パルコ・プロデュース「欲望という名の電車」2011/4/29 14:00
パルコ劇場久しぶりだなぁ。近頃かなり前から予約の必要な公演に全然行けてなくて残念です。芸能人系のでもいいものはいいから行きたいんだけど。
今回はやはり松尾スズキさん目当てで。テネシー・ウィリアムズの「欲望と言う名の電車」、観たことないのよね。それも楽しみ。
場末の汚いアパートで暮らす妹ステラ(鈴木砂羽)とスタンリー(池内博之)。そこへ行き場を失った姉ブランチ(秋山菜津子)が居候にやって来る。スタンリーの親友ミッチを誘惑するが、前の町を追われた理由をスタンリーが知ってしまい…。
どんな境遇に陥ってもプライド高く生きようとするブランチ。けれどもなんの後ろ楯もないプライドは相手を蔑むことでしか維持することができず、その態度は相手の反感を買う。嘘をつき媚を売るといった自分を守ろうとする行動が余計に憎しみを産み出すという悲しい循環の中で、ブランチはけなげに生きようとするんだけど。
そんなどうしようもないブランチを演じる秋山さんが可愛くてカッコ悪くて。したたかさ、図々しさ、あの声、あの微笑み、男なら迷わず騙されるわぁ。男だけじゃなくどうにか自分までも騙そうとする弱さまでがたまらない。
柄が悪く、品がなく、ブランチに徹底的に憎しみを向けるスタンリーを演じた池内さんもいい。何がいいってその身体つき。胸板厚く肩なんかはがっしりしてるのに、腹回りはなんとなく弛んでる感じが、いかにも呑んだくれて荒んだ生活を匂わせる。そこまで考えての身体作りがされてるとしたらすごいなー。30代の男の中途半端な雰囲気。そう感じさせる迫力。
松尾さんだからもっと笑えるのかなと思ったけど、意外にガッチリと。まぁ大人計画の俳優さんたちはお茶目でした。ちょこまかとかわいらしさを挟んでくるのはいい具合に力が抜けていい。
場面転換の映像がなんだかちょっと長くて、退屈な感じがしましたが。
3時間と長いのでちょっと疲れましたが、たまにはこんな風な有名戯曲をエンタメ演出でゆるっと観るのもいいなとは思えました。
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