演劇

鉄割アルバトロスケット「四畳半オアシスロケット」 2009/12/27 19:00

久々のSuperDeluxe。年末押し迫ってなんか六本木とか気が重い。気分に華やかさが皆無。けど行くけどね。ミッドタウンで靴買いたい。

2、3年前にまったくどんな団体か知らないまま行った鉄割アルバトロスケット。スズナリで目を白黒させた記憶のみ。おもしろいのかどうかもわからないまま、舞台と客席のグルーブに恐れを抱いたのでした。その後、いろいろ評判を聞き、また行ってみたいなと思いながらも全然チケットとれず。ようやくのリベンジです。

恐れをなしながらもやっぱり最前列は譲れない(笑)。

ゆるやかに繰り出されるコント?なのかな、これ。すごい。バカだ。冷静な時ならまず私の笑いのツボに引っかからないようなテンションなのに、なぜか最初っから顔の筋肉は緩み、だらしなく笑いっぱなし。なんだろ、笑わせてもらおうなんていう受動的な姿勢で臨んだらたぶん引いちゃう。こっちからどこで笑ってやろうかって戦いを挑むつもりで喰らいついたら、楽しくて。投げられても投げられても負けないよ、こっちは。バカだ、この人たちも、私も。

一番前でラッキーなことにちょこちょこ何回もいじってもらえましたhappy02外人とカップルばっかりだったから、一人あほヅラして笑ってる私は寄りやすかったかしら。どきどきするけどうれしい。もちろん目をそらさずガン見しました。

今夜のゲストはcontact Gonzo。知らないユニットだったけど、これがまたおかしい、笑えるっていう意味でも狂気的っていう意味でも。意味のわからない文章がループして朗読される中、3人の男が静かにゆるゆると組み合い、投げ飛ばしたりビンタしたり写真とったり。いや、絶対文章にならない。こんなの観たことない。自分が何に対してすごいとかおもしろいと思ってるんだかまったくわからなくなりました。ここに居合わせた興奮でヨダレ出そう。

完全にハマりました。昨日今日の2日間だけの公演だったけど、もし明日もあったらすべて投げ打って行ってたな、こりゃ。

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劇団掘出者「ロミオの代わりはいくらだっているし、ジュリエットの代わりだって腐るほどいる」 2009/12/19 20:00

劇団掘出者の特別公演。掘出者って作風を説明しろって言われると難しいんだけど、なんかいつもいいとこ突いてくるって感じがある。劇団員さんの入れ替わりもあったようですが、特別公演ということで何をやらかしてくれるのか。

シンプルなタイトルが多いこの劇団にしてこれだけクドいタイトル。ちょっと屁理屈で攻めてくるところが特別公演ならではなのかな。

あるアパートでのできごと。親友の住まいに転がり込んでいる男は、失恋したばかりで妄想ばかりしている。もちろんフラれた女の子を登場させて。親友は彼女はいるけど妹の誘いでセミナーに参加しそうになっている。同じアパートの他の住人は宗教の勧誘にやってきたり、お母さんを軟禁していたり。一人じゃいられない、誰かに必要とされたい、そんな人たちが次々と。

大きく物語があるわけではなく、そこここに散らばる人間関係をこってり。それがくすぐったかったり痛かったり。ある意味当然のことしか言ってないんだけど、改めて思い出させられた気になる。

セミナーへ誘う妹に従い参加しようとする兄、阻止しようとする彼女のやりとり。セミナーなんてどれもみんな同じ、食い物にされるだけ、と言い切る彼女に対し、わかってないなぁと苦笑いする妹。自分は臭いから近寄るな、と悲鳴まで上げながらそんな自分は大好きだとけろっと言い放つ妹。一緒にいてどれだけ得できるか、で友達を選ぶ男。どの立場に立ってもそれは本当である、けど周りから見ればおいおい、っていう存在。

