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2011年3月

東京タンバリンenfants「お散歩~さくらの夢」in西荻窪 2011/3/26 17:30

タンバリン若手による公演。西荻窪を舞台に、「お散歩」ってどんな形の公演になるんだろ?

3幕構成。駅の近くの宿泊施設にて公演の説明+第1幕。移動+お散歩の後2幕。2幕は2通り準備されていて選択制。その後また移動+お散歩し、別のカフェで3幕。

西荻の地元の仲間たち。漫画家や絵描きやカフェの店員やギャラリーのオーナーや。今日はその仲間たちで変な顔相撲と悲しい顔にらめっこ大会の後、お花見。おばあちゃんの介護をしている夫婦が家に帰ってくると…。

まずは西荻窪駅で待ち合わせ。スタッフとして瓜生さんの姿。なんか不審で目立つから待ち合わせにはもってこいね。第1幕の場所の地図を渡されて移動。

1幕の後、次の場所での開演時間と地図を渡されしばしお散歩タイム、約1時間半。お薦めのお店や名所などが書き込まれた西荻窪の地図を見ながらウロウロ。かなりの寒さに凍え、一人で歩く寂しさと相まってちょっと来たことを後悔したけど、でもめげずに歩きました。歩いてみると西荻の町っておもしろい!地図にあるポイントを押さえただけだけど、お店はユニークだし、公園多くて気持ちいい。アンティークの店や個人経営の洋菓子屋さんとかお豆腐屋さんとか蜂蜜屋さんとかいちいち寄り道したくなる!さらにお散歩シールラリーと称して西荻窪名物・六童子を巡る企画も。楽しいな。そうなると一時間半じゃ足りないくらいでした。

2幕、私は悲しい顔にらめっこを選択。ギャラリーに婿養子に入った絵描きの太郎と、お祖母ちゃんの介護をする妻の百合の話。さっき歩いてきた道のお豆腐屋さんとか公園とかがちょこちょこ会話に出てきて、想像が膨らんで。町に思いを広げながらのお芝居は、二人の思いのちょっとしたズレにチクッと刺されました。

再び地図を渡されて次の場所へ。3幕は俳優全員集合で。客は2回に分けてってことでもう少しお散歩して2回目にしようかとも考えましたが、やっぱり寒さに負けて1回目に。

みんな集まってお花見へ。で、終わって帰って来た夫婦はお祖母ちゃんの寝顔を見ながら…。

あああぁ、すごい。さっき歩いた西荻の町とお芝居がゆるゆると繋がり、大きくひとつの世界になった!町並み、町に生きる人、その人たちの思い…。町全体が劇場で、ここで起こってること全部が作品。幸せすぎる。

タンバリンの高井さんの、本当にささいなささいな出来事を丁寧に拾っていく感じと、西荻窪というちょっとマニアックな町の個性がすごくマッチしてました。俳優さんたちも若手とはいっても個性豊かで。分身として登場する操り人形もかわいくていい。

最初一人で散歩は寂しいなって思ったけど、終わってみると一人でよかったかも、と思いました。おしゃべりとかせずにじっくり町に向き合えたから。

来年もやるらしいです。絶対また行きたい。この町全体と友達のような幸せ気分を味わいたい。もうちょっと暖かい&花粉のない季節希望で。

世界中のどんな町でもこういう作品ができたらいいのにな。東北地方でも…。

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「戯伝写楽-その男、十郎兵衛-」シーラカンスプロデュース Vol.1 2011/3/10 19:00

声優の朴路美さんと宮野真守さんが始めたプロデュースユニット。ちょっと商業寄りな感じなんだけど、俳優さんが小劇場っぽくて。私は板倉チヒロさん目当てで。

初日なのにマチソワで、そういう意欲的な感じは買い。

写楽や北斎や十返舎一九など後に有名になる若者たちが織り成すサクセスストーリー。大人の事情や才能による挫折を交えて。

中島かずき作、っていうだけにストーリー的なおもしろさはもちろん。絵描きを目指した若者(宮野真守)が自分の才能のなさと、出会った女(城戸愛莉)の有り余る才能を見て、彼女の作品を自分名義で売り出すとバカ売れしてしまう。その才能を売ろうとする版元(中村まこと)や与七(玉置玲央)、張り合おうとする鉄蔵(板倉チヒロ)。

