東京デスロック「ROMEO & JULIET」JAPAN ver.② 2009/10/28 18:00
楽日に向かって進化するデスロック、一回だけなわけはない。
初めて富士見でマチソワ。時間潰しに困るのですよね。まわりに何かしら店ができるといいのに。公演期間中だけでもキラリの中にカフェ作っちゃうとか。キラリンクカンパニーで協力してじゅんばんこにマスターやったり。市民じゃない客のわがままです。
作品は、流れがわかっているだけに逆にスミズミまで味わえました。自分の感覚として、ストーリーがあるなら普通に観られるけど、そうじゃない作品の場合2回くらい観ないとどうやらダメみたい。構成に振り回されず、というか。どういう観かたをするか気持ちが定まってないとなんか損した気になる。
やっぱりずいぶんおもしろくなった気がしました。ま、そういった自分の受けとめよう、ってとこもあるんでしょうが。俳優が動く3幕は動きの激しさや危うさにわくわく。目隠しによる怖さで動けない中で、ぶつかったり思い切って暴れたりがいい。
それでもこれまでの作品に比べるとなんだか非常に優しい。大恋愛のロミジュリがダイナミックで生きるのに必死だったのに比べると、ずいぶん穏やかで余裕。一人一人の登場人物がっていうんじゃなくて、作品全体が醸し出す空気が。
今までの作品の印象が、生きるか死ぬかの瀬戸際でもがき苦しんでいた雰囲気とするだとすると、この作品は生も死も受け入れた悟りの境地のような。客に対して寄り添ってくれる感触というか。
うまく言えないけど。観てる間、デスロックっていう劇団を人の一生に当てはめて考えてました。一回死んで新たに生まれ変わったのかな、って。誕生し、死を扱う作品を作っていた初期(私はまだ出会ってませんが)。自分探しの旅、CARAVANシリーズ。反抗期を迎え、演劇を見直す演劇「再生」で物議を醸し。成人して半自叙伝的3本立て、演劇LOVE2007。ここでライフワークの「LOVE」が誕生して。大人になって時代を超えた価値がわかり始め、古典戯曲へ向かったREBIRTHシリーズ。生まれ変わるために死のうとしていたかのような激しい作品群。そして「その人を知らず」東京最終公演にてある意味での死を。拠点をキラリ☆ふじみに移し、再出発。これが前世の記憶を残したままでの新たな誕生。あ、もしかしたら死なずに三途の河で踏みとどまってたのかも。キラリ☆不死身だから(笑)あっち側が見えて出家して解脱して、なのかな。仏の教えを市井の民に易しく説く住職のごとく、演劇のおもしろさを富士見市民に届けようとした「リア王」「ロミオ&ジュリエット」。なんとも勝手な妄想ですが、観ながらそんなことを思ってしまいました。
命を絞りだすような苦しい作品に慣れてしまった身としては。。。っていう自分を置いてさっさと次のステージに行っちゃって、みたいなジレンマはありますが、観客のそばにいてくれる心地よさから今後の幸せを感じて思わず微笑んでしまうような高揚感もありました。行く末を見守るのが楽しみ。
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