コテン「魔」② 2011/11/12 19:00
さて2回目。1回目でどう見えたとしても、コテンは絶対2度目に新しく発見することがあるように思います。一度観て満足したくない。満足できるわけがない、と思って毎度観ています。今回は、初回で少し読み言葉に翻弄された気がしたので、あえて脚本は読み返さずに臨みました。
やっぱりおもしろい。けど今日は、なにか、チクチクざわざわするものを感じました。なんだろう、不安になるようなざわつきです。ことばやエピソードの分かりやすい面白さの影には、コテンだけに絶対なにかが隠してあるんだろうな。初回の私の見方ではそれを受け止めきれてない。それはわかっていたけれども。それを感じたくて観てるんだけど、予感を感じるだけで怖くなるようなすごく不穏な感覚。
なんだこれは?一つ一つの言葉に説得力があり、それで納得してその登場人物の関係性もすんなり受け入れられる。それで一度目はしのげたはず。けど、その奥にどうにもならないぽっかりした穴があって、見えるのに逃げちゃダメで、落ちるまではそこにあるものを味わえない。
具体的にならないのも気持ち悪かったです。2回も観ているのにこれだって言えないそこはかとない不安感。ずっと観ていても何が?どこが?っていうのをうまく言えない、でも感覚的にぞわっとしちゃう置き場がない感じ。
やっぱり一度目に見たとき、読み言葉に引きずられたと思いました。知っていることでの理解度とは別次元にこの作品の力があるんだな、と。読んだ言葉を演者がどう演じるかは、川島さんを他でもよく観ていればわかることかもしれない。そこから彼の言葉で彼が演じるっていうことで生まれてくる意味が出てくる。私の場合、先に言葉ありきだとそのバランスがうまく取れない、と思いました。少なくとも一度は観てから、言葉に帰るのがよさそうかな、と。
今回の作品、底なし沼的な非常に掴みにくいモノがあるようで。自分の鈍さを呪いつつ、3度目を楽しみに。
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