コテン「魔」③ 2011/11/14 19:00
いよいよ、ラスト。今回は3回のみで打ち止め。
始まる前から、これがラストと思うと泣きそうになる。
一度目、二度目で把握できなかったことが、かなりすんなり入ってきました。
目で見る字面から得る情報と、実際その場で得る情報の違いっていうのに本当に感服しました。そうだよ、私が得たかったモノはこれだった!っていう感動でした。
やはり、そうそう、と共感できる名言が多い。笑える部分も多い。けれど、それを言っている状況や川島さんの表情を観ていると一概にそう言い切っちゃいけないような気がしてくる。言ったらおそらくすっきりするけど言ってはいけないこと、真実だからこそ口には出来ないこと、誰もが思っているけど心の中に仕舞っていること、そんな内容が台詞になって並んでいる。だからすごいすっきりするんだけど、そこにいる川島さんの姿を観ているとだんだん怖くなってしまいました。
それって本当に本気で言ってるの?そうじゃないよね、やめようよ。違う違う、本当はそうだってわかってるけど今言っちゃダメ。わわわわわ、と耳をふさぎたくなるような感覚。
自殺した生徒に名前を書付けられた生徒に向かって先生が辛らつに言い放つ、「意味はわかんない。けどお前だけを頼りにしてたんじゃないか?」って言葉。「笑いは決別」と言い切っちゃう潔さ。自殺した女性の、クラス全員が笑っていても「何が面白いかわからなかった」っていう絶望的な台詞。老人に生きるか死ぬかはっきりしろと迫るヘルパー。子供がうまれてもおめでとうといってくれるなと主張する妊婦。幸せばかりを自慢する花嫁。etc.etc.
段々と、それって本心?実はひっくり返って逆説的に何かを訴えようとしている?っていう不安に襲われちゃいました。いやだ、いやだ、気持ち悪い。
それを助長する音楽にもやられました。
そしてこれだけおかしな人たちを並べながらのオチ。自分が耳を塞ぎたくなったのもあながち間違いではなかったのかという意味では救われましたけど。
川島さんって、舞台上の姿を観ているとかなり怖そうで辛辣そうで、いろいろなモノを突き放してそうで、そこから作品が生まれているのかなとも思っていたけど、今回の作品を観てすごく親近感を覚えました。身の回りのことをちゃんと引き寄せて咀嚼して、そうしてこういう作品になっているのかなぁと。そうであって欲しいという願望かもしれませんが。
そしてますます「コテン」のファンになってしまいました。今思い返しても、泣けてきます。
次がますます楽しみ。
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