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2011年4月

KAKUTA「グラデーションの夜《黒の夜》」2011/4/23 14:00

KAKUTAのリーディング2週目。劇団としては珍しいというホラー。

またもや古本屋の七重を中心に据えて。桐野夏生「デッドガール」、今邑彩「ささやく鏡」、阿刀田高「迷路」。

いやいやいやいや、話怖い。うわぁって思う。けど全体としてはそれほど怖くなかった。

語りの怖さに対し、若干演じ手側の雰囲気のちぐはぐさを感じました。

好きだったのは3話目、迷路。都合が悪くなった相手は家の井戸に突き落とし抹消していた男(佐賀野雅和)。落としても落としても井戸はうまく相手を消してくれていた。自分の母親までどうにもならなくなって井戸に落としたら。。。って話。

佐賀野さんのひょうひょうとしながら、根に持って相手を消していくその怖さに加え、母の怨念がオチとして強く、ぞわぞわ。

流れとしてみると、オリジナルの話がどこかこじつけっていうかちょっと無理がある、って感じてしまい、せっかく七重(原扶貴子)が話を繋いでいく、っていうよさが薄い。むしろご都合な空気が残ってしまう。

アフタートークがめっちゃおもしろかったです!雪山素子出演!傍若無人な遠慮ナシの暴言サイコー。だからこの回売り切れだったのね。

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KAKUTA「グラデーションの夜《群青の夜》」2011/4/17 15:00

KAKUTAのリーディングはおもしろいと専らの噂。確かに前回、初めて伺って、まるでお芝居、リーディング公演と言うより普通の演劇の一形態って感じ。自分的な流行りとしても、ちょっと読書にハマリつつあるところなので、面白かったら原作も読むぞっと。

けど、3週連続公演は観る側も大変。演る方はもっともっと大変でしょうけど。

オリジナルの「グラデーションの夜」を軸に、桐野夏生「ネオン」、田口ランディ「ピエロ男」、いしいしんじ「正直袋の神経衰弱」、川上弘美「夜のドライブ」を。

なんとも優しく、生暖かい春の夜にふさわしい温もりでした。

古本屋を営む七重(原扶貴子)の日常。歌舞伎町のやくざの世界から一人寂しく生きる女と街角のピエロとの出会い、池袋の街の風景、母と娘の二人の夜。

語りは説明でもあるけど、まったく邪魔にはならず、くっきりとした世界の輪郭を描く。気持ちよく想像の世界を広げる手助けになる。時に語り手と物語の中の人物は交わりながら進んでいくのが、逆に嘘の世界の嘘臭さを払拭する。

リーディングの、物語を宙に浮かせて眺めるような感じが中途半端であまり好きではないんだけど、KAKUTAに関しては劇団の作風としてある意味ベタな演劇をベースに敷いている分、物語をきっちり演劇側に引き寄せることに成功している気がします。

言葉による風景・背景描写の中に、生きている人間の心理描写が見えてくる。

4つの中では話としてはあまり好きではなかったけど、「ネオン」に登場する新人やくざ役・島尻役の尾崎宇内さん、佇まいや目つきがすごくよかった。以前別の公演で観たときもなんとなく心惹かれましたけど、存在感強い。ピエロと交流する女、桑原裕子さんの寂しげな表情や強がってる様子は、わかっていてもいい女。最終話の母娘、磯西真喜さん&高山奈央子さんのしっぽりしているのにかわいらしいのはベテラン芸。

どの小説も原作読みたくなりました。3週はきついと思いつつも来週も再来週も楽しみ。

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「その族の名は『家族』」2011/4/18 19:00

ハイバイ・岩井秀人さんの「て」を改題し、円形劇場プロデュースでのバージョン。岩井さんの作演出で。

アゴラでの初演・芸術劇場での再演ともに観ているため、どうしても比較の目線になっちゃうのは仕方ない、ってことで。

祖母(研ナオコ)の葬儀の日。最後に家族みんなで集まった日のことを思い出す。。。

認知症で全面介護が必要な祖母の家に集まる家族。家族みんなが集まってまとまることが大切と考えてる長女(内田慈)、まだ自分勝手さの残る次女(浅野千鶴)、自分の覚えている祖母に戻って欲しい長男(滝藤賢一)、どうにかみんなのバランスを取ろうとする次男(荒川良々)。兄弟が幼いころから家族をかき乱し続けた父(大鷹明良)と、家族をどうにかまとめようと頑張ってきた母(ユースケ・サンタマリア)。

やはり岩井さんのこの脚本はどこまでもすばらしい。涙を流さずに観ること能わず。

作品としてはちょっと薄まっている感じはしました。母の存在感が薄れて、家族それぞれの意向や立場が見えやすくなっている感じ。

研さんの祖母の存在感はすごい。だから演出で動かしてその強すぎるインパクトを違う形で逃しているのはいい笑いになってました。軽さの出し方が絶妙。

ユースケさんの母はやや物足りなく、観客への働きかけとかはいいけど作品全体における重みが。。。これは全体のバランスでそうなったのか、ユースケさんのキャラでそうなったのかがわからないけど、もっと母の想いが見たかったな、とは思いました。

印象として初演・再演より長男・長女の存在が強くなっており、その二人の想いがしっかり伝わってきてじわんとしていたので、次男と母っていう構図でなく、一つの家族としての作りになってたんでしょうね。

でも次男を演じた荒川良々さんは圧巻でした。なんだこの表情。どれだけ物語が展開してても彼からは目が離せない!でも飛びぬけて目立ち過ぎているわけではなく。次男としての存在感っていう枠の中で、紡いでいる、その佇まいがすごい。

ハイバイ常連メンバーでもっと楽しみたい気持ちと、こんなスターメンバーでも十分成立するっていう楽しみと、両方ではありました。満足はしましたけど、やっぱり岩井さんや金子さんが出て欲しかったな。

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東葛スポーツ「ニューヨーク、ニューヨーク」2011/4/24 18:00

クロムの千秋楽で失恋気分に陥ってるところで、気持ち的に受け入れられるかちょっと迷いながら、やっぱり新しい出会いを捨てられず、伺いました。ライブハウスでどんな芝居?

こたつを囲んでウダウダお互いにいちゃもんつけながら仲良く暮らす男女の日常風景。をちょっとおかしなラップ調の会話で。

人生ゲームや佐川急便、くすりの福太郎など、細かくお題目分けて。

まぁ、微妙なラップなんだけどそこは演劇寄りにしているのか、聞き取りやすいのはいい。二人がディスり合うのもいい力加減。肩肘張らずにぼんやりと体を揺らすのが心地よい。

下らない人生ゲームのやり取りや、生理用品の買い出しとか、どうでもいい感じにゆったり構えてリズムに身を任せていられたのはよかった。ちょっとした会話で二人の関係性を掴んだところで、後のオチに繋がっていってなんかほんわかしました。


作品としてじゃない部分、遅れてくる客のためにずいぶん待たされたり、ライブハウスなのになんかじっと座ってるのはちょっとつまらないかなぁ。劇中にも言ってたけど、1時間っていう長さで、ワンドリンク付きで2000円とかっていう条件で満足とも。

でもやっぱり大音量は気持ちいい。

期待せず緩やかに観たらいい、けど、その観方はこのキャストにはもったいないよなぁ。

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クロムモリブデン「裸の女を持つ男」2011/4/24 15:00

千秋楽。最後までバリッバリに決めてくれました。はあぁ、かっこよかった。。。

何回も観ては好きなところをうだうだと並べ立ててみましたけど、もう中毒だと認めますheart01

たぶん前回公演からちょっと間が空きクロムのあの興奮を忘れかけていたところ、しかも地震のせいで自分は本当に今芝居が観たいのかって疑ってたところに、いつもと変わらないすさまじいエネルギーでもってぶつかってきてくれたから、すっかりメロメロになっちゃいましたwinkテーマは暗かろうが、悪人やキチガイばかりが出てこようが、観て元気になれた。

好きな劇団が変わらないスタンスでそこにいて、観るたびに惚れさせてくれるっていうのは幸せだとつくづく思いました。ありがたいです。嬉しすぎて涙が出ます。そういう作風じゃないって知ってるけど、泣けます。私はクロムが好きだけど、みんなそれぞれ好きな何かで元気になればいい、なんて健全な思考になっちゃう。

何度も観た芝居が終わるときの寂しさは失恋の寂しさに似てます。毎日会ってた大好きな人に会えなくなる。あ~あ。ま、明日からまたすぐ次の大好きな人を探しますけどね。

再演はしない主義だというクロム、なので「裸の女を持つ男」とは永遠にお別れです。寂しいな。でもその潔さまで含めてカッコいい。

再演なしだから惜しげもなく小道具売っちゃってました。とかげさんのiPhoneもどきとかあっという間に売れちゃったみたいで私が行った時にはもうなかった!あのハンドルとか全員分売れたのかなー?私は奥田ワレタさん作・カメラマン甚六が持っていた亀さん購入。かわいいsmile大事にします。

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クロムモリブデン「裸の女を持つ男」2011/4/23 19:00

今回のクロム3回目。大脳を直接刺激してくるような快感に、観たいっていう衝動が抑えられない。芝居自体が麻薬heart

3回目にして初めて最前列を離れ全体を俯瞰。わぁ、ずいぶん印象違う!最前列フリークの私としては大概その印象の違いは、やっぱり前の方がよかったってなるんだけど、クロムの場合でもRED THEATER5列目くらいで物足りなくなるんだけど、今回は引きも良い!キャラ勝負な感じだから表情や汗や唾がないと、って思ってたのに意外。

舞台を隅から隅まで使い切ってること、フォーメーションも美しいこと、に加えて、遠くても好きだった最大の理由はそれでも届いてしまうキャラの強さとそのキャラが全体を渦にして立ち上げているグルーヴ感。

これはいつもどおりなんだけど、ほんっとうにキャラが強い!観れば観るほどいろいろな細かいキャラ設定まで見えてきて楽しい。

どこの国の人やらよくわからない籠目さん(久保貫太郎)、見た目も中身もキレッキレでヤバイ麻酔さん(森下亮)、回を重ねるごとにえげつなく髪を振り乱す瀬呂利ミミ(幸田尚子)、顔さえ出さないのに誰だかはっきりわかるオビー(小林義典)、清楚なお姉さんなのに亀の頭をなでなでしちゃってる江口チグエ(木村美月)、などなど。

そしてなんといってもカメラマン・サソリの甚六(板倉チヒロ)!中腰の怪しい動きや舌の使い方が最高。久々のクロムでの登場がひどく生き生きのびのびしていて魅力的。

みんなキャラがアレほど強いのに、お立ち台やらのメインでの動きだけでなく受けのリアクションがまたすごくおもしろく、しかも我も我もと前に出ているのに全体としてバランスよく圧倒してくるから大きな渦となっての迫力になっているように思います。終盤、うわぁっと物語もパフォーマンスも全体が一つになっていき、その完成図が一枚の絵のように浮かんでくるから、遠目からでも圧倒されちゃうんだろうな。

その構図の組み方が演出の青木さんの美学のように思えます。かっこいい。

3回の予定でしたけど、やっぱり4回観ることにしちゃいました。次はどんなところにわくわくできるのか楽しみ。

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クロムモリブデン「裸の女を持つ男」①2011/4/17 19:00 ②4/20 19:30

私は同じ演目のお芝居を二度三度観るのが大好きです。適応力が低いので一度では楽しみかたがわからず、味わいきれてないような不満足感を感じたりするからです。だからネタバレの概念があまりよくわかりません。一度観て、どういう設定で次にどんな台詞が飛び出して、どんなリアクションが出るのか、わかっていてもおもしろいのが演劇だと思っています。

繰り返して観てわかる部分が増えていっておもしろい作品もあれば、どんどんわからなくなってそれが魅力になる作品もある。クロムモリブデンは後者な気がします。単にわかりにくいんじゃなくて、全体は見えてきてどんどん面白くなってきた、なんかすごく興奮している、けど何を自分が面白がってるのかよくわからない、自分の奥底にあるものが引っ張られて血湧き肉踊る感触にわくわくするっていう。

はい、今回も超楽しい!それはもちろんトラムの大舞台ってこともあるし、久しぶりに板倉チヒロさんが出演してクロムメンバー揃い踏みってこともあるし、客演の辰巳智秋さんの引力もある。でもそれだけじゃなく、よくわからない興奮に捕まれちゃってるところが大きい。

違法ドラッグに塗れてモーテルで女を死なせてしまった男、アイドルなのにドラッグをやっちゃった女、その周りの人々の話。

もちろん題材は昨年のあの事件とあの事件なんでしょう。でも、そういうテーマとかモチーフとかは私にとってはどうでもいいこと。まぁ、そういう出来事があったことで作家の青木秀樹さんのモチベーションがあがったならその事件は大事だけど。どこからインスピレーションを受けようが、そこから劇団員たちをこんな風に動かしてこんな言葉を吐かせているっていうところに私はどうにも惹かれてしまうんです。

青木さんの世界の感じ方、みたいな部分が私の興奮につながっているんじゃないかと思います。同じ事件でも衝撃の受け方は違うし、そこからお話を作るとしたら広げ方は千差万別。私はクロムのその広がり具合にリンクしちゃってます。

毎回ではありますが、登場人物のキャラの強さは圧巻です。いろんな意味で自分が強い。個々には深く突っ込まれてないのにその魅力が光ってる。女を死なせた漫画家を守ろうとしつつ自分の仕事しか考えていない編集者(渡邉とかげ)の一見普通そうなのに会話の流れなんか気にしないジコチュー加減、モーテルの支配人をしながら母親に精神的に圧倒され続けてる男(花戸祐介)の情けないのになんだかいい人な感じ、モーテルで監禁されている歌手(幸田尚子)の派手でおかしそうなのに真っ当な理屈に沿って生きているところ、この辺りは物語の本筋とは関係ないのにすごく力強くて生き生きしている。

その生き生きしている感じをさらに生き生きさせる役者が揃っているのも好きなところ。

今回は特に、大きい舞台で俳優が動いているせいか、髪型とかメイクとか体形とか衣装とかでばっちりインパクトを残している俳優さんが多いせいか、なんだか青木さんの脳内を覗いている感じがしちゃいました。俳優さんたちはみんなフィギュアとして青木さんの中にいて、動いてたり動かされたりしているイメージ。フィギュアでごっこ遊びをしているうちにフィギュアが自分勝手に動いているような。

今回、特に終盤のパフォーマンスが大好きです。じわじわ、じわじわと、テンションが上がっていき、いつのまにやら拳が握り締められて、逆に顔の筋肉はだらしなく弛緩して。これを観るためなら何度でも足を運びたいと思ってしまいました。この興奮が自分でも一番わからないところです。解釈できるわけでもない。俳優のパフォーマンスだから美しいだけではない。内々から刺激されてぬおぉーって突き動かされる衝動で、それまでの物語とか、オチの付け方とか、流れとか、そういうものじゃないな、って実感。このわからなさがたまりません。

地震でちょっと何が観たいのか迷いが出ていたところに、大きなエネルギーをもらいました。

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