鵺的「昆虫系(改訂版)」2011/7/28 20:00
鵺的は2度目の観劇です。ちょっと暗めのハードボイルドな雰囲気がどうなのか。本井博之さんや大柿友哉さんが楽しみ。
実際にあった埼玉県の保険金殺人事件をモチーフに。2004年初演作品の再演だそうで。
舞台はうらぶれたスナック。貸金を営む社長に雇われた債務者たちとホステスたちと。無茶な取立てが続いた後に起こった悲劇。
鵺的の高木登さんの脚本にtsumazuki no ishi の寺十吾さんの演出。舞台装置はかなり本格的で、照明などの雰囲気も場末感がいい。
俳優さんたちの演技もこの演出に対して最大限に応えている感じで、全くブレなく底辺な感じを醸し出しているのがさすがと思いました。なんせ空気感がすごい。緊張・弛緩のバランスとか。
が、観終えてなんとも言えない感じです。好みの問題なのかしら、観ているのが辛かったです。場面場面はすごくいいんです。飽きないしストーリーもわかりやすいし。迷うことなくついていける。けど、どんなにいい演技しててもこの俳優さん好き、って思えなかったり、なんかよくわからないしんどさを感じる。
俳優さんが役どおりの嫌な人に見えるって言うのはある意味上手に見せてるってことなんでしょうけどね。うまさと別次元ってことはやっぱり好悪なのかなぁ。そうでもない気もするんだけど。
ストーリーとしてのハッピーエンドとかではなく、エネルギーを与えられるか吸い取られるかでいうと、この作品は吸い取られた気がします。だからしんどい。そういう意図で作られていてそういうつもりで観に行くなら、かなりおもしろいんだと思います。
私の今のコンディションとしてはあまりそぐわなかったかも。吸い取られたくない。
目当てだった本井さんは、顔色も悪く目だけはギラギラして、すごく鬼気迫る感じがよかったです。その妻役の安元遊香さんの肉感的な雰囲気とそれに見合っただらしない感じがぞくぞくしました。
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