「トラストいかねぇ」東京グローブ座 2011/7/19 13:00
グローブ座もずいぶん久しぶり。ジャニーズ系芝居。一昨年くらいのいのっち&ヨーロッパ企画以来かな。
なぜ観るかと言えば川島潤哉さんが出るから。加藤啓さんと町田マリーさんも観たい。
ジャニーズは嫌いじゃないけど関ジャニ∞はノーチェック。あんまり個別認識はできてないけど、たいがいジャニーズは芸達者だからここでチェックしたらいいかも。
3年前の家族旅行で母親を亡くした少年(安田章大)。父親(三上市朗)はそれを悔やんで息子にも心を閉ざす。母親が打ち込んでいたボランティア活動を通しても二人は心を通わすことができないまま3年。難病の藤丸くん(川島潤哉)を救うというそのボランティア活動の集まりに少年は仲間(駒木根隆介・町田マリー)を連れて現れるが、救うために集めた募金・9000万円をめぐってトラブル続発。
どったばったしながら結構楽しいお芝居。
作品自体に対する期待はほぼなかった。だからいいっちゃいいんだけど、流れや展開の唐突さ、説明の多さ、誘導的に理屈で泣かせようとするところなどはちょっと残念でした。
お父さんと息子の行き違いは感動ネタではあるけど、全部台詞で説明しちゃってくれてるから私としては興ざめして泣けなかった。
けど不満じゃないんです。私の観たかった俳優さんたちがそれなりにのびのびと楽しそうで、キャラも生かされていたから。
商業演劇として、それをジャニーズファンにも満足させ、私のような小劇場の俳優ファンも取り込んだっていう形として、この作品はすごいかもしれない。
ジャニーズの安田さんのファンだったら、彼が超キュートで、父親との関係に悩んで成長し、ちょびっと恋して実りかけて、ってところ、胸キュン。難病の青年役の川島さんは普段のインチキ臭さが生かされてる。町田・駒木根ペアは地方のヒップホップかぶれの雰囲気が安っぽく醸し出されてていい。三上さんの父親役も家族への思いの厚みと全体で窺える薄っぺらさが絶妙。加藤啓さんは外人の片言加減がいいポジション。ボランティア仲間の玉置孝匡さんも、マジメだけど簡単に人を裏切るってのが声の高さとかとマッチして。
作品としての脚本は不満ではあるけど、各キャラクターの見せ場を持たせ、どの人も印象に残すっていう意味では、ゴジゲンの松居大悟さんのこの見せ方はすごいなと思えました。ファンじゃない人に関しても、これに出ていたあの役の人だよっていうインパクトをきっちり残してる。関ジャニ∞わかんなくても、安田くん、かわいいって思えるし、たぶん川島さんや加藤さんを知らないジャニーズファンでも車椅子役の人、外人役の人、って言ったら絶対覚えてる。
そういうインパクトって意外と大事ではないかと、商業と小劇場との間で考えちゃいます。どっちにもファンを増やす、win/winな関係。
まぁどうにかして欲しいのは、やたらと女性二人連れが多いせいか劇中に互いに何か囁き合う人たちが多いのと、主役が何かしたときの悲鳴。台詞が聞き取れなくってね。
カーテンコールはスタンディングオベーション。私は立ちませんでしたが、オペラグラスでひたすら川島さんをズームして楽しみました。
満足ではないのになんだかニヤニヤ楽しい気分で帰れた作品でした。帰り道の大久保に向かう道での観客の会話もおもしろいのよね。
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