中野成樹+フランケンズ「ザ・マッチメーカー」2011.2.28 19:30
中フラのワイルダーシリーズの新作。正直、ワイルダーのおもしろさがよくわからないし、微妙な気持ちで伺いました。しかも2時間超との話。きついかな。
けどちょっと自分なりにテンションを上げて。やっぱり気持ちの持ちようとかコンディションて、観劇には大きいから。一期一会がたったの二時間、と気持ちを置き換えて。そう思っちゃうとつい、開演時、俳優が出てきた瞬間の感動がマックスになっちゃう時もあるんだけど(笑)。
今日も、あぁ、二時間しか一緒にいられない、って思いながら開演を迎えたら、俳優の足音だけでうれしくなっちゃった。
いや、でも今回の公演はずっとずっと楽しい気持ちでいられました。
マッチメーカー=結婚仲介人。地方都市の金持ちヴァンダ-ゲルダ-(洪雄大)が結婚しようとしている。姪も結婚しようとしてるがその釣りあわない結婚に大反対して、姪をニューヨークへと引き離そうとする。ヴァンダ-ゲルダ-の金目当てにマッチメーカーのようなそぶりで仕切るリーヴァイ夫人(石橋志保)は実は彼との結婚を狙っていて。っていう喜劇。
登場人物が多そうだったから、それを整理するのも大丈夫か心配だったけど、全然問題なし。やっぱり横文字名前にはなじみがなくて覚えにくいけど、個性が強く、魅力的な登場人物ばかりだから。
意外なほどのコメディーで笑いっぱなしでした。出てくる人たちが素敵で、みんなの幸せを願いたくなるような展開。この人たち、どうなっちゃうの?って心配してはらはらしながら笑い続け、目が離せない。
ワイルダーであること、誤意訳であること、や、ナカフラであること、に意識的だったと当パンで述べられているけど、それがどうこうというより本当に楽しいんです。それがもしかしたらワイルダーであり、誤意訳であり、ナカフラであるということなのかも、と思うとそれも含めて全体が好きになってくる。なんだ、ナカフラって、ワイルダーってこんなに近くにいたんだ!って。
本当に登場人物がみんな愛らしくって、おバカで、見栄っ張りなのに素直で、性格悪そうなのに抱きしめたくなるような雰囲気。ワイルダーの世界がそうなのか、中野さんの捕らえ方がそうなのかはわかりませんけど、どの人物も大好き。
そう感じさせてくれた俳優さんの力もさすが。リーヴァイ夫人を演じた石橋志保さんのくるくる変わる表情や計算高いのに単純な気持ちに動かされている行動や、周りのために嘘をついているテンションとか、いい。恋に落ちて身の丈を越えた見栄を張るコーネリアスを演じる村上聡一さんのあたふたぶりは他では観られない感じ。ちょい役とされたハイリンドの多根周作さんと伊原農さんのちょっとしたスパイスも贅沢で。とぼけた女中役の斉藤淳子さんもかわいくありながら意外に要を押さえてるのがうまい。やっぱりナカフラの俳優さんは幅広いです。
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