セットや照明・音響は豪華ですごく楽しい。ストーリーもつかみやすくやっぱり商業的、って感じ。

集まった俳優も小劇場フリークとしてはかなり豪華でわくわく。ま、主を担うお二人がフィーチャーされるのはわかっていてもね。

関西弁を話す玉置さんに若干違和感を感じたけど、男性陣は概ねいいキャラ設定で個性を生かして素敵。中村まことさんの悪党さと抜け加減はさすがです。有川マコトさんのベテラン風情もいい。板橋駿谷さん&山本真由美さんのアドリブ感満載の掛け合いもなかなか。板倉チヒロさんの存在感のがっちりしたところも他所で見られない在りようですごくよかった。主役の宮野さんも意外にどたばたしたところがおもしろくって。

比べると女性陣は弱い。初音映莉子さん演じる浮雲も色気やその行動のきっかけが物足りないし。なんといってもヒロインのおせいが。。。存在感から迫力、絵に賭ける思い、男の扱い、すべて足りない。若さと初日の固さかもしれないから、もしかしたら公演後半化ける可能性はあるけど。今のままじゃちょっと。

アフタートークを見て、この公演への朴さんや宮野さんのテンションの高さで想いがすごく伝わりました。けど、もっと演出の中屋敷さんの考えとか聞きたかったなー。

当日パンフレットの中身のなさにはちょっとがっかりでした。配役があるだけ合格だけど、やっぱり有料パンフレットを買わなきゃダメかしら。そういう雰囲気が商業、って思っちゃうところ。

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チェルフィッチュ「ゾウガメのソニックライフ」2011.3.5 14:00

先月のKAATでの公演がすごく心地よく感じられ、それが不思議だったのでどうしてももう一回観たくなってキラリ☆ふじみまで行くことにしました。いつもチェルフィッチュはどうにもついていけなかったのに。すごく分かりやすく思えたのはどうしてだったんだろう。

先週のデスロックに続いてのキラリだから同じ電車に乗ればいいな、と家を出たけど、先週とは時刻表が変わってました。そうか、3月って時刻表改正の季節。

ある男女がそれぞれの頭の中の秘密を独白。思考はどんどん広がっていって…。

ものすごく混沌としたぐちゃぐちゃの脳内世界。考えている身体と言葉を発する身体を分けているため、思考が外にダダ漏れしている感じ。誰かの頭の中が拡大されて舞台にのっかってる。始まったとたんにパッと空間が宇宙のように広がり、人の脳内を俯瞰しているような、不安定だけど気持ちいいユラユラ浮かんでいるような感覚に襲われました。

一方で自分の脳内にこの俳優たちが入り込んで、中に詰まっている私の妄想が暴き出されているような、変な恥ずかしさも。

考える身体と言葉を発する身体が別々っていうシステム自体がずいぶん私にはすんなりと受け入れることができ、だからわかりやすく思えてそこからいろいろと想像が広がっていった気がします。

考える身体と言葉を発する身体が違うと、そういう仕組みを頭で理解していても感覚は混乱し、これはいったい誰の思考なのか?もしかしたら私かも?となっちゃうんです。

そうなってくると舞台上でのセリフは私の思考、観ながら私が考えていることは舞台上で起きていること、っていうような自分と舞台上が融合するというのか、逆転するというのか、神様として世界を俯瞰しつつ、小人になって人の脳内を冒険している、っていう、ミクロとマクロを同時に体験。

そうなると言葉は音楽のように流れ、あまり意味を持たなくなり、私は心地よく妄想を広げていき、その中にどっぷりと浸る。

劇中の言葉を借りるなら、「居眠りとぼんやりの間の状態」。そういう状態だと本当に妄想の翼は留まるところを知らず、沈黙の時間が楽しくってたまらない。いろいろな台詞や設定が私の頭の中であてられ、シーンはぐるぐる回り物語が作られ進んでいく。だから沈黙の場面が終了するのが残念に思えるほど。

チェルフィッチュの看板俳優の山縣太一さん。身体の形や動きのインパクトが強すぎてどこにいてもそこにいつも圧倒されていたのですが、今回映像で顔だけ出ている場面があり、目線だけでここまですごいのか、と驚きました。舞台上で映像をとり、そのアップを同時にプロジェクターで映し出しているんですが、生身の身体もきっちり動きを出さず、顔だけで演技する様子がいい。

この、撮られている身体と、その映像が同時に舞台上に配置される演出もすごく妄想に役立ち、おもしろかったです。生の身体がここにあるのに、誰もそれに目を向けずスクリーンに見入る、っていう構図。

