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「その族の名は『家族』」2011/4/18 19:00

ハイバイ・岩井秀人さんの「て」を改題し、円形劇場プロデュースでのバージョン。岩井さんの作演出で。

アゴラでの初演・芸術劇場での再演ともに観ているため、どうしても比較の目線になっちゃうのは仕方ない、ってことで。

祖母(研ナオコ)の葬儀の日。最後に家族みんなで集まった日のことを思い出す。。。

認知症で全面介護が必要な祖母の家に集まる家族。家族みんなが集まってまとまることが大切と考えてる長女(内田慈)、まだ自分勝手さの残る次女(浅野千鶴)、自分の覚えている祖母に戻って欲しい長男(滝藤賢一)、どうにかみんなのバランスを取ろうとする次男(荒川良々)。兄弟が幼いころから家族をかき乱し続けた父(大鷹明良)と、家族をどうにかまとめようと頑張ってきた母(ユースケ・サンタマリア)。

やはり岩井さんのこの脚本はどこまでもすばらしい。涙を流さずに観ること能わず。

作品としてはちょっと薄まっている感じはしました。母の存在感が薄れて、家族それぞれの意向や立場が見えやすくなっている感じ。

研さんの祖母の存在感はすごい。だから演出で動かしてその強すぎるインパクトを違う形で逃しているのはいい笑いになってました。軽さの出し方が絶妙。

ユースケさんの母はやや物足りなく、観客への働きかけとかはいいけど作品全体における重みが。。。これは全体のバランスでそうなったのか、ユースケさんのキャラでそうなったのかがわからないけど、もっと母の想いが見たかったな、とは思いました。

印象として初演・再演より長男・長女の存在が強くなっており、その二人の想いがしっかり伝わってきてじわんとしていたので、次男と母っていう構図でなく、一つの家族としての作りになってたんでしょうね。

でも次男を演じた荒川良々さんは圧巻でした。なんだこの表情。どれだけ物語が展開してても彼からは目が離せない!でも飛びぬけて目立ち過ぎているわけではなく。次男としての存在感っていう枠の中で、紡いでいる、その佇まいがすごい。

ハイバイ常連メンバーでもっと楽しみたい気持ちと、こんなスターメンバーでも十分成立するっていう楽しみと、両方ではありました。満足はしましたけど、やっぱり岩井さんや金子さんが出て欲しかったな。

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