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マームとジプシー「塩ふる世界。」② 2011/8/18 19:30

まぁなんだか気になってしょうがなくって、予定がなかった夜をそのまま横浜で過ごすことに決めました。当日券2連発。狙っていた方すみません。

腑に落ちる感触じゃなかったから。おもしろいけど手放しで楽しめるジェットコースターじゃなくて、壁を触りながら真っ暗な中進むお化け屋敷的な楽しさだったから。

やはり展開がわかっている分、受け取る手触りも変わる。体感が3時間から2時間くらいへ。

まず、何度か繰り返される海でのシーン。冒頭が10年後や20年後、みんながこの町を去って、同窓会的に集まったシーンに見え、さっそくうるうる。

一度目にやや邪魔に思えた言葉が今回は効果的に聞こえました。なんていうか、身体の動きとの乖離で。本心として思っているわけではない、傷つかないためやら保身のために自分を言い聞かせるような台詞。だから言葉として発すれば発するほど嘘くさいし、必死すぎて切ない。

例えば、ひなぎく(青柳いづみ)が母親の自殺について理由を考える時。「わからないなぁ」といいながら実は全て了承済みなんじゃないか。自分たちは安全なこどもだ、と主張するはなこ(吉田聡子)。そう叫べば叫ぶほど、実際は自分がそこからもう出てしまっているって自覚してる。

すべての言葉が裏返し。と思うと幼馴染でぶつけ合うののしりさえもきゅんきゅん。

2度目だからか時空間もぽんぽん飛びました。30年後くらいのおばちゃんになってからの回想に感じられたり、小学生なんだけどすごい昭和初期雰囲気に感じたり、10年後の男に抱かれた頃を想像したり。どの空想でも通用する普遍的な強さが作品に備わっているように思えました。

そうなるとラストシーンは圧巻。自分がどの時代、どの世代の彼らと触れ合っているんだか混乱して。でも保護者のように同級生のように、次世代のこどものように、ずっと知っているっていう親密さを持って。

泣きそうで泣ききれないって言うちょっとしたすっきりしなさはあるんだけど、やっぱりこれはしばらく言葉を失うような力がある。3部作の真ん中、北海道公演の凱旋「待ってた食卓、」はどんな作品になっているのかすごく気になる。

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