終わり方がまた鮮やかすぎてあっけにとられます。パソコンのディスプレイの中からパソコンに向かって作業する人を眺めているという態。そこまでの自分の観かたが肯定されたような設定に安心し、小人気分と神様気分を味わっていたら、ひゃっと不意打ち。うわぁ。

あぁ、こうやって思い返すとまた観たくなっちゃうな。ほんと楽しかった。

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エビス駅前バープロデュース公演「したごころ、」2011.3.1 21:00

エビス駅前バーもずいぶん久しぶりだな。バーの雰囲気好きだし、この企画自体CoRichの舞台芸術まつり一時審査も通ってるからどうにかして観ないと。こういうとき公演回数多いと助かります。

イケてない女性バーテンダーとその幼なじみを軸にバーを訪れる人々の騒動。ホストとその彼に入れ込む金持ちの女性、結婚詐欺の女性と彼女を探る探偵、結婚直前にマリッジブルーで結婚解消した看護師とそのヒモ。

ちょっとした心のすれ違いを丁寧に刺激的に描いて、とってもわくわく。

やっぱり一緒にバーにいる気分を味わいながら、隣の人の感覚として味わえる臨場感が楽しい。近い分段取りに見えちゃう部分もあるけど、それも含めてその場に居合わせてるって感覚。

わりと初めて観る俳優さんも多かったけど、蒻崎今日子さん演じるバーテンとその幼なじみを演じる伊丹孝利さんの困った感じがおもしろかったです。ちょっと不器用なバーテン、っていう役柄はJACROWでは観られない感じの蒻崎さんでかわいらしく、それを支える料理上手で気が利く伊丹さんは気弱そうな佇まいなのに最後にはちょっとかっこよくって。

今回はバープロデュースだったんですね。そういうのっていい。場の持つ力を知ってそこに演劇が取り込まれていくっていう形、いろいろ広がればいいと思う。戯曲から場に持っていく形ではなく、場から発生する演劇。学校とか図書館とか役所とか飛行場とかいろいろできそう。

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劇団阿佐ヶ谷南南京小僧「フランケンシュタインの婚活」2011.3.1 18:00

劇団阿佐ヶ谷南南京小僧、初体験です。FUKAI PRODUCE羽衣レギュラーの伊藤昌子さんの所属だから、ってことで気になってはいたんですが。チラシとかの一貫性は好き。

怪物を生み出したフランケンシュタイン博士。研究は成功してるけど自分は結婚もしておらず、親から結婚を迫られる状態。婚活中の女子を引き寄せるために自分が生み出した人造人間たちを利用して。

物販とか挨拶とか、劇団全体としての姿勢はとっても好ましく、いい雰囲気を醸し出しているんだけど、作品のどうしようもなさは。。。テーマも面白くないし、俳優さんのばらつきも目に付いちゃって。

どたばたは楽しいけど、同じようなエピソードの繰り返し、フランケンシュタインの設定も生かしきれてなくて、シーンも似たような雰囲気が多く、かなり飽きてしまいました。

ここにあの伊藤さんが混ざってたらどうなんだろ?っていうのはかなり興味津々ですが。

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流山児★事務所レパートリーシアター「花札伝綺」2011.3.1 14:00

すっごい久しぶりの流山児★事務所。たまにはアングラもね。レパートリーシアターとして今月3作品の公演をするうちの1本目。寺山オペレッタにひかれて行ってみました。

入るなり白塗りの女の子が舞台上に。アングラ~って感じが楽しくなる。

大正時代、「死の家」と呼ばれる、家族はみんな死んでいる葬儀屋が舞台。娘だけは生きており、同じく生きている男に恋をしてしまい。。。死人と生者の違いとは?

ま、ある意味ストーリーなんてどうでもいい(笑)。すべてが出オチと言ってもいいくらいのインパクトで出てくるキャラクター。それが新鮮。オペレッタだから歌って踊って、超バカバカしくて楽しい。

生きる重さとか、そこにいることの重要さっていうのは強く感じます。俳優さんたちの迫力と気概。こういうのを感じると普段観る種類とは違ってもいいなって思える。

衣装がかなり私好みでした。新聞紙とか着物生地とか楽器とか、いろいろくっついていて華やかで。白塗りにもピッタリ。公演終わったら欲しくなるくらい、好き。

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