これでもかとそういう存在を見せられ、改めてタイトルを思い出すとそんな寂しいことお願いだから言わないで!と泣きすがりたくなる。ロミオやジュリエットといったこれだけ固い絆で結ばれた二人でさえ、結局本当は誰でもよかったんじゃないの、といわれればそれまで。そうだよ、私なんかの代わりなんてどこにでもいる。

そこで登場する百花亜希演じるお母さん。自分を軟禁している青年を息子と思い込み、大切な存在だと主張する。さらにそこに訪ねてくる人すべてを自分の息子とみなし、それが何人出てきても結局は一人、大切で唯一の存在だと言い切る。誰であろうと受け入れ、お母さんには損をさせてもいいと優しく語り掛ける。

そうなんだよね、すべての人が欲しているのは自分を唯一とし、受け入れてくれる存在。どんな迷惑をかけようがどんな損害を与えようが許してくれる存在。そんなことはわかっているし、恥ずかしいから知りたくもない、だからその存在を重たくいかにも、で登場させるのではなく、ぽこんと置いて登場人物をすべて並列において誰が誰でもいいのよ、私の子供、といい加減に言い切っちゃう感覚が尖っていて鮮烈。私が俺、アンタが私でもなんでもいいから、っていう感覚が悲痛。

最後の場面がちょっと説明くさくなっちゃったのがもったいないところだったけど。もっと突き放して上から目線で攻めて欲しかったな。

田川啓介さんの書く物語はおもしろい。横長の舞台の使い方はどの席から観てもストレスが大きくどうかとはおもったけど。

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開幕ペナントレース「ROMEO and TOILET(帰国凱旋バージョン)」 2009/12/18 19:30

演劇ともダンスともつかないおかしなパフォーマンスを見せてくれる開幕ペナントレース。今年の夏はNY公演をやってきたということで、今回は帰国凱旋公演。

バカを思いっきりやりきる姿勢は変わらず。

中身は説明のしようがないんですが、意味を求めちゃったらまったくわからないめちゃめちゃなモノ。セットなしでトイレを身体だけで表現し、そこに駆け込んでくる人を描いたり、全員ロミオに扮してバルコニー場面を作ってみたり、銀河鉄道になってみたり。笑いはあるけどコントではないし、身体を張るけど悪ノリはしないし。

私は地味に身体を痛めつけていく様が大好きみたいで、空気椅子みたいな観ててもあまりわからない形で疲れていき、息を切らしていく様子にわくわくするようです。だからここのパフォーマンスのような疲れ方、おもしろくって。

なんとも無駄なところで身体を動かし、じっとしている場面では妙に疲れる体勢をとったりするんですよね。

それが好きなのに、今回はずいぶんおとなしかったみたい。

まず残念だったのはトレードマークのアフロを外しちゃって。人種的なうんぬんがあったとアフタートークでは言ってましたが、新聞紙を使った妙なかぶりものでは今ひとつ迫力足らず。

海外公演っていうとたいがいの公演でどうしても言葉の壁を意識するのか、なぜか普段の勢いを殺す傾向にあるように感じます。わかりやすいようにわかりやすいように、ってなるのかな。この作品も、表現ていうか見せ方・見え方を派手にしているけど身体の張り方が足りないように思いました。顔芸とか体のくねらせ方とか小手先な感じで。

必死に踏ん張って辛い顔が見たかったです。ってそういう書き方すると私、やばい人だなcoldsweats01

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ゲキバカ「おぼろ」 2009/12/16 19:00

劇団コーヒー牛乳なんて甘ったるい名前からやったります的勢いのあるゲキバカへ、改名お披露目公演。それのさらに初日に行ってきました。男ばかりのクサい感じが観たい。

まずは歌舞伎の新年の挨拶か、噺家の襲名披露のような劇団員の自己紹介から。実は名前と顔を覚え切れてないので、ありがたいわ。ノリも楽しい。

物語は設定を江戸時代に。おぼろを名乗る泥棒とお花という夜鷹が町中を荒らしている今日この頃。異人のような出で立ちの二人組が平賀源内を探していた。二人は未来の月からやってきて、どうしても雪を降らせたいというのだが…。

勢いはあって楽しいし、俳優さんそれぞれに合ったキャラ設定で生き生き見えるし、、、なんだけどなんか退屈。伏線というか登場人物それぞれの見せ場が次々に現れるから、山山山、で逆に平坦ていうか。私の体調がよくなかったせいもあるから申し訳ないんですが、追いかけきれずに飽きちゃった。期待値が高すぎたのもあるかな。

物語の見せ方と悪ノリの加減がちぐはぐにも思いました。バカをやるならもっともっと。自己紹介から劇団員押しにしてるんだから、どこまでもそこに頼った作品でもよかったかと。何をメインに見せたいのかわからないくらい、物語も通らないし、キャラ押しも弱いし。

かなり久しぶりに、途中で帰ってもいいかな?と迷ってしまうくらいでした。

ラストシーンがかなり不満。未来の世界に帰った二人は月の中の影として現れる。手前ではおぼろを捕らえようとする戦いが。さらに雪が降る。。。かなりロマンチックな場面で素敵なはずなのに、月の影の二人はよくわからない動きをし、それに目を取られて結構本格的でおもしろいはずの殺陣なんか全然見られず、さらにそれを隠すかのように雪。丸かぶりでどこも堪能できず、もったいないったらありゃしない。

子供や宇宙人をやらせたら鉄板の片桐はづきさんはやっぱりキュート。ランドセル背負わせたら右に出る者なし。相方の小堀紗矢香さんともども好感。

劇団員の方々の身体のキレはすっごいので私は大好きです。だからダンスシーンは美しくってスカッとしました。それが最高になっちゃったってのが惜しい。

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ヨシロォの夏は夢叶え冒険団「お願いだからグーで殴らせて、お願いだから!!」 2009/12/7 15:00

MCRの福井喜朗さんのユニット、冒険団。めちゃくちゃ加減が最高です。

恒例の1DAY公演。お気楽にげらげら笑わせてもらおう。一日ずっと付き合っても退屈しなさそう。

とは思ってもまぁ実際観たのは初回のみ。初回なだけにうだうだ感は絶好調でした。

レッド族に伝わる秘宝の水、いろはすを巡り、醜い争いを繰り広げる博士やアトムやアイドルやねずみ男たちのお話。

こんなふうに登場人物羅列するのさえちょっと恥ずかしくなるようなバカバカしさ。

前半は少し苦笑でしたが、伊達香苗さんが虐げられ始めるたころからがんがん笑えました。究極のM女、伊達さんの暗い目がなんともいえない。

MCRに出演されていた石澤美和さんが客席にいるなぁ、なんてぼんやり思ってたら、なんと出演者。普通に観てたっぽかったのに。別の回は別の方が出たのかな。そういうのも気になっちゃう。

客席からの飛び入りや劇場外へ飛び出しての乱闘などほんとやりたい放題。楽しかったな。

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メタリック農家presents「累累!」 2009/12/4 19:00

ひゃあ、豪華すぎるラインナップの5本立て。古市海見子さんや福田高徳さんや今城文恵さんといった農民たちがいないのはややさびしいけど。

私、劇場に来てアンケート見るまで「牛」と「泡」が再演だってことに気付いてませんでした…。観たくせに。しかも「泡」は葛木英さんと板倉チヒロさんの(私の中ではbleah)伝説の富士ロックの中の一つ。私が板倉さんのカラダに見惚れたアレなのに。思い出して今回のキャストを当てはめてニヤニヤ。

1本目「鏡」ご飯が食べたいという父を変態扱いし、朝からAVを観る母と娘と息子。家族の朝の風景、なんだけどお父さん以外はなんだか様子がおかしくて。テレビでもお馴染みの半海一晃さんを駅前劇場で見られるなんて。おかしくなっちゃった家族に仲間外れにされておろおろする様子がかわいい。

2本目「牛」以前WHAT COLORで上演された作品です。風俗嬢モモコと鼻輪を付けた男・マツサカの恋の話。タイトルをしっかりインプットして観ると細かく細かく笑えます。いけだしんさんの勘違いイケメンぶりが好き。日替わりゲストはここに登場。今日はJJポリマーの成田優介さん。ゲストのメンツがかなりキャラ濃だからどう違うのかすごく興味津々。

3本目「型」ドール風な少女を溺愛する男の話。少女に言葉はなく、ほぼ板倉さんの一人芝居状態。さすが葛木さん、板倉さんが生き生きするキャラをよくわかってる。新しさはないかもしれないけど、キモさとかわいらしさと切なさと狂気にきゅんとします。少女役の酒井杏菜さんも何もせず、されるがままの演技はすごい。無機質な表情と生き物ではないモノとしての自然な動かされ方がそそります。楽しい二人きりのクリスマスかと思いきや、ラストでぐわっと凄味がありました。

4本目「器」唯一の映像作品。女体盛りの器である女と、盛り付け側の板前の恋。エロさと純粋な恋心のバランスも乙女チックで微笑ましい。映像あること前提にセットが組まれているから、前方の席でもスクリーンが観にくいってことがないのがうれしい。そのぶん芝居のときのセットの出入りは考えただろうけど。

5本目「泡」人魚の男とその男のためにひたすら尽くす女の歪んだ愛のお話。初演を思い出してしまうと、そっちのほうが好みかなあ。板倉さんの甘えたりいじけたりが絶妙だったから。岸潤一郎さんだとおもしろいけど男らしすぎて。高木珠里さん演じる女との間の心の軋みがちょっと感じられず。高木さんの強いのにいたいけな雰囲気にはきゅんきゅんやられましたが。

こうやって並べるとメタリック女王の作風が色濃くみえるものですね。長編一本観るよりエッセンス凝縮されてておもしろい。これだけしっかり俳優さんに支えられて完成している世界だけに文章だけになる小説はどんな形にまとまるのか、期待もあり、危惧もあり。

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孤天 第二回「ボクダンス」 2009/12/5 19:00

川島潤哉さんの一人で演劇するシリーズ第二弾。前回素晴らしかっただけに大いに期待。

小田急線でちょっと遠くまで。千歳船橋APOCシアター。初めて行く劇場でしたがすっごく素敵。2階がかなり立派な劇場、下がカフェになっていてお茶やお酒が楽しめます。先日の風琴工房といい、ほんとみなさんいい場所見つけますよね。

今回のテーマはダンスと伯父さん。ダンスをする男とそのまわりの人々の姿を、80分ノンストップでしゃべり続けてました。

ざっくり言っちゃえばただそれだけ。なのになぜかものすごく心打たれちゃうんです。

川島さんの作品は、自分で書いて自分で演出して自分で演じてるだけにかなり彼個人の経験とかに基づいて作られているように思います。だから意図することやその見せ方はかなり生々しくて濃密。思いがぎっしり。

でも一方的な押しつけでもなく独りよがりなマスターべーション的でもない。それは川島さんが観客としての視線も持っているからなのかな、と。作品として楽しませることは大前提で一番の基本ラインとして押さえた上で、乗っけたいものをしっかり乗っけてくる。伝わってくるものもずっしりと重量感があり圧倒されます。

一人芝居などという上品なコトバでくくることのできない熱さがあるんです。一人の人間による究極の表現。

今回のテーマにも絡みますが、わかる・わからないとか、メッセージがある・ないとか、物語がある・ないとかが大事なわけじゃなく、それを超えて感じる、そこでしか体験できない感動のために劇場にいくわけだからね。そういうエネルギーが十分にある。

こりゃやっぱりリピート必須だな。

ま、前回と比べると伝える方法・構成をわかりやすくしている分、主義主張的な部分が相対的に強く感じられました。うっかり理屈で考えたくなっちゃう、何が言いたいんだろうって。ダンスをする男っていう中心があるからその人の気持ちとかをね、追いかけちゃったり。その瞬間瞬間を笑ったりばーかって思ったりキモいって思ったりし続けた挙句、あ、つながってたって気づくほうが爽快感があるから。自分の観かたを場面場面を単純に楽しむモードにシフトしておかないと。

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毛皮族「社会派すけべい」 2009/11/26 19:30

しばらく劇団江本純子にかかりきりだった江本さんが帰ってきました。

私は駅前劇場での毛皮族が大好き。本多劇場だと迫力に欠けちゃうのよね。近さというか狭さというか、やや閉塞感あるほうが振り切れて楽しい。

そんな迫力を一番前で味わえるなら、と座布団席を希望してみたら、想像以上のドキドキ。近いっ!

20年前のあるドラマが大好きな鄙びた温泉旅館の女将さん。温泉女将の愛人になりたがっていたドラマの主人公・ジローがいつかやってくることを夢見て女将になったり、ジローにそっくりな男の愛人になったりするほど夢中で、毎年のように放映される再放送も欠かさず観ているのに、なぜか最終回だけはいつも観逃してしまっている。ドラマの中でも現実もどうしているのかわからないジローをどうにかして捜し出そうとして…。

設定や作り方やノリや、いたるところに昭和的エッセンス。吉本新喜劇とか「時間ですよ」みたいなイメージ。安心感がありつつちゃんと高揚させてくれる。劇団員が持ち場をしっかり守ってるからこそきっちり成り立っているエンターテイメント。

どっしりした色気をもつ女将を演じる羽鳥名美子さんやら、まるで屋台骨のようにがっしりと旅館の経営者一族3人を一人で演じきる柿丸美智代さんやら、イロモノの多いキャラの中でもきわめつけの部分をかわいらしくもちゃんとイロモノとしてインパクトを残す武田裕子さんやら。ほんと個性的なのに浮き上がらずにまとまってる。

ここに看板女優・町田マリーさんと江本さんの濡れ場まで組み込まれてるんだからサービス精神満開。ほんと小劇場版宝塚。

最前列特典。冒頭、町田マリーさんがハイレグレオタードで登場。花道で足なんか組まれちゃったらレオタードと肌のすき間まで見えてしまいますぅcoldsweats01ちょいと乗り出したら舐められそうな距離。キレいかったなぁlovelyごちそうさまでした。

敢えて言うなら、ちょっと時間が長いのと水害への警告をしてほしいのと桟敷と椅子の値段格差が欲しいのと。

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elePHANTMoon 「ブロークン・セッション」② 2009/11/23 19:00

正直もう一回行くかどうか迷いに迷いました。初日がすばらしくよかったからもう一度、ってわけじゃなく、自分の観方が間違っていたかもしれないっていう反省、もしくは観方を変えたらおもしろくなるんかいコノヤローっていうリベンジ的発想だったから。

いや、でも観に行ってほんとよかったぁ。だって、すごくおもしろかったんだもん。

おそらく内容はほぼ変わってないです。

犯罪被害者が賠償金代わりに加害者を殴ることで両者の心の平安を取り戻そうっていうシステムが存在し、ドキュメント映像を撮ろうってやってるうちに…。

始まってしばらくは素直に受けとめてただけだったんですが、どこかでスイッチが入っちゃってから。。。

完全にこれ、コメディでした。おかしくってたまらない。B級ホラーを観て、ありえねぇってげらげら笑っちゃうアレ。だから作中の人物が真面目に恐がったり怯えたりすればするほど、指差して笑いたくなる。だって、あんなシチュエーションの中で誰もが真剣に逃げようとしたり隠そうとしたり、必死なんだもの。いったん笑い始めたら止まらない止まらない。

そうか、だから暴力見せなくていいんだ。納得。

カラダを緩めて向き合うとこんなにも感じ方違うのか、と自分でも驚きでした。勉強になりました。

あぁ、そうなるとさらに同じ作品の二度観三度観がおもしろくなっちゃうんだよなぁ。

ただね、やっぱりどこかで反則プレイだとも思ってしまう。やるはずのことをやるには時間が足りなかったとか。暴力シーンを見せてないって言うのは俳優への負荷がかかってないってこと、そこから深読みすると練習する時間不足かな、なんて。だからこういうのは番外公演とかにして欲しいかな。こっちに路線変更とかじゃなく。

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elePHANTMoon 「ブロークン・セッション」 2009/11/18 19:30

二度観の可能性を踏まえて、初日にうかがってみました。好きなところほど、公演中どの辺りで観ようか迷っちゃいます。ほんとは終わり近くに観たほうがノッてくるのかもしれない、なんて思いつつ。

当日パンフによるといつものかっちり作り上げるイメージから離れ、物語にこだわらずセッションとして仕上げた作品とのこと。そっかぁ。

殺人事件を起こし刑を終えたが被害者への賠償を払いきれない弟のため、弟を殴られ屋的に用いて賠償金を払う兄夫婦。そのシステムを考えだしやり始めた夫婦やそれにのっかろうという親子、被害者達、その記録映像を残そうという者たちが集まってきて。

賠償金を払うために殴られるとかそれを受け入れて殴るとか、常識を越えて生きているが故にある意味冷静に事を運ぼうとする人々がひどく不気味。おかしいことをやっている後ろめたさとそれでもそれをやり遂げようとする意志のバランスが、人間の恐さと滑稽さを映し出してます。一方でどこまでも無自覚に無神経に、そういう覚悟を決めてる人たちの中にずかずか入っていく人たちの描き方がすばらしいんです。加害者の妹と撮影クルーの方々のような人々。一見まわりにとらわれず自分の価値基準で行動しているちょっと変わった人、ってのが、最後のカードがめくられる時には一番の常識派に見えてくるような作りが、マキタ作品の魅力と感じちゃうくらい。江ばら大介さん演じるカメラマンキャラに凝縮されてました。

そういうすばらしい人物造詣・状況設定は持ち合わせながら、今回はそこからの表現にいつもの作品との違いがあったように思います。例えば暴力シーン。どこまでリアルを追求しても舞台上で本物を見せることはできない殺人や殴る蹴るを、ぎりぎりまで舞台上に持ち込もうとするのがいつものやり方だとすると、今回は直接見せない形での伝え方を試しているように思いました。殴られる加害者と殴る被害者のシーンや見つけてしまった死体を解体するのに風呂場へ運び込むシーン。直接的な暴力そのものを見せて痛みや思いを想像させるやり方から、飛び散る血液や聞こえてくる音から起こっている出来事そのものを想像させるやり方へ。観客個人に任せられた想像はそれぞれに果てしなく広げられるし、広げられる分恐い。そういう恐怖を体感しながらも、私は何か違うっていう違和感を感じてました。

残虐行為が行なわれてるけどうっすら感じさせるだけでいいっていう作風の場合は舞台に載せないが故のぞくぞく感で満足ですが、そういうシーンが主題に近いところにあるelePHANTMoonの作品の場合、それを想像に任せちゃうのは物足りないなぁ、と。強くいうなら逃げ、もしくは怠慢じゃないかと。だって物理的に見せられないシーンをこういう形で見せてくれるところなんて、他にいくらでもあるんだもん。ここでぎりぎり攻めてくるきわどさが、私がelePHANTTMoonに惚れてる理由なのかも、と今回観て思った次第。

好みの問題ではありますが、私は残虐シーンを目の当たりにしたところから生じる、どう処理したらいいのかわからないような気持ち悪い感触とそこにおける人々の想いへの想像を求めちゃってたみたい。

とは言っても作品自体の得も言われぬ気持ち悪さやおかしさは十分。薄気味亜w)€ォさが転じて思わず笑ってしまうようなとこまであるし。楽しめはしたものの、今作品で目先を変えてみたってことに私が対応できてなかったせいか満足はできなかった。先入観ばりばりすぎて観方がやや曲がっちゃってるのはよくないな。フラットになってもう一回観ようかな。

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