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ハイバイの金子、永井、坂口、それぞれがプロデューサー祭・春「あとみよそわか」 2009/3/8 13:00

ぎりぎりなんとか観ることができました、永井企画。自分の中での観劇のルールとして、仕事の日は観ないって決めてるのに、ここんとこ全く守れてないな。詰め込みまくり。

それにしても大盛況。ルデコに50人以上?立ち見まで出てる。

父母娘という3人家族2組。主人公の小学校3年生の乃里子(高村圭)の家庭は裕福ではないけれど、父と母はひろちゃんきよちゃんと呼び合う仲良し夫婦。父には借金癖があり、母は怒ることもあるけどやっぱり好きで結ばれているからどうにかなる。友達の早苗(墨井鯨子)の家庭は裕福だけど母は趣味ばかりに没頭しご飯も店屋物ばかり、父はくちばっかり立派だけど何も自分で動こうとはしない。娘もそういう空気は敏感に嗅ぎ取って、楽しいこといっぱいあるはずなのになんだかぎくしゃくしている。両方の家庭を冷静に眺める乃里子の目線は。

ものすごくまっとうにまっすぐに家族というものと向き合った作品。大きなイベントがあるということもなく、日々の生活から感じること。それを丁寧に丁寧に並べていきます。

小学3年生の目線からだから、忘れつつあるが経験のある懐かしさ。誰が見ても理解したくなる素直さ。だから感じるところが多いんです。

また途中からは小3でありながらもちゃんと女の目線がありました。自分の存在を通して、母というものの幸せ、母であっても女であることの幸せ、人間として生きる上での幸せ。何も語らない主人公が雄弁。

お金がなく、子供の欲しいものも与えることはできないけど手作りで工夫して、子供と真剣に向き合い真剣に遊ぶ自分の母。父のことは大好きだけどそのだらしなさで苦労ばかりして、好きなのに離れようとする強い母。一方、お金のかかる遊びや趣味をばんばんやりまくり、飽きたといってはとっかえひっかえ。ご飯なんか作らなくても好きなものをお金で買えばいい。でも子供には慕われず、夫には説教される友人の母。どっちも幸せじゃないわけじゃない。質の違う幸せがあることを静かに悟る娘。

それを風景で描ける永井若葉さん、すごいです。親子丼がいつもよりしょっぱかったってことだけで広がる波紋とか、ボーリングの投げ方から生まれる不満とか。

乃里子と母が頭突きをしあうシーンが素晴らしい。遊びで触れ合いながらも、痛いと起こる娘に対し、母は「当たり前でしょ、一生懸命なんだから」。その一言で涙が出ます。

女優陣が誰をとっても味わい深い。乃里子役の高村圭さんのかわいい顔に抑えた表情。素直にあけっぴろげに自分の気持ちを投げる友達の墨井鯨子さんの子供らしい奔放さ。健気に自分の気持ちに正直に生きてる乃里子の母役の谷崎静香さんのタフさ。早苗の母役の宇田川千珠子さんの屈折加減なんかどきっとします。

ラストがまたほんとにほんとに秀逸です。母と娘ってこうなんですよ。反発してても仲良くても、最終的に行き着く場所ってのはあるんだろうな。その深さ温かさ洞察力がたまらないです。

無理してもやっぱり観てよかった。

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