけど、終わった瞬間にこれは演劇だった!と思ってはっとしました。そうそう、先生と生徒じゃなく、演者と観客。私は資本論を理解することが目的じゃなかったわ。もう、うっかりそっちに行くから途中ちょっと眠くなったのですわ。違う違う。
資本論に関するスペシャリストを集めて演者にしているっていっても、そこは演劇なのだから中身はすべて嘘八百でも構わないわけ。騙されてるみたいで可笑しくなる。資本論というものがあり、ここにいる人たちがそれに関わっていることも本当、語ってることもおそらく本当、だけど出来上がる世界は虚構。どこまでドキュメンタリーに近づけてもこれは演劇。騙し絵みたい。その近くて遠い、くすぐられてるのにくすぐったくないもどかしさみたいなのが不思議で、ちょっと発見したような気持ちに。
演劇のおもしろさっていうのはびっくりするくらい広い。本当はおもしろいなんて言葉で片付けたくないんだけど。当てはまる言葉って見つからないもんだな。いい体験ができました。
字幕を追うのは難しいですよね。タイミングとか。舞台から目を離したくない気持ちと、中身を理解したい欲求とがせめぎあっちゃって。やっぱり吹き替え希望
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