黒色綺譚カナリア派番外公演「犬と花」花編 2011/4/28 20:30
立て続けに花編。こっちは東京デスロックの夏目慎也さん登場。かなり期待。
同じ脚本、のはず。あれ。ほんとに?
ってくらい不思議。こんな発想にたどり着くって。この物語においてはすごく必然に思えてしまう説得力があるから怖い。
精神科らしき病院が舞台。焼き鳥屋の吉雄と小四郎を演じる夏目さん。哲雄であり精神科医でもあり、さらに吉雄の父でもある男に板垣雄亮さん。一人が何人分もの役を演じ、さらに二人で一役を演じてみたり。そのあたりの境界の曖昧さが精神科的でもあり、戯曲からみえる風景でもあったりする。
そう、これがあるから演出ってすごいと思う。戯曲から浮かび上がる風景って、どんだけ幅があるんだってぎょっとする。台詞やらト書きやら、同じものを読んでもこれだけ違う世界が描ける。今回の二つの作品は表裏一体の双子でもあったし、何の血の繋がりもないけど世界に3人はいるというそっくりさんでもあるように思う。それくらい近くて遠い世界を見せてもらいました。
犬編を先に観たことをちょっと後悔も。どちらも面白かったんだけど、花編はストーリーとしての前情報がなかった時、どれだけハマれたか、ってのが気になって。把握しちゃったストーリーに対して、ここにあるものを乗せようとしてしまう自分が邪魔臭い。けれども逆だったらって想像すると、たぶんまったく意味わからず。あぁ、でも意味わからない感じの解釈がやっぱり楽しかった気がする。ちょっと縛られちゃったなぁ。
ぐったりしたんだけど、なんだかわからない興奮に包まれました。あぁぁ、どうにかこのお話を知らない状態に戻ってもう一回観たいよー